フィボナッチ・エクスパンション・プロジェクションとは?目標値の求め方と使い方

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フィボナッチ・エクスパンション・プロジェクションとは

フィボナッチ・エクスパンション(Fibonacci Expansion)とフィボナッチ・プロジェクション(Fibonacci Projection)とは、直近の波の値幅(A→B)を、押し・戻りの終点(C)から、同じ向きに伸ばして、「どこまで進みやすいか」の目標値の目安を、計算する分析です。3つの点(A・B・C)を使うことが、特徴です。フィボナッチ数列と、比率の成り立ちについては、別の記事で解説しています。

上昇の場合:目標値 = C + (B − A)× 比率
下落の場合:目標値 = C − (A − B)× 比率

A = 波の起点
B = 波の終点(最初の波の高値・安値)
C = 押し・戻りの終点

図は、A(149.00円)からB(150.00円)まで上昇し、C(149.40円)まで押した後、Cを起点に、AB(100pips)の値幅を、上に伸ばした例です。この図は、説明のために作った例で、必ず、このように動くわけでは、ありません。

呼び方の違いについて

この分析の呼び方は、ソフトや解説書によって、違います。「エクスパンション」「プロジェクション」と呼ぶ場合や、「エクステンション」と呼ぶ場合が、あります。また、2点だけで引く「エクステンション」(リトレースメントを、100%の先まで、伸ばしたもの)と、3点で引く「エクスパンション・プロジェクション」が、同じ名前で、呼ばれていることも、あります。使っているソフトで、「何点で、引くのか」を、確認しましょう。

比率の意味

比率内容見方の目安
61.8%AB波の、6割程度の、伸び最初の、目標値(弱い伸び)として、見る人が、いる
100%AB波と、同じ値幅の、伸び(N計算に当たる)最も、よく使われる、目標値
161.8%AB波の、1.618倍の、伸び勢いが、強い場合の、目標値
261.8%AB波の、2.618倍の、伸び強いトレンドで、現れるとされる、遠い目標値

100%の目標値(AB波と、同じ値幅だけ進む)は、「N計算」とも、呼ばれます。N波動・V波動・E波動については、別の記事で解説しています。

目標値の手計算の例

A=149.00円、B=150.00円、C=149.40円とします(例の数値です)。AB波の値幅は、150.00 − 149.00 = 1.00円(100pips)です。

まず、Cの位置が、AB波の、どの程度の戻りかを、確認します。

Cの戻り率 = (B − C)÷(B − A)= (150.00 − 149.40)÷ 1.00 = 60.0 %

次に、Cから、AB波の値幅を、比率ごとに、伸ばします。

61.8%の目標値  = 149.40 + 1.00 × 0.618 = 150.018円
100%の目標値   = 149.40 + 1.00 × 1.000 = 150.400円
161.8%の目標値 = 149.40 + 1.00 × 1.618 = 151.018円
261.8%の目標値 = 149.40 + 1.00 × 2.618 = 152.018円
比率目標値Cからの幅
61.8%150.018円61.8pips
100%150.400円100.0pips
161.8%151.018円161.8pips
261.8%152.018円261.8pips

この例では、61.8%の目標値(150.018円)が、Bの高値(150.00円)と、ほぼ同じ位置に、なっています。図では、価格が、150.85円まで上昇し、100%(150.40円)は、超えたが、161.8%(151.018円)には、届きませんでした。

実際の伸び率 = (150.85 − 149.40)÷ 1.00 = 1.45 → 約145 %

計算例:下落の場合

A=152.00円、B=150.50円、C=151.30円とします(例の数値です)。AB波の値幅は、152.00 − 150.50 = 1.50円(150pips)です。

61.8%の目標値  = 151.30 − 1.50 × 0.618 = 150.373円
100%の目標値   = 151.30 − 1.50 × 1.000 = 149.800円
161.8%の目標値 = 151.30 − 1.50 × 1.618 = 148.873円

計算例:エクステンション(2点)との違い

同じA・Bで、2点だけで、引く「エクステンション」では、起点が、変わります。

エクスパンション(Cから伸ばす)161.8% = 149.40 + 1.00 × 1.618 = 151.018円
エクステンション(Aから伸ばす) 161.8% = 149.00 + 1.00 × 1.618 = 150.618円
差 = 151.018 − 150.618 = 0.40円(40pips)

同じ「161.8%」でも、引き方で、水準が、40pips変わります。どちらの道具の「161.8%」かを、確認しましょう。

他の分析との違い

エクスパンション・プロジェクションフィボナッチ・リトレースメントサポート・レジスタンス
見るもの「どこまで進むか」(目標値)「どこまで押す(戻る)か」過去に、意識された価格
必要な点3点(A・B・C)2点(起点・終点)過去の高値・安値
主な用途利益確定の目安エントリーの目安エントリー・利確・損切りの目安
主観の入りやすさA・B・Cの選び方で、変わる起点・終点の選び方で、変わる線の引き方で、変わる

リトレースメントで、押し・戻りの終わりを、探し、エクスパンションで、目標値を、決めるという、組み合わせが、よく、紹介されます。フィボナッチ・リトレースメント、サポート・レジスタンスについては、別の記事で解説しています。

基本の使い方

1. A・B・Cを、決める

直近の、大きな波(A→B)と、その後の、押し・戻りの終点(C)を、決めます。Cは、押し・戻りが、終わったと、確認できてから、決まるため、Cが、確定する前の、目標値は、仮のものです。

