ハラミ足とは
ハラミ足とは、2本目のローソク足の実体が、1本目の実体の内側にすっぽり収まる形のことです。はらみ線、孕み足とも呼ばれ、英語ではハラミ(Harami)と言います。妊婦のお腹(孕み)の中に、子どもがいるように見えることから、この名前がつきました。
| 呼び名 | 内容 |
|---|---|
| 親線(1本目) | 大きな実体を持つ足。子線を包む側 |
| 子線(2本目) | 親線の実体の内側に収まる、小さな足 |
直前の大きな動きのあと、勢いが弱まったことを示す形で、トレンド転換や、保ち合いの入り口として、注目されます。

ハラミ足の種類
親線と子線の色の組み合わせで、呼び方が分かれます。
| 名前 | 親線(1本目) | 子線(2本目) | 出る場所 | 示すこと |
|---|---|---|---|---|
| 陽のはらみ | 大きな陰線 | 小さな陽線 | 下降トレンドの安値圏 | 売りの勢いの一服。底打ちの可能性 |
| 陰のはらみ | 大きな陽線 | 小さな陰線 | 上昇トレンドの高値圏 | 買いの勢いの一服。天井の可能性 |
子線の色が、親線と逆のものを指すのが一般的です。子線の色が、親線と同じものは、同色のはらみとして、区別されることがあります。
十字線が子線になる形は、十字はらみと呼ばれ、より強い転換のサインとして扱われます。十字はらみについては、別の記事で解説しています。
ハラミ足が示すこと
親線で大きく動いたあと、子線では、ほとんど動かなかったことを示します。
【陽のはらみ】
下降が続く中で、1本目に大きな陰線(売りが勢いよく入った)
→ 2本目は、1本目の実体の中に収まる小さな陽線
→ 売りの勢いが、止まった(買いと売りが拮抗した)
| 読み取れること | 内容 |
|---|---|
| 勢いの一服 | それまでの動きが、止まった |
| 迷い・拮抗 | 売り買いの力が、均衡し始めた |
| 転換または保ち合いの入り口 | 反転する場合もあれば、横ばいに入る場合もある |
包み足は、「力関係が逆転した」サインですが、ハラミ足は、「勢いが止まった」サインで、その後の方向は、まだ決まっていません。包み足については、別の記事で解説しています。
| 包み足 | ハラミ足 | |
|---|---|---|
| 2本目の実体 | 1本目を包む(大きい) | 1本目に包まれる(小さい) |
| 意味 | 力関係の逆転 | 勢いの一服。迷い |
| 次の方向 | 逆方向への転換を示唆 | 未定。次の足で確認が必要 |
ハラミ足の条件
「どのくらいの形なら、ハラミ足か」には、決まった基準がありません。よく使われる条件を、整理します。
| 項目 | 目安の例 |
|---|---|
| 親線の実体 | 大きい(直近の平均より大きいなど) |
| 子線の実体 | 親線の実体の範囲内に収まる |
| 子線の大きさ | 親線の実体の、半分以下 |
| 子線の色 | 親線と逆の色 |
FXでの注意点:子線の始値の位置
株式では、2本目が窓を空けて始まることが多く、子線の始値が、親線の実体の中ほどにあることもあります。FXは、ほぼ24時間取引されているため、子線の始値は、親線の終値とほぼ同じになることが多く、子線の実体が、親線の実体の端から始まる形になります。
そのため、FXでは、「子線の実体の端が、親線の実体の端に接していても、内側に収まっていればよい」と、緩やかに判定します。
計算例:陽のはらみの判定
下降が続いたあとの、1時間足の2本が、次の値だったとします。
| 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | |
|---|---|---|---|---|
| 1本目(親線・陰線) | 150.60円 | 150.65円 | 149.95円 | 150.00円 |
| 2本目(子線・陽線) | 150.02円 | 150.33円 | 149.99円 | 150.28円 |
親線の実体 = 150.60 − 150.00 = 0.60円(60pips) 範囲:150.00 〜 150.60
子線の実体 = 150.28 − 150.02 = 0.26円(26pips) 範囲:150.02 〜 150.28
子線の実体の範囲(150.02〜150.28)は、親線の実体の範囲(150.00〜150.60)の内側
→ 子線の実体が、親線の実体に収まっている
実体の比 = 26 ÷ 60 ≒ 0.43(約43%)
子線の実体は、親線の約43%で、「半分以下」という基準を満たし、親線の実体の内側に収まっているため、陽のはらみと判定できます。
「半分以下」という基準は、あくまで一例です。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
場所別の見方
| 場所 | 陽のはらみの見方 |
|---|---|
| 下降トレンドの安値圏 | 売りの一服。底打ちの可能性 |
| サポートライン付近 | サポートで、売りが止まった。ラインの有効性を示す |
