移動平均線大循環分析とは?3本のEMAの並び順で、トレンドの6つの段階を見る

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移動平均線大循環分析とは

移動平均線大循環分析とは、短期・中期・長期の、3本の移動平均線の「並び順」から、相場を、6つの段階(ステージ1〜6)に分けて、トレンドの状態を、判断する方法です。日本で、広く知られた手法で、考案者は、小澤實(おざわ みのる)氏と、紹介されています。3本の線の並び順が、決まった順番で、変わっていくことから、「大循環」と、呼ばれています。

使う移動平均線は、解説では、次の3本が、紹介されています。

線期間種類
短期線5EMA(指数平滑移動平均線)
中期線20EMA
長期線40EMA

期間は、銘柄や、時間足に合わせて、変えてもよいとされていますが、まずは、推奨値で、使うことが、勧められています。EMAの計算方法は、別の記事で解説しています。

6つのステージ

3本の線の、上下の並び順は、全部で6通りです。この6通りを、順番に、ステージ1〜6と呼びます。

ステージ並び順(上から)相場の状況(解説による)このステージに入るきっかけ(並び順から整理)
1短期 > 中期 > 長期上昇期。買いに優位性がある中期線が、長期線を、上に抜ける
2中期 > 短期 > 長期上昇の終わり短期線が、中期線を、下に抜ける
3中期 > 長期 > 短期下降の入り口短期線が、長期線を、下に抜ける
4長期 > 中期 > 短期下降期。売りに優位性がある中期線が、長期線を、下に抜ける
5長期 > 短期 > 中期下降の終わり短期線が、中期線を、上に抜ける
6短期 > 長期 > 中期上昇の入り口短期線が、長期線を、上に抜ける

「きっかけ」の列は、並び順の変化を、線の交差で、1つずつ追って、整理したものです。解説によって、表現が、違うことが、あります。

ステージは、1→2→3→4→5→6→1と、順番に、移っていくのが、基本です(順行)。ある解説では、順行が、全体の約7割、逆の順に動く(逆行)のが、約3割と、紹介されています。逆行は、押し目や戻り、もみ合いの場面で、起きるとされています。また、原則として、ステージは、飛ばさずに、隣り合って、移ります。

上の図は、説明のために作った例です。移動平均線は、作った終値から、実際に、計算しています。ステージの背景色は、その時点の、3本の並び順です。実際の相場が、このようにきれいに動くことは、少ないです。

この例では、40〜259本目の220本のうち、ステージ1が89本、ステージ4が89本で、合わせて178本(178 ÷ 220 ≒ 80.9%)でした。ステージ2・3・5・6は、合わせて42本(約19.1%)で、短い期間に、移っています。ある解説でも、ステージ1と4は長続きしやすく、2・3・5・6は、短期間で、終わりやすいとされています。

この例では、解説の「隣り合って移る」とは、違う動きも、ありました。3本の線が、ほぼ同じ位置で、からむ場面で、ステージ4から6へ(179本目)、1から3へ(186本目)と、飛んでいます。ステージが、飛ぶこともあります。

計算例

EMAの計算

EMAは、直近の価格に、重みを、置く計算です。期間nのEMAは、次の式で、求めます。

α = 2 ÷(n + 1)
EMA(今回)= α × 今回の終値 +(1 − α)× EMA(前回)
EMA5:α = 2 ÷ 6 ≒ 0.333、EMA20:α = 2 ÷ 21 ≒ 0.095、EMA40:α = 2 ÷ 41 ≒ 0.049

図の72本目の、EMA5を、計算します(71本目のEMA5は146.289円、72本目の終値は146.39円)。

EMA5(72本目)= 0.333 × 146.39 + 0.667 × 146.289
            = 48.797 + 97.526 = 146.323 ≒ 146.32円

