AB=CDパターンとは?ABとCDの長さが等しくなる、という考え方

目次

AB=CDパターンとは

AB=CDパターンとは、A→B(最初の動き)、B→C(戻り)、C→D(2回目の動き)の、4つの点で、CDの長さが、ABの長さと、ほぼ等しくなったところで、反転が起きやすい、と考える形です。英語では、「AB=CD Pattern」と呼ばれます。

ハーモニックパターンの、土台となる考え方として、紹介されることが、多い形です(出典により、説明は違います)。ガートレーなどの、X・A・B・C・Dの5点の形に比べて、点が4つで、シンプルな反面、「形に見える」場面が、多くなります。ハーモニックパターン全体の考え方は、別の記事で解説しています。この記事では、AB=CDの、比率の関係と、使い方を、解説します。

A → B:最初の動き(AB)
B → C:ABの 38.2〜88.6 % 戻し(BC)
C → D:CDの長さ = ABの長さ(100 %)が、基本。かかる本数も、ほぼ同じ、と見る考え方もある

上の図は、売りの形の例です。Aの安値から、Bの高値まで上昇し(AB:100pips、15本)、Cまで戻し(BC)、Dまで再び上昇して(CD:100pips、15本)、Dの付近で、反転しています。ABとCDの、長さも、かかった本数も、等しくなっています。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。

3つの形

CDの長さを、ABの何倍と見るかで、呼び方が、変わることが、あります(呼び方は、出典により、異なります)。

形CDの長さ内容
基本の形ABの約100%CDとABが、等しい
代替の形ABの約127.2%CDが、ABより、やや長い
拡張の形ABの約161.8%CDが、ABより、かなり長い

基本の形が、最初に、考える水準で、127.2%や161.8%は、基本の形が、成立せずに、さらに、伸びた場合の水準と、して、使われることが、あります。これは、フィボナッチ・エクスパンションと、同じ考え方です。エクスパンションについては、別の記事で解説しています。

BCの戻しと、CDの長さの関係

BCの戻しが、深いか浅いかで、CDが、BCの何倍になれば、CD=ABになるかが、決まります。BCの戻しの比率の、逆数が、CD÷BCの比率に、なる関係です。

BCの戻し(ABに対して)CD÷BC(CD=ABになる場合)確認の計算
38.2%約261.8%0.382 × 2.618 ≒ 1.000
50%200%0.5 × 2.0 = 1.000
61.8%約161.8%0.618 × 1.618 ≒ 1.000
78.6%約127.2%0.786 × 1.272 ≒ 1.000
88.6%約112.9%0.886 × 1.129 ≒ 1.000

戻しが浅いほど、BCが短いため、CDは、BCの何倍も、伸びる必要が、あります。フィボナッチ比率については、別の記事で解説しています。

計算例(売りの形)

Aが148.00円(安値)、Bが149.00円(高値)で、BCがABの61.8%戻し、CDがABと等しい例を、計算します(例の数値です)。

AB = 149.00 − 148.00 = 1.00円(100pips)

C = 149.00 − 1.00 × 0.618 = 149.00 − 0.618 = 148.382円 ≒ 148.38円
BC = 0.618円(ABの 61.8 %)

D = 148.382 + 1.00 = 149.382円 ≒ 149.38円
CD = 1.00円(100pips)(ABの 100 %)
CD ÷ BC = 1.00 ÷ 0.618 ≒ 1.618
Dは、Bより、149.382 − 149.00 = 0.382円(約38pips)上

BCの戻しで、Dの位置が変わる

同じ、A=148.00円、B=149.00円で、BCの戻しが、違う場合の、CとD(CD=AB)を、比べます(例の数値)。

BCの戻しCD(= C + 1.00円)Bとの差
38.2%148.62円149.62円Bの62pips上
50%148.50円149.50円Bの50pips上
61.8%148.38円149.38円Bの38pips上
78.6%148.21円149.21円Bの21pips上
38.2%:C = 149.00 − 0.382 = 148.618 ≒ 148.62円 → D = 149.618 ≒ 149.62円
50 %  :C = 149.00 − 0.500 = 148.50円          → D = 149.50円
78.6%:C = 149.00 − 0.786 = 148.214 ≒ 148.21円 → D = 149.214 ≒ 149.21円

戻しが浅いほど、Dは、Bから、遠く(高く)なります。Cの位置によって、Dの水準が、変わるため、Cが確定してから、Dを計算します。

CDの、ほかの水準

CDが、ABの127.2%になる場合の、Dは、次のとおりです(C=148.38円の場合)。

CD = 1.00 × 1.272 = 1.272円
D  = 148.382 + 1.272 = 149.654円 ≒ 149.65円

基本の形のD(149.38円)と、127.2%の水準(149.65円)の差は、約27pipsです。この範囲を、PRZとして、考える方法が、あります。

時間の対称性

ABにかかった本数と、CDにかかる本数が、ほぼ同じになる、と見る考え方も、あります(例では、どちらも15本)。ただし、本数が、一致するとは、限りません。時間の考え方については、別の記事で解説しています。

他の分析との違い

AB=CDガートレー・バットなど(5点)N計算
点の数4点(A・B・C・D)5点(X・A・B・C・D)3点から、次の目標を、計算
Dの基準ABの長さXAに対する、比率C + (B − A)
考え方2回目の動きが、1回目と、等しい複数の比率が、重なる位置波の、大きさの、繰り返し
特徴シンプルで、形が、見つけやすい条件が、厳しく、形が、少ないCD=ABの100%と、同じ式

