周期は、1つだけで見ない
メリマンサイクル理論では、PC(プライマリーサイクル)、MC(メジャーサイクル)、TC(トレーディングサイクル)という、長さの違う周期を、使います(本数の目安は、PCが週足24〜35本、MCが日足35〜45本、TCが4時間足60〜80本。別の記事で解説しています)。どれか1つの周期の安値だけを、見ていると、その安値が、小さな安値なのか、大きな流れの安値なのかが、分かりません。
そこで、複数の周期の「窓」(安値が出やすい時間帯)を、同じ時間軸に、並べて、重なる場所を、探す考え方が、あります。窓が、重なる場所で、安値ができれば、複数の周期の安値が、同時にできた、可能性が、あるためです。
メリマンの公式サイトの用語集では、トレンドは、1つ上の周期で決まる、とされ、PCには3つのMCが含まれる、と説明されています。一方で、「窓の重なる数で、安値の強さを、判断する」という方法は、この用語集では、確認できていません。この記事の「重なりの数」は、周期の構造から、私が整理した、見方の例です。

上の図は、説明のために作った例です。日足で表示し、窓は、日数に換算しています。実際の相場が、このようにきれいに動くことは、少ないです。
窓を、日数にそろえる
周期ごとに、時間足が違うため、重ねるときは、同じ単位(この記事では、日数)に、そろえます。
| 周期 | 時間足と本数 | 日数への換算 |
|---|---|---|
| PC | 週足24〜35本 | 1週 = 5日(日足5本)として、120〜175日 |
| MC | 日足35〜45本 | そのまま、35〜45日 |
| TC | 4時間足60〜80本 | 1日 = 4時間足6本として、10〜13.3日 |
PC:24 × 5 = 120日 〜 35 × 5 = 175日
MC:35日 〜 45日
TC:60 ÷ 6 = 10日 〜 80 ÷ 6 ≒ 13.3日
それぞれの窓は、「前の安値の日 + 本数の範囲」で、決まります。図の上段(例の数値)では、次のようになります。
| 周期 | 前の安値 | 窓の計算 | 窓 |
|---|---|---|---|
| PC | 0日目 | 0 + 120 〜 0 + 175 | 120〜175日目 |
| MC | 112日目 | 112 + 35 〜 112 + 45 | 147〜157日目 |
| TC | 140日目 | 140 + 10 〜 140 + 13.3 | 150〜153.3日目 |
日足と週足は、同じ日の中で、扱うため、休日や、ブローカーの区切りで、本数が、前後することが、あります。そのため、窓の端の数値は、目安です。
計算例
3つの窓が、重なる範囲
重なりの始まり = 3つの窓の始まりのうち、いちばん遅い日 = max(120, 147, 150)= 150日目
重なりの終わり = 3つの窓の終わりのうち、いちばん早い日 = min(175, 157, 153.3)= 153.3日目
重なりの幅 = 153.3 − 150 = 3.3日(4時間足で、3.3 × 6 ≒ 20本)
窓の幅:PC 175 − 120 = 55日、MC 157 − 147 = 10日、TC 153.3 − 150 = 3.3日
PCの窓の幅に対する、重なりの幅 = 55 ÷ 3.3 ≒ 16.5倍、絞り込めた
MCの窓の幅に対する、重なりの幅 = 10 ÷ 3.3 ≒ 3.0倍、絞り込めた
3つの窓が、重なると、PCの窓だけの場合に比べて、「いつ」を、約16.5分の1の幅(55日から3.3日)に、絞り込めます。ただし、窓が重なっていても、そこで、必ず安値ができるわけでは、ありません。
重なりの数
安値が、いくつの窓の中に、入っているかを、数えます(この記事の見方の例です)。
| 図 | 安値の日 | PC窓 | MC窓 | TC窓 | 重なりの数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | 152日目 | 内(120〜175) | 内(147〜157) | 内(150〜153.3) | 3 |
| ② | 152日目 | 内(120〜175) | 外(160〜170) | 内(150〜153.3) | 2 |
| ③ | 152日目 | 外(160〜215) | 内(147〜157) | 内(150〜153.3) | 2 |
②のMC窓:前のMC安値125日目 + 35 = 160日 〜 + 45 = 170日
TC窓の終わり(153.3日目)から、MC窓の始まり(160日目)まで = 160 − 153.3 = 6.7日 空いている
③のPC窓:前のPC安値40日目 + 120 = 160日 〜 + 175 = 215日
TC窓の終わり(153.3日目)から、PC窓の始まり(160日目)まで = 160 − 153.3 = 6.7日 空いている