短期線(EMA5)は、期間が短く、α が大きいため、価格に、早く反応します。長期線(EMA40)は、α が小さく、ゆっくり動きます。

ステージの判定

図の70本目と71本目の、3本の線の値は、次のとおりです(例の数値です)。

EMA5EMA20EMA40並び順ステージ
70本目146.22円145.69円145.71円短期 > 長期 > 中期6
71本目146.29円145.76円145.75円短期 > 中期 > 長期1
71本目:EMA20 − EMA40 = 145.7576 − 145.7478 ≒ 0.0098円(約1pips)

ステージ6から1に変わったのは、中期線(EMA20)が、長期線(EMA40)を、わずか、約1pips、上に抜けたためです。この程度の差では、翌日、また、逆転することも、あります。

ステージ1で買い、ステージ1を離れたら決済する

ある解説の基本ルールは、「ステージ1に入ったら買い、ステージ2に移ったら決済」「ステージ4に入ったら売り、ステージ5に移ったら決済」です。この例では、「ステージ1または4を、離れたとき」に、その日の終値で、決済します(例のルールです)。図の例で、6回の取引を、計算します。

取引内容エントリー決済損益
A売り(62〜64本目)145.11円145.71円−60pips
B買い(71〜146本目)146.42円152.60円+618pips
C買い(160〜168本目)153.09円152.18円−91pips
D売り(174〜179本目)151.62円152.80円−118pips
E買い(180〜186本目)152.61円152.07円−54pips
F売り(188〜249本目)151.43円146.53円+490pips
合計 = −60 + 618 − 91 − 118 − 54 + 490 = +785pips
勝ち:2回(B、F)、勝率 = 2 ÷ 6 ≒ 33.3 %
勝ちの平均 =(618 + 490)÷ 2 = 554pips
負けの平均 =(60 + 91 + 118 + 54)÷ 4 = 323 ÷ 4 ≒ 80.8pips
平均のリスクリワード比 = 554 ÷ 80.8 ≒ 6.86 ≒ 6.9
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + 6.9)= 1 ÷ 7.9 ≒ 12.7 %

勝率は、約33.3%と低いのに、トレンドが続いた2回(BとF)の利益が、大きく、全体では、プラスです。一方、もみ合いの3回(C、D、E)は、合計−263pips(−91 − 118 − 54)でした。もみ合いが、長く続き、トレンドが、出なければ、この例では、損失だけが、残ります。この例は、私が作った1つの動きで、実際の相場の成績では、ありません。スプレッドも、考慮していません。

トレンドの、どこまで取れたか

上昇:安値の終値(43本目)144.84円 → 高値の終値(124本目)153.50円 = 8.66円(866pips)
 取引Bの利益 618pips ÷ 866 ≒ 71.4 %(エントリー146.42円は、安値から158pips上)
 決済152.60円は、高値153.50円から、90pips下
下落:153.50円 → 安値の終値(233本目)145.23円 = 8.27円(827pips)
 取引Fの利益 490pips ÷ 827 ≒ 59.2 %

ステージが変わってから、動くため、トレンドの、初めの部分と、終わりの部分は、取れません。これは、この手法の特徴です。

基本の使い方

1. 3本の線を、表示する

EMA5・20・40を、表示します。線ごとに、色を変えると、並び順が、分かりやすくなります。

2. ステージを、確認する

3本の線の、上下の並び順から、いまのステージを、判定します。ステージ1と4が、トレンドのある状態で、2・3・5・6は、入れ替わるまでの、移行期とされています。

3. ステージ1で買い、ステージ4で売る

ステージ1に入ったら買い、ステージ4に入ったら売る、という考え方が、紹介されています。3本の線が、そろって、同じ向きに、傾いているかも、確認します。傾きが弱いと、トレンドの勢いが、足りないと、判断されます。

4. ステージの移行で、決済を考える

ステージ1から2に移ったら、上昇が、一度終わったと見て、決済する考え方が、あります。ステージ4から5も、同様です。決済ルールの細かい部分は、解説によって、違います。