2. 目標値を、複数、確認する

61.8%・100%・161.8%など、複数の目標値を、確認し、「どこで、利益確定を、考えるか」を、決めます。分割して、利益確定する使い方も、あります。

3. 他の根拠と、重なる場所を、探す

前の高値・安値、水平線、切りのよい価格(ラウンドナンバー)などと、目標値が、重なる場所は、意識されやすいと、考えられています。

計算例:Cの反発で、買う場合

図の例(A=149.00円、B=150.00円、C=149.40円)で、Cからの反発を、買う場合を、考えます。損切りは、Cの安値の少し下の149.30円、利益確定は、100%の目標値(150.40円)とします(例の数値です)。

Cの付近(149.45円)に、指値で買う場合

エントリー 149.45円、損切り 149.30円、利確 150.40円
リスク   = 149.45 − 149.30 = 0.15円(15pips)
リワード = 150.40 − 149.45 = 0.95円(95pips)
リスクリワード比 = 95 ÷ 15 ≒ 6.3

反発を確認した足の終値(149.65円)で買う場合

エントリー 149.65円、損切り 149.30円、利確 150.40円
リスク   = 149.65 − 149.30 = 0.35円(35pips)
リワード = 150.40 − 149.65 = 0.75円(75pips)
リスクリワード比 = 75 ÷ 35 ≒ 2.1

Bの高値(150.00円)を、上抜けた足の終値(150.05円)で買う場合

エントリー 150.05円、損切り 149.30円、利確 150.40円
リスク   = 150.05 − 149.30 = 0.75円(75pips)
リワード = 150.40 − 150.05 = 0.35円(35pips)
リスクリワード比 = 35 ÷ 75 ≒ 0.5
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
指値(Cの付近)149.45円15pips95pips6.3
反発を確認(足の確定)149.65円35pips75pips2.1
Bの高値を上抜けた(継続の確認)150.05円75pips35pips0.5

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格が、届かずに、反発して、エントリーできないことも、あります。また、「Cの終点」は、後から分かるもので、さらに、下がることも、あります。Bの高値の上抜けまで待つと、100%の目標までの値幅が、小さくなるため、目標を、161.8%まで広げるか、見送る判断も、必要です。

注意点

1. A・B・Cの選び方で、目標値が、変わる

「どの高値・安値を、A・B・Cにするか」は、人によって、違います。同じチャートでも、人によって、目標値が、違います。

2. 目標値は、「目安」で、保証ではない

目標値に、届く前に、反転することも、目標値を、通り過ぎて、さらに、伸びることも、あります。この例でも、161.8%に、届いていません。

3. Cは、後から、確定する

押し・戻りの終点Cは、その後に、価格が、反転して、初めて、確定します。Cが、確定する前に、目標値を、決めても、Cが、さらに、更新される(押しが、深くなる)ことが、あります。

4. 呼び方・引き方が、ソフトで違う

エクスパンション・プロジェクション・エクステンションの、呼び方や、引き方が、ソフトで違い、同じ「161.8%」でも、水準が、変わります。使っているソフトで、確認しましょう。

5. レンジ相場では、機能しにくい

方向感のない、レンジ相場では、A→Bの波が、はっきりせず、伸びも、小さくなり、目標値に、届かないことが、多いです。

たとえば、Cからの反発を狙った買いが、損失20pipsで、9回続くと、合計−180pipsの損失です。その後の1回の利益が、200pipsなら、合計は+20pips、120pipsなら、合計は−60pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

6. 足が確定するまで、分からない

ヒゲで、一時的に、目標値に、届いても、足が確定したときには、戻っていることが、あります。終値で、確認するようにしましょう。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

「目標値まで、必ず、届く」と考える

目標値は、「進みやすい場所の目安」で、必ず、届く場所では、ありません。届かなかった場合の、損切り・利益確定を、先に、決めておくことが、必要です。

目標値を、1つだけで、決める

目標値を、1つに、決めると、その手前で、反転した場合に、利益を、逃します。複数の目標値で、分割して、利益確定する方法も、あります。

Cが、確定する前に、目標値を、決める

Cが、確定する前の目標値は、仮のものです。Cの更新で、水準が、変わることを、考えておきましょう。

リトレースメントと、エクスパンションを、混同する

リトレースメントは、「どこまで、押す(戻る)か」、エクスパンションは、「どこまで、進むか」です。使い分けましょう。

検証せずに、使う

「フィボナッチの目標値で、利益確定すれば、勝てる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • フィボナッチ・エクスパンション・プロジェクションは、A→Bの値幅を、押し・戻りの終点Cから、伸ばして、目標値の目安を、計算する分析。61.8%・100%・161.8%・261.8%が、よく使われる
  • 100%は、AB波と同じ値幅の伸び(N計算)。呼び方・引き方は、ソフトによって、違う
  • 例では、A=149.00円、B=150.00円、C=149.40円(戻り率60.0%)で、目標値は、61.8%=150.018円、100%=150.400円、161.8%=151.018円、261.8%=152.018円。実際の高値150.85円は、約145%
  • 例では、指値(6.3)、反発の確認(2.1)、Bの高値の上抜け(0.5)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • A・B・Cの選び方で、目標値が変わる。Cは、後から、確定する。レンジ相場では、機能しにくい
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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