重なりの数と、その後の動き(図の例)
| 図 | 152日目の安値 | その後 |
|---|---|---|
| ①(3つが重なる) | 148.90円 | 上昇が続き、152日目の安値を、割らなかった |
| ②(MCが重ならない) | 149.60円 | 158日目に150.25円まで戻したあと、MC窓の中の165日目に、149.30円まで下がり、152日目の安値を割った |
| ③(PCが重ならない) | 148.95円 | 165日目に150.05円まで戻したあと、PC窓の中の190日目に、148.70円まで下がり、152日目の安値を割った |
②のように、TCの窓にだけ入る安値は、MCの安値では、なく、MCの途中の、小さな安値の可能性が、あります(MCは、3つ前後のTCで、できています。構造は、別の記事で解説しています)。③のように、MCの窓までは、重なっても、PCの窓が、まだ来ていない場合は、PCの安値は、これから、できる可能性が、あります。これは、図の例で、実際の相場では、②や③のように、割れるとは、限りません。
基本の使い方
1. 上の周期から、窓を出す
PC、MC、TCの順に、それぞれの前の安値から、窓を、計算します。日数に、そろえて、1本の線に、並べます。
2. 重なる範囲を、見つける
3つの窓が、重なる範囲を、探します。重ならない場合は、2つの重なり、または、1つだけの窓が、あります。
3. 重なりの数で、見方を変える
| 重なりの数 | 見方(考え方) |
|---|---|
| 3つ | 大きな安値の、可能性がある。反発の形を、確認して、検討する |
| 2つ(TCとMC) | MCの安値の可能性。PCの窓が、来ていないため、さらに先で、下がる可能性も、見ておく |
| 2つ(PCとTC) | TCだけの安値の可能性。MCの窓が、あとに、来るなら、再び、下がる可能性も、見ておく |
| 1つ | 小さな安値。大きく、見ない |
これは、周期の構造から、整理した、考え方の例で、必ず、そうなるわけでは、ありません。
4. 反発の形を、確認する
窓が重なっていても、反発の形が、出ていなければ、安値は、確定していません。陽線の連続や、直前の高値の更新などを、確認します。
5. 損切りと、目標を決める
損切りは、その安値の外側に、置く考え方が、あります。目標は、直前の山と、する考え方が、あります。
計算例:3つが重なる安値で、買う場合
図の上段(3つが重なる例)で、買う場合を、計算します。安値は148.90円(152日目)、損切りは、その10pips下の148.80円、目標は、直前の山に近い150.80円とします(例の数値です)。
重なりの始まり(150日目)の終値(149.30円)で買う場合
エントリー 149.30円、損切り 148.80円、利確 150.80円
リスク = 149.30 − 148.80 = 0.50円(50pips)
リワード = 150.80 − 149.30 = 1.50円(150pips)
リスクリワード比 = 150 ÷ 50 = 3.0
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + 3.0)= 25.0 %
安値のあとの反発を、確認した、154日目の終値(149.70円)で買う場合
エントリー 149.70円、損切り 148.80円、利確 150.80円
リスク = 149.70 − 148.80 = 0.90円(90pips)
リワード = 150.80 − 149.70 = 1.10円(110pips)
リスクリワード比 = 110 ÷ 90 ≒ 1.22 ≒ 1.2
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + 1.2)= 1 ÷ 2.2 ≒ 45.5 %
重なりが2つの例(図の中段)で、買う場合も、計算します。152日目の安値149.60円の、5pips下の149.55円に、損切りを置き、153日目の終値(149.80円)で買い、目標は150.40円とします(例の数値です)。
エントリー 149.80円、損切り 149.55円、利確 150.40円
リスク = 149.80 − 149.55 = 0.25円(25pips)
リワード = 150.40 − 149.80 = 0.60円(60pips)
リスクリワード比 = 60 ÷ 25 = 2.4
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + 2.4)= 1 ÷ 3.4 ≒ 29.4 %
| 図 | エントリー | リスク | リワード | リスクリワード比 | 損益分岐の勝率 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ① | 150日目 149.30円 | 50pips | 150pips | 3.0 | 25.0% | 損切りにかからない |