5. もみ合いは、見送る

3本の線が、からみ合い、ステージが、すぐ変わるときは、もみ合いの可能性が、高いとされています。図の160〜188本目が、その例です。取引を、見送る選択も、あります。

6. 損切りを、決める

この手法は、ステージが変わるまで、保有する考え方ですが、変わる前に、大きく逆行することも、あります。あらかじめ、損切りの位置を、決めておく考え方が、あります(たとえば、長期線の外側)。

注意点

1. 反応が、遅い

3本の線は、過去の価格から、計算されるため、ステージが変わるのは、トレンドが、始まってから、しばらく後です。図の例では、買いのエントリーは、安値から158pips上でした。決済も、高値から90pips下で、行われています。

2. もみ合いで、ダマシが、多い

もみ合い相場では、ステージが、短い間隔で、変わります。図の例では、28本(160〜188本目)の間に、3回の取引が行われ、合計−263pipsでした。

3. 勝率は、低くなりやすい

トレンドが、出たときに、大きく取る代わりに、勝率が、低くなる傾向が、あります。図の例の勝率は、約33.3%でした。連敗に、耐えられるかが、大切です。

4. 線の差が、小さいとき、並び順は、すぐ変わる

図の71本目のように、中期線と長期線の差が、約1pipsのときの、並び順は、不安定です。線の間隔や、傾きも、あわせて、確認します。

5. 期間は、決まっていない

5・20・40は、解説の推奨値です。期間を、変えると、ステージが、変わるタイミングも、変わります。結果を見て、期間を、変え続けるのは、避けましょう。

6. ブローカーによって、足の区切りが違う

ブローカーによって、サーバー時間が違い、日足の区切りが、違います。そのため、終値が、違い、移動平均線の値や、ステージが、変わるタイミングが、前後することが、あります。

7. ダマシ・負けが、続くことがある

たとえば、図の例の取引C(−91pips)・D(−118pips)・E(−54pips)のように、もみ合いで、続けて、負けることが、あります。この3回の合計は、−263pipsで、次の取引Fの利益(+490pips)で、取り返せましたが、トレンドが、出なければ、取り返せません。この数字は、あくまで例です。

初心者が間違えやすいポイント

並び順だけで判断する

並び順が、そろっていても、線の傾きが、弱ければ、勢いが、足りません。線の傾きと、間隔も、確認しましょう。

ステージ1に入った瞬間に、必ず上がると考える

図の取引C(160本目)のように、ステージ1に入った直後に、ステージ2に戻ることが、あります。

もみ合いでも、使い続ける

もみ合いでは、ステージが、すぐ変わり、ダマシが、増えます。線が、からみ合っているときは、見送りましょう。

ステージの番号を、順番だと、決めつける

例では、隣り合わないステージに、飛ぶ場面が、ありました。番号に、こだわらず、並び順を、確認しましょう。

検証せずに、使う

「ステージ1で買えば、トレンドに乗れる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • 移動平均線大循環分析は、EMA5・20・40の並び順(6通り)を、ステージ1〜6に分けて、トレンドを見る方法。期間は、解説の推奨値
  • ステージ1(短>中>長)が上昇期、ステージ4(長>中>短)が下降期。2・3・5・6は、移行期。基本の順番は、1→2→3→4→5→6
  • 例では、ステージ1と4が、220本のうち178本(約80.9%)。ステージが、隣り合わずに、飛ぶ場面もあった
  • 例では、6回の取引で、合計+785pips、勝率は約33.3%。平均のリスクリワード比は約6.9で、損益分岐の勝率は約12.7%(スプレッド除く)
  • もみ合いの3回は、合計−263pips。トレンドが出れば、大きく取れるが、反応は遅く、初めと終わりは取れない(上昇の約71.4%、下落の約59.2%)
  • ステージが変わるタイミングは、線の差が小さいと、不安定になる
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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