| 下降トレンドの途中 | 一時的な小休止にすぎないことも多い |
| 上昇トレンドの押し目 | 押し目の終わりを示す場合がある |
| レンジの中央 | 意味が薄い |
陰のはらみは、上下を逆にして考えます。サポートライン・レジスタンスラインについては、別の記事で解説しています。
ハラミ足の使い方
基本:親線の高値・安値を、ブレイクの基準にする
ハラミ足が出たあと、価格が親線の高値・安値のどちらに抜けるかで、その後の方向を判断します。
| 抜ける方向 | 見方 |
|---|---|
| 親線の高値を、上に抜ける(陽のはらみのあと) | 上方向への動きが、始まった可能性 |
| 親線の安値を、下に抜ける(陽のはらみのあと) | 下降トレンドの継続。ハラミは失敗 |
| 親線の範囲内で、推移 | 保ち合いが続いている |
計算例:陽のはらみのあとに、買う場合
上の例の陽のはらみが、下降トレンドの安値圏で出たとします。次の足が、親線の高値(150.65円)を上抜けたため、150.69円で買う場合です。
| 項目 | 価格 | 値幅 |
|---|---|---|
| エントリー(買い) | 150.69円 | — |
| 損切り | 149.90円(親線の安値の5pips下) | −79pips |
| 利益確定 | 152.30円 | +161pips |
リスク = 150.69 − 149.90 = 0.79円(79pips)
リワード = 152.30 − 150.69 = 1.61円(161pips)
リスクリワード比 = 161 ÷ 79 ≒ 2.0
損切りは、親線の安値の少し下に置きます。親線の安値を割ると、ハラミの前提(勢いの一服)が崩れ、下降が再開したと見られるためです(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
親線の高値と安値の幅(ここでは70pips)が、そのまま損切り幅の目安になるため、親線が大きいほど、損切り幅も大きくなります。取引量を抑えて、1回の損失を許容範囲に収めることが大切です。
ハラミ足の注意点
1. ハラミ足だけでは、判断できない
ハラミ足は、「勢いが止まった」ことを示すだけで、転換の保証ではありません。場所・前後の足、次の足の動きとあわせて判断します。
2. 転換せずに、元の方向へ進むことも多い
陽のはらみのあと、下降が再開することは、珍しくありません。ブレイクの方向を、確認してから動く考え方が、一般的です。
3. 小さな足の連続の中では、意味が薄い
ローソク足が小さい(値動きが乏しい)状況で出たハラミ足は、意味が薄いことがあります。親線が、はっきり大きいことが、前提です。
4. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
発表で、一方向に急変した大きな足の次の足が、小さな足になることはよくありますが、その後に、再度動くことがあります。
5. 時間帯・時間足で、意味が変わる
値動きの小さい時間帯や、短い時間足では、意味は薄いことがあります。長い時間足のハラミ足のほうが、意識されやすいと考えられます。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、ハラミ足に見えても、確定までに形が変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
ハラミ足を、転換のサインだと決めつける
ハラミ足は、「止まった」ことを示すだけで、転換するとは限りません。ブレイクの方向を、確認しましょう。
包み足と、混同する
包み足は、2本目が1本目を包む、ハラミ足は、2本目が1本目に包まれる、と逆の関係です。意味も、異なります。
親線が小さいものまで、ハラミ足と考える
親線に、大きな動きがない場合、「勢いの一服」という意味が成り立ちません。
ヒゲまで収まる必要があると思う
実体が収まれば、ヒゲが親線の範囲を超えていても、ハラミ足とするのが、一般的です。ヒゲまで収まる形は、インサイドバーとして、別に扱われます。インサイドバーについては、別の記事で解説しています。
検証せずに、使う
「ハラミ足のあとは、転換する」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- ハラミ足(はらみ線)は、2本目(子線)の実体が、1本目(親線)の実体の内側に収まる形
- 陽のはらみは下降のあと、陰のはらみは上昇のあとに出て、勢いの一服を示す
- 包み足(力関係の逆転)とは逆の関係で、次の方向はまだ決まっていない
- 子線の実体が、親線の実体の半分以下など、割合で基準を決める
- FXでは、子線の始値が親線の終値とほぼ同じになるため、端が接していても、内側に収まっていればよいと考える
- 親線の高値・安値のどちらに抜けるかを、確認してから判断する。損切りは、親線の反対側の端の少し外側
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
