窓とは
窓(ギャップ)とは、前の足と次の足の間に、価格が取引されなかった空白ができることです。次の足の安値が、前の足の高値より上なら上方向の窓(上窓)、次の足の高値が、前の足の安値より下なら下方向の窓(下窓)です。
窓は、出る位置によって、意味が大きく変わります。同じ窓でも、「保ち合いの中の窓」と「トレンドの終わりの窓」では、その後の動きの見方が違うためです。窓は、一般に4つの種類に分けて考えられます。

| 種類 | 呼び名 | 出る場所 | 意味 |
|---|---|---|---|
| ① 通常の窓 | コモン・ギャップ(Common Gap) | 保ち合いの中 | 特別な意味は薄く、すぐに埋まりやすい |
| ② 放れの窓 | ブレイクアウェイ・ギャップ(Breakaway Gap) | 保ち合いを抜けるとき | 新しいトレンドの始まりを示す |
| ③ 中間の窓 | ランナウェイ・ギャップ(Runaway Gap) | トレンドの途中 | トレンドの勢いの強さを示す |
| ④ 吹き尽くしの窓 | エグゾースチョン・ギャップ(Exhaustion Gap) | トレンドの終わり | 勢いが出尽くした。トレンドの終わりのサイン |
③は「メジャリング・ギャップ(Measuring Gap)」とも呼ばれます。トレンドの中間点にあたるとして、目標値幅の目安に使われることがあります。
窓の種類を見分ける目安
窓そのものの形では、種類を見分けられません。「どこで出た窓か」で、判断します。
| 見分けるポイント | 内容 |
|---|---|
| 窓の前の値動き | 保ち合いか、トレンドか、トレンドの終盤か |
| 窓のあとの値動き | 窓が維持されたか、埋められたか |
| 窓の大きさ | 周りの値動きと比べて、大きいか |
| 窓の理由 | 重要な発表、週末のニュースなど、材料があるか |
窓のあとの値動きを見ないと、種類は確定しません。種類は、あとから振り返って、分かることも多いです。
4つの窓の見方
① 通常の窓(コモン・ギャップ)
保ち合い(レンジ)の中で出る窓です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | レンジの中 |
| 特徴 | 小さく、すぐに埋まりやすい |
| 見方 | 特別な意味は薄い。窓埋めを狙う考え方もある |
② 放れの窓(ブレイクアウェイ・ギャップ)
保ち合いを、上下どちらかに抜けるときに出る窓です。**「放れ」**とは、保ち合いから、離れて動き出すことを指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | レンジの上限・下限の外側 |
| 特徴 | 大きな材料や、勢いをともなうことが多い |
| 見方 | 新しいトレンドの始まりを示す。窓が埋まらずに維持されると、ブレイクが有効 |
放れの窓の下端(上方向の場合)が、サポートとして意識されることがあります。**窓が埋まる(窓の中に戻る)**と、**ブレイクの失敗(ダマシ)**の可能性があります。ダマシについては、別の記事で解説しています。
③ 中間の窓(ランナウェイ・ギャップ)
トレンドの途中で出る窓です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | トレンドの途中 |
| 特徴 | 勢いの強さを示す。埋められずに、トレンドが続く |
| 見方 | トレンド継続のサイン。押し目・戻りの目安に使われる |
「トレンドの中間点」として、トレンドの起点から窓までの値幅を、窓から先にも同じだけ伸ばして、目標を考える方法があります(あくまで目安です)。
④ 吹き尽くしの窓(エグゾースチョン・ギャップ)
トレンドの終わりに出る窓です。「吹き尽くし」とは、勢いが、最後に噴き出して、出尽くすことを指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | トレンドが大きく進んだあと |
| 特徴 | 窓のあとに、実体の小さな足や、長いヒゲが出ることが多い |
| 見方 | 勢いが出尽くした可能性。窓が埋められると、反転のサイン |
窓が3回続く形(三空)は、吹き尽くしの窓を含むことが多いと言われます。三空については、別の記事で解説しています。
窓埋めとは
窓埋めとは、窓の空白を、価格が戻って埋めることです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 完全に埋める | 窓の起点(前の足の高値・安値)まで、戻る |
| 部分的に埋める | 窓の中途まで、戻る |
「窓は埋まる」と、よく言われますが、必ず埋まるわけではありません。放れの窓や中間の窓は、埋まらないまま、トレンドが続くことも、多いです。
FXでの注意点:窓は、週明けや急変時に出る
FXは、ほぼ24時間取引されているため、平日の通常の時間帯では、窓がほとんど空きません。窓が出る主な場面は、次のとおりです。
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 週明けの始値 | 週末のニュースや、価格の変化によって、窓が空く。最も代表的 |
| 重要な発表や発言の直後 | 価格が飛び、窓が空くことがある |
| 流動性の薄い時間帯 | 価格が飛びやすい |
| 日足・週足 | 短い時間足より、窓が目立ちやすい |
