ハーモニックパターンとは?X・A・B・C・Dの5点と、フィボナッチ比率の考え方

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ハーモニックパターンとは

ハーモニックパターンとは、価格の動きの中に、X・A・B・C・Dの5つの点を見つけ、各区間の比率が、フィボナッチ比率に近い形になっているとき、Dの付近で反転が起きやすい、と考える手法です。英語では、「Harmonic Pattern」と呼ばれます。

通常のチャートパターン(ダブルトップなど)が、「形の見た目」で、判断するのに対し、ハーモニックパターンは、「各区間の比率」まで、数値で確認する点が、特徴です。ただし、比率が合っているからといって、必ず反転するわけでは、ありません。

原型は、1930年代に、H.M.ガートレーが、紹介した形とされ、その後、2000年代に、スコット・カーニー氏が、いくつかの形を、整理して、広めた、と言われています(出典により、説明は違います)。フィボナッチ比率については、別の記事で解説しています。

X → A → B → C → D の5点で、4つの区間(XA・AB・BC・CD)を作る
各区間の比率が、決まった範囲に入る → その形の名前がつく
Dの付近(PRZ)で、反転が起きやすい、と考える

上の図は、買いの形の例です。Xの安値から、Aの高値まで上昇し(XA)、Bまで下げ(AB)、Cまで戻し(BC)、Dまで、再び下げて(CD)、Dの付近で、反転しています。Dの付近の橙の枠が、PRZ(反転が起きやすい、と考える範囲)です。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。

5つの点と、PRZ

点・用語内容
Xパターンの、始まりの点
AXからの、最初の動き(XA)の、終わりの点
BXAの動きの、一部を、戻した点
CABの動きの、一部を、戻した点
Dパターンの、完成の点。ここで、反転を、狙う
PRZPotential Reversal Zone(反転が、起きやすい、と考える範囲)。複数の比率が、重なる、Dの付近

買いの形では、Dが安値になり、売りの形では、Dが高値になります。売りの形は、買いの形の、上下を、逆にした形です。

代表的な形と、比率

ハーモニックパターンには、いくつかの種類があり、種類ごとに、BとDの位置の、比率が、決まっている、とされます。下の表は、よく紹介される、比率の例です(解説書やソフトによって、数値は、違います)。各パターンは、別の記事で解説しています。

パターンBの位置(XAに対する戻し)Dの位置
ガートレー約61.8%戻しXAの約78.6%戻し
バット約38.2〜50%戻しXAの約88.6%戻し
バタフライ約78.6%戻しXAの約127%(XAを超える)
クラブ約38.2〜61.8%戻しXAの約161.8%(XAを大きく超える)

ガートレーとバットは、Dが、Xを超えない形、バタフライとクラブは、Dが、Xを超える形です。シャーク、サイファー、AB=CDなども、別の形として、知られています。

計算例(買いの形)

Xが148.00円(安値)、Aが150.00円(高値)で、BがXAの61.8%戻し、CがABの50%戻し、DがXAの78.6%戻しになる例を、計算します(例の数値です)。

XA = 150.00 − 148.00 = 2.00円(200pips)

B = 150.00 − 2.00 × 0.618 = 150.00 − 1.236 = 148.764円 ≒ 148.76円
AB = 150.00 − 148.764 = 1.236円(XAの 1.236 ÷ 2.00 = 61.8 %)

C = 148.764 + 1.236 × 0.5 = 148.764 + 0.618 = 149.382円 ≒ 149.38円
BC = 0.618円(ABの 50 %)

D = 150.00 − 2.00 × 0.786 = 150.00 − 1.572 = 148.428円 ≒ 148.43円
CD = 149.382 − 148.428 = 0.954円(約95pips)

Dの148.43円は、Xの148.00円より、43pips上にあり、Xを割り込んでいないため、ガートレーに近い形といえます。また、CDは、BCの約1.54倍(0.954 ÷ 0.618)で、BCに対する、CDの比率も、確認する考え方が、あります(範囲は、解説書により、異なります)。

この例は、きれいに比率が、そろっていますが、実際のチャートでは、比率が、少しずつ、ずれることが、ほとんどです。どのくらいのずれまでを、許容するかは、決まっておらず、許容を広げると、パターンに見える場面が、増えて、後から、都合よく当てはめやすくなります。

他のチャートパターンとの違い

ハーモニックパターンダブルトップ・ボトムフィボナッチ・リトレースメント
見るもの5点と、各区間の比率2つの山(谷)と、ネックライン1つの動きに対する、戻しの水準
判断の、基準比率が、決まった範囲に入るか形と、ネックラインの、割れ戻しの比率
エントリー位置D(PRZ)付近ネックラインの、ブレイク後戻しの水準
特徴反転の位置を、事前に、考える形が、確定してから、動く単独の、水準を考える

ハーモニックパターンは、「Dに到達する前に、反転の位置を、予想する」点が、特徴ですが、その分、形が完成しなかったり、Dを通り過ぎたりする場面も、多いと、考えられます。