N計算(NVE波動)は、別の記事で解説しています。AB=CDは、N計算の、100%と、同じ計算式です。シンプルな分、形に見える場面が多く、条件が、緩いと、考えられます。

基本の使い方

1. A・B・Cを確認する

直近の、はっきりした、動き(AB)と、その戻し(BC)を、確認します。BCの戻しが、ABの38.2〜88.6%の範囲かを、確認します。BCが、ABを超えて、戻る場合は、形では、ありません。

2. Dの水準(PRZ)を、計算する

Cが確定したら、C + AB(売りの形なら、C + AB、買いの形なら、C − AB)で、Dの水準を、計算します。127.2%の水準も、計算し、範囲を、考えます。

3. 反転のサインを、確認する

Dに到達しても、そのまま、動き続けることが、あります。ローソク足の、反転の形などを、確認します。

4. 損切りと、目標を決める

損切りは、127.2%や、161.8%など、「形が崩れる」水準の、外側に、置く考え方が、あります。目標は、ADの動きの、一部を、戻した水準(38.2%、61.8%など)と、する考え方が、あります。

計算例:Dで、売る場合

D=149.38円(CD=AB)で、売る場合を、考えます。損切りは、CD=ABの127.2%の149.65円、利益確定は、ADの動きの61.8%を戻した水準(149.38円 − 1.382円 × 0.618 ≒ 148.53円)とします(例の数値です。ADは、148.00円から149.38円までの1.382円)。

D(149.38円)に、指値で売る場合

エントリー 149.38円、損切り 149.65円、利確 148.53円
リスク   = 149.65 − 149.38 = 0.27円(27pips)
リワード = 149.38 − 148.53 = 0.85円(85pips)
リスクリワード比 = 85 ÷ 27 ≒ 3.1

陰線が確定した足の終値(149.15円)で売る場合

エントリー 149.15円、損切り 149.65円、利確 148.53円
リスク   = 149.65 − 149.15 = 0.50円(50pips)
リワード = 149.15 − 148.53 = 0.62円(62pips)
リスクリワード比 = 62 ÷ 50 ≒ 1.2

反転が進んだことを確認した後の、148.90円で売る場合

エントリー 148.90円、損切り 149.65円、利確 148.53円
リスク   = 149.65 − 148.90 = 0.75円(75pips)
リワード = 148.90 − 148.53 = 0.37円(37pips)
リスクリワード比 = 37 ÷ 75 ≒ 0.5
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
指値(D)149.38円27pips85pips3.1
陰線の確定を確認149.15円50pips62pips1.2
反転が進んだのを確認148.90円75pips37pips0.5

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格がDに届かず、エントリーできないことも、あります。この例では、損切りが近く(27pips)、リスクリワード比が、高く見えますが、損切り幅が小さい分、少しの動きで、損切りに、かかりやすく、スプレッドの影響も、受けやすいと、考えられます。また、Dに到達しても、そのまま伸びて、127.2%の水準を超え、損切りに、かかることも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、1を下回るときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。

注意点

1. 条件が緩く、形が、見つかりやすい

ABとCDの長さが、等しい、という条件だけなので、チャート上に、数多く、見つかります。見つかった形の、すべてで、反転するわけでは、ありません。

2. CDが、ABと等しくなるとは、限らない

CDが、短く終わることも、ABを超えて、127.2%、161.8%と、伸びることも、あります。Dの水準で、反転しなければ、損失が、広がります。

3. 点の取り方で、形が変わる

ヒゲで取るか、終値で取るかで、ABの長さが、変わります。同じチャートでも、人によって、異なる形に見えることが、あります。

4. トレンドの継続と、区別しにくい

トレンド中の、押し・戻りを、繰り返す動き(AB・BC・CD)は、ABとCDが、等しくなる場面が、あり、その後も、トレンドが、続くことが、あります。環境認識を、行い、トレンドの方向を、確認しましょう。

5. 時間の対称性は、一致しないことが多い

本数が、ほぼ同じになることも、ありますが、大きく、違うことも、多いと、考えられます。

6. ダマシ・負けが、続くことがある

たとえば、Dでの売りが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

7. 足が確定するまで、分からない

足の途中では、Dの水準に、到達したように見えても、確定する前に、さらに動くことが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

「CD=ABで、必ず反転する」と考える

AB=CDは、反転が「起きやすい」と考える形で、必ず反転するものでは、ありません。損切りを、先に、決めておきましょう。

Cが確定する前に、Dを予想する

Cが、確定していない段階では、BCの戻しが、決まらず、Dの水準も、決まりません。Cを、確認してから、計算しましょう。

条件が緩いことを、忘れる

4つの点だけで、形に見えるため、複数の水準の、重なりや、相場の状況を、合わせて、確認しましょう。

損切り幅の小ささだけで、判断する

損切りが近いほど、リスクリワード比は、高く見えますが、損切りに、かかりやすくなります。

検証せずに、使う

「AB=CDは、よく当たる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • AB=CDは、ABの長さと、CDの長さが、等しくなる付近で、反転が起きやすい、と考える形。BCは、ABの約38.2〜88.6%戻し
  • CDが、ABの127.2%、161.8%まで伸びる形も、あり、BCの戻しの比率の逆数が、CD÷BCの比率になる
  • 例では、A=148.00円、B=149.00円で、C=148.38円、D=149.38円(CD=AB=100pips)。127.2%の水準は149.65円
  • 例では、指値(3.1)、陰線の確定の確認(1.2)、反転が進んだのを確認(0.5)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 条件が緩く、形が、見つかりやすい。トレンドの継続とも、区別しにくい
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

目次