| ① | 154日目 149.70円 | 90pips | 110pips | 1.2 | 45.5% | 損切りにかからない |
| ② | 153日目 149.80円 | 25pips | 60pips | 2.4 | 29.4% | 149.55円を割り、損切り(−25pips) |
②は、149.80円で買ったあと、150.25円まで戻しますが、目標の150.40円には、届かず、165日目に、149.30円まで下がります。この例で、損切りに、かかります。①は、損切りに、かかりませんが、結果を見てから、作った例です。窓が重なる場所だけで、買うと、安値が、さらに下で、できる場合は、損失になります。スプレッドや、約定のずれは、考慮していません。
確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(①は、3.0から、1.2に下がります)。リスクリワード比が、1に近づくときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。
注意点
1. 重なりの数の見方は、決まった方法では、ない
窓の重なりの数で、安値の強さを、見る方法は、メリマンの用語集に、記載が、確認できていません。この記事の見方は、例です。
2. 窓が重なっても、安値ができるとは、限らない
窓は、安値が、出やすい時間帯の、目安です。窓の中で、安値が、できない(延長する)場合も、あります(延長・短縮は、別の記事で解説しています)。
3. 前の安値の位置が、間違うと、全部ずれる
どの安値を、前の安値と、するかで、窓の位置が、変わります。前の安値の取り方が違えば、重なる位置も、ずれます。
4. 周期の長さが、変わる
周期が、延長・短縮すると、次の窓の位置も、変わります。窓を、固定して、使い続けるのでは、なく、安値が、できるたびに、計算し直します。
5. ブローカーによって、足の区切りが違う
ブローカーによって、サーバー時間が違い、4時間足や、日足の区切りが、違います。そのため、同じ期間でも、本数が、前後することが、あります。レートも、違うため、安値の位置が、微妙に、違うことが、あります。
6. ダマシ・負けが、続くことがある
たとえば、重なりが2つの例(図の中段)で、149.80円で買い、損切り149.55円にかかる場合、損失は25pipsです。これが3回続くと、合計−75pipsです。その後の1回の利益が、60pipsなら、合計は−15pipsです。この数字は、あくまで例ですが、勝ちが1回では、取り返せない場合が、あります。
初心者が間違えやすいポイント
窓が重なれば、必ず安値になると考える
窓の重なりは、安値が出やすい時間帯の、目安です。反発の形を、確認せずに、買うと、さらに下がることが、あります。
重なりの数が多ければ、安全と考える
3つ重なっても、図の上段のように、損切りに、かからない保証は、ありません。損切りは、必ず、決めておきましょう。
下の周期だけを、見る
TCの窓だけで、判断すると、図の中段のように、MCの窓で、再び下がる場合が、あります。上の周期から、順に、確認しましょう。
窓の日数の換算を、間違える
週足1本は、日足5本、日足1本は、4時間足6本で、換算します。換算が違うと、窓の位置が、大きく、ずれます。
検証せずに、使う
「窓が重なると、強い安値になる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- 複数周期の窓を、同じ単位(日数)に、そろえて、重なる範囲を、探す。PCは、週足1本を5日、TCは、4時間足6本を1日として、換算する
- 例では、PC窓120〜175日、MC窓147〜157日、TC窓150〜153.3日で、重なりは150〜153.3日(3.3日)。PCの窓幅55日に対して、約16.5倍、絞り込める
- 重なりの数は、①が3つ、②と③が2つ。②は、MC窓の前の安値が、165日目に割られ、③は、PC窓の前の安値が、190日目に割られた(図の例)
- メリマンの公式サイトの用語集では、トレンドは、1つ上の周期で決まる。重なりの数で、安値の強さを見る方法は、確認できていない(この記事の見方は例)
- 例(重なりが3つ)の買いは、150日目(3.0)と154日目(1.2)で、損益分岐の勝率は、25.0%と45.5%。重なりが2つの例(2.4、29.4%)は、損切り(−25pips)になった(スプレッド除く)
- 窓が重なっても、安値ができるとは、限らない。反発の形と、損切りが、必要
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