基本の使い方

1. X・A・B・C・Dの候補を探す

直近の、はっきりした、高値と安値を、XとAに、決め、BとCを、確認します。点の取り方は、人によって、違い、同じチャートでも、異なる形に見えることが、あります。

2. 比率を、確認する

BとCの位置が、ある形の、比率の範囲に、入っているかを、確認します。入っていなければ、その形とは、いえません。

3. Dの位置(PRZ)を、計算する

B・Cが、確定したら、Dの水準を、計算します。複数の比率が、同じ付近で、重なる範囲が、PRZです。

4. 反転の、サインを、確認する

Dに到達しても、そのまま、下げ続けることが、あります。ローソク足の、反転の形などを、確認します。

5. 損切りと、目標を決める

損切りは、パターンが、崩れる水準(買いの形なら、Xの、少し下など)に、置く考え方が、あります。目標は、Dからの、戻りの、一部(C付近など)と、する考え方が、あります。

計算例:Dで、買う場合

D=148.43円(XAの78.6%戻し)で、買う場合を、考えます。損切りは、Xの148.00円より、10pips下の147.90円、利益確定は、AからDの下げの61.8%を戻した水準(148.43円 + 1.572円 × 0.618 ≒ 149.40円)とします(例の数値です)。

D(148.43円)に、指値で買う場合

エントリー 148.43円、損切り 147.90円、利確 149.40円
リスク   = 148.43 − 147.90 = 0.53円(53pips)
リワード = 149.40 − 148.43 = 0.97円(97pips)
リスクリワード比 = 97 ÷ 53 ≒ 1.8

陽線が確定した足の終値(148.65円)で買う場合

エントリー 148.65円、損切り 147.90円、利確 149.40円
リスク   = 148.65 − 147.90 = 0.75円(75pips)
リワード = 149.40 − 148.65 = 0.75円(75pips)
リスクリワード比 = 75 ÷ 75 = 1.0

反転が、さらに進んだことを確認した後の、148.95円で買う場合

エントリー 148.95円、損切り 147.90円、利確 149.40円
リスク   = 148.95 − 147.90 = 1.05円(105pips)
リワード = 149.40 − 148.95 = 0.45円(45pips)
リスクリワード比 = 45 ÷ 105 ≒ 0.4
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
指値(D)148.43円53pips97pips1.8
陽線の確定を確認148.65円75pips75pips1.0
反転が進んだのを確認148.95円105pips45pips0.4

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格がDに届かず、反転して、エントリーできないことも、あります。また、Dに到達しても、そのまま下げ続けて、損切りに、かかることも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、低いときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。

注意点

1. 比率が合っても、反転するとは、限らない

ハーモニックパターンは、「反転が起きやすい、と考える」ものであり、反転を、保証するものでは、ありません。Dを、通り過ぎて、下げ続けることが、あります。

2. 点の取り方で、形が変わる

X・A・B・C・Dを、どの高値・安値に、取るかで、形が、変わります。ヒゲで取るか、終値で取るか、という違いでも、比率が、変わります。事前に、取り方を、決めておくことが、必要です。

3. 後から、当てはめやすい

チャートを、見てから、点を探すと、どんな動きも、それらしい形に、見えます。許容する、ずれの範囲を、事前に、決めましょう。

4. 形が、完成しないことが、多い

B・Cまでは、形に見えても、Dが、期待した水準に、ならないことが、多く、形が、成立するのは、一部と、考えられます。

5. 数値の基準は、出典で違う

各パターンの、比率の範囲は、解説書やソフトによって、違います。使う基準を、決めて、後から、変えないようにしましょう。

6. ダマシ・負けが、続くことがある

たとえば、Dでの買いが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

7. 足が確定するまで、分からない

足の途中では、Dに到達したように見えても、確定する前に、さらに動くことが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

「形が合えば、反転する」と考える

比率が、合っていても、反転しないことは、あります。損切りを、先に、決めておきましょう。

比率の、ずれを、広く許容する

ずれを、広く、許容するほど、パターンに、見える場面が、増え、根拠が、薄くなります。

Dに到達する前に、決めつけて、エントリーする

B・Cが、確定する前に、Dを、予想して、エントリーすると、形が、崩れた場合に、損失が、広がります。

相場の状況を、確認しない

強いトレンドの中では、Dを、通り過ぎやすいと、考えられます。まず、相場の状況を、確認しましょう。

検証せずに、使う

「ハーモニックパターンは、よく当たる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • ハーモニックパターンは、X・A・B・C・Dの5点と、各区間の、フィボナッチ比率から、Dの付近(PRZ)での、反転を、考える手法
  • 種類によって、BとDの比率が、違う(ガートレー・バット・バタフライ・クラブなど。数値は、出典によって、異なる)
  • 例では、X=148.00円、A=150.00円で、B=148.76円(XAの61.8%戻し)、C=149.38円、D=148.43円(XAの78.6%戻し)
  • 例では、指値(1.8)、陽線の確定の確認(1.0)、反転が進んだのを確認(0.4)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 比率が合っても、反転するとは限らない。点の取り方や、許容するずれで、形が変わり、後から当てはめやすい
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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