FXの週明けの窓は、埋まることが多いと、よく言われますが、確実ではありません。窓の大きさや、有無は、取引会社やチャートの設定によって、変わることもあります。普段使うチャートで、確認しましょう。
計算例:窓の大きさを測る
上の図の例の窓の大きさを、次のとおり測ります。窓の大きさは、前の足の高値と、次の足の安値の差です(上方向の窓の場合)。
| 窓 | 前の足の高値 | 次の足の安値 | 窓の大きさ |
|---|---|---|---|
| ① 通常の窓 | 150.18円 | 150.24円 | 6pips |
| ② 放れの窓 | 150.30円 | 150.56円 | 26pips |
| ③ 中間の窓 | 151.05円 | 151.26円 | 21pips |
| ④ 吹き尽くしの窓 | 151.95円 | 152.25円 | 30pips |
② 放れの窓 = 150.56 − 150.30 = 0.26円(26pips)
③ 中間の窓 = 151.26 − 151.05 = 0.21円(21pips)
④ 吹き尽くしの窓 = 152.25 − 151.95 = 0.30円(30pips)
窓の大きさだけでは、種類は決まりません。①は小さい窓ですが、②③④は、場所によって意味が違うため、「どこで出たか」を、必ず確認します。
使い方
放れの窓を、トレンドの始まりの根拠にする
保ち合いを抜けて、窓を空けて動き出した場合、窓が維持されていれば、新しいトレンドの始まりとして見ます。
図の例の②(放れの窓)のあと、150.84円で買う場合を、考えます。損切りは、窓の下端(150.30円)の5pips下(150.25円)、利益確定は152.00円とします。窓が埋められる(窓の下端を割る)と、前提が崩れるためです。
エントリー 150.84円、損切り 150.25円、利確 152.00円
リスク = 150.84 − 150.25 = 0.59円(59pips)
リワード = 152.00 − 150.84 = 1.16円(116pips)
リスクリワード比 = 116 ÷ 59 ≒ 2.0
吹き尽くしの窓が埋まったら、反転の確認にする
④(吹き尽くしの窓)のあと、窓が埋められた場合を、考えます。窓の起点(151.95円)を割り込んだところで、151.93円で売る場合です。損切りは、窓の上の足の高値(152.45円)の5pips上(152.50円)、利益確定は、中間の窓の起点(151.05円)とします。
エントリー 151.93円、損切り 152.50円、利確 151.05円
リスク = 152.50 − 151.93 = 0.57円(57pips)
リワード = 151.93 − 151.05 = 0.88円(88pips)
リスクリワード比 = 88 ÷ 57 ≒ 1.5
吹き尽くしの窓は、そのまま埋められずに、さらに窓が続くこともあります。窓が埋まるまで、反転とは判断しない考え方が、一般的です(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
注意点
1. 窓の種類は、あとから分かることが多い
窓が出た時点では、種類は分かりません。窓のあとの値動きを、確認してから判断します。
2. 窓は必ず埋まるわけではない
「窓は埋まる」と思い込んで、窓の方向に逆らうと、窓が維持された場合に、大きな損失になります。
3. 窓の原因を、確認する
週末のニュースや、重要な発表による窓は、その後の値動きにも影響します。窓の原因を、確認しましょう。
4. 取引会社・チャートで、窓の出方が変わる
同じ場面でも、取引会社やチャートの設定によって、窓の大きさや有無が変わることがあります。
5. 小さな窓は、意味が薄い
ごく小さな窓は、偶然の価格のずれにすぎないことが多いです。窓の大きさも、確認しましょう。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、窓があるように見えても、確定までに形が変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
窓が出たら、すぐに窓埋めを狙う
放れの窓や中間の窓は、埋まらないことが多いです。窓の種類を、まず判断しましょう。
窓の場所を、見ない
同じ窓でも、保ち合いの中か、トレンドの終わりかで、意味は大きく違います。
窓があれば、トレンドが続くと考える
吹き尽くしの窓は、トレンドの終わりを示すことがあります。窓のあとの足の形も、確認しましょう。
損切りの位置を、決めずに入る
窓の端は、損切りの目安になります。あらかじめ、決めておくことが大切です。
検証せずに、使う
「放れの窓は、トレンドの始まり」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- 窓は、前の足と次の足の間にできる空白。出る位置で、意味が大きく変わる
- 窓は、4つの種類に分けて考える。通常の窓(保ち合いの中)、放れの窓(保ち合いを抜ける)、中間の窓(トレンドの途中)、吹き尽くしの窓(トレンドの終わり)
- 種類は、窓の形ではなく、「出た場所」と「窓のあとの値動き」で判断する。あとから分かることが多い
- 窓埋めは、よく言われるが、必ず起きるわけではない
- FXでは、窓は、週明けや急変時に出る。平日の通常の時間帯では、ほとんど出ない
- 窓の端は、損切りの目安になる
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
