ウルフ波動とは?5つの波と目標の求め方・基本の使い方

目次

ウルフ波動とは

ウルフ波動(Wolfe Wave)とは、値幅が、だんだん狭まっていく、5つの波(1〜5)の形から、反転する位置と、反転後の目標の目安を、探す、チャートパターンです。アメリカのトレーダー、ビル・ウルフ(Bill Wolfe)が、紹介したパターンと、されています。5つの点が、特定の形に並ぶことで、「ウルフ波動が、完成した」と、判断します。

「強気のウルフ波動」と、「弱気のウルフ波動」が、あります。この記事では、主に、強気(下落してきた相場が、上昇に転じる形)を、説明します。弱気は、上下を、逆にした形です。

強気のウルフ波動
 点1:安値   点2:高値   点3:安値(点1より、下)
 点4:高値(点2より、下)   点5:安値(線1-3を、少し下抜ける)
 → 点5の後、線1-4の延長線を、目標の目安として、反転上昇する、と考える

図は、強気のウルフ波動の例です。線1-3(下側の線)と、線2-4(上側の線)が、右に向かって、狭まり、点5で、線1-3を、少し下に、抜けています。この図は、説明のために作った例で、必ず、このように動くわけでは、ありません。

成立の条件

ウルフ波動の条件は、解説書によって、細かい点が、違いますが、一般に、次の点が、挙げられることが、多いです。

条件内容(強気の場合)
1. 5つの点の並び点1・3・5が、安値、点2・4が、高値(交互に並ぶ)
2. 点3の位置点3が、点1より、下にある
3. 点4の位置点4が、点2より、下で、点3より、上にある
4. 線が、狭まる線1-3と、線2-4が、右に向かって、狭まる(収束する)
5. 点5の位置点5が、線1-3を、少し下抜ける(行き過ぎ)
6. 時間の間隔各点の間隔が、ほぼ、等しいことが、多い、と言われる

これらの条件を、すべて満たすパターンは、実際の相場では、多く、ありません。少しずつ、条件が、ずれた形を、「ウルフ波動」と、判断するかは、人によって、違います。

線の計算と、目標の求め方

ウルフ波動では、3本の線を、引きます。

線結ぶ点役割
線1-3点1と点3下側の線。点5の、行き過ぎの基準
線2-4点2と点4上側の線。狭まりの、確認
線1-4点1と点4延長線が、目標の目安(到達予想)

線の価格は、2点から、1本あたりの傾きを、求めて、計算します。

傾き = (後の点の価格 − 前の点の価格)÷(後の点の本数 − 前の点の本数)
線の価格 = 前の点の価格 + 傾き ×(求めたい位置 − 前の点の位置)

手計算の例

各点の位置と価格を、次のとおりとします(図と同じ数値、例です)。

点位置(本数)価格種類
点110本目150.00円安値
点225本目150.80円高値
点340本目149.70円安値
点455本目150.30円高値
点570本目149.35円安値

条件の確認

点3(149.70)< 点1(150.00)→ OK(点1より下)
点4(150.30)< 点2(150.80)かつ 点4 > 点3(149.70)→ OK

線の傾き

線1-3の傾き = (149.70 − 150.00)÷(40 − 10)= −0.30 ÷ 30 = −0.0100円/本(−1.0pips/本)
線2-4の傾き = (150.30 − 150.80)÷(55 − 25)= −0.50 ÷ 30 ≒ −0.0167円/本(−1.67pips/本)
線1-4の傾き = (150.30 − 150.00)÷(55 − 10)= 0.30 ÷ 45 ≒ +0.0067円/本(+0.67pips/本)

線が、狭まっているかの確認(線2-4 − 線1-3 の幅)

40本目: 線1-3 = 149.70円、線2-4 = 150.80 − 0.0167 × 15 = 150.55円 → 幅 0.85円(85pips)
55本目: 線1-3 = 150.00 − 0.0100 × 45 = 149.55円、線2-4 = 150.30円 → 幅 0.75円(75pips)
70本目: 線1-3 = 150.00 − 0.0100 × 60 = 149.40円、線2-4 = 150.80 − 0.0167 × 45 = 150.05円 → 幅 0.65円(65pips)
位置線1-3線2-4幅
40本目149.70円150.55円85pips
55本目149.55円150.30円75pips
70本目149.40円150.05円65pips

幅が、85 → 75 → 65pipsと、狭まっているため、条件4を、満たします。

点5の確認

70本目の線1-3 = 149.40円、点5 = 149.35円
点5 − 線1-3 = 149.35 − 149.40 = −0.05円(−5pips)→ 線1-3を、5pips下抜けた → 条件5を満たす

目標の目安(線1-4の延長)

90本目の線1-4 = 150.00 + 0.0067 × (90 − 10) ≒ 150.53円
100本目の線1-4 = 150.00 + 0.0067 × (100 − 10) = 150.60円

図の例では、価格は、99本目前後で、150.58円まで上昇し、線1-4の延長線(100本目で150.60円)の近くまで、届きました。この計算で、目標の位置は、「何本目の時点か」で、変わる点に、注意が必要です(線が、斜めのため)。

他の分析との違い

ウルフ波動ウェッジ(上昇・下降)エリオット波動(基本)
形狭まる、5つの波狭まる、2本の線の中の動き推進波5つ+修正波3つ
点の数5点(条件が、細かい)高値・安値の、複数8つの波
目標の考え方線1-4の延長線形の高さ・ブレイク後の値幅波の長さ・比率
主観の入りやすさ点の選び方・線の引き方で、変わる線の引き方で、変わる波の数え方で、変わる

ウルフ波動は、下降ウェッジ(強気)・上昇ウェッジ(弱気)と、形が、似ているため、区別が、難しいことが、あります。また、エリオット波動の、最後の5波が、狭まる形(エンディング・ダイアゴナル)と、似ていると、言われることも、あります。エリオット波動(基本)については、別の記事で解説しています。

基本の使い方

1. 5つの点を、探す

まず、点1〜点5の、高値・安値が、交互に、並んでいる形を、探します。点の数は、少なくとも、5つ必要です。5つ目の点が、確定するまで、「ウルフ波動」とは、断定できません。

2. 線を引き、条件を、確認する

線1-3・線2-4を、引き、狭まっているか、点5が、線1-3を、少し下抜けているかを、確認します。

3. 反転の確認を、待つ

点5で、反転を、確認(ローソク足の形・直近の高値の更新など)してから、エントリーするのが、一般的です。点5が、行き過ぎのまま、さらに、下がることも、あります。

4. 目標の目安を、決める

線1-4の延長線を、目標の目安とします。ただし、線は、斜めで、時間が進むと、価格が変わります。目標に届く前に、反転することも、超えて伸びることも、あります。

計算例:点5からの反転で、買う場合

図の例(点5=149.35円)で、点5からの反転を、買う場合を、考えます。損切りは、点5の下の149.25円、利益確定は、線1-4の延長線(100本目で150.60円)とします(例の数値です)。

線1-3の付近(149.40円)に、指値で買う場合

エントリー 149.40円、損切り 149.25円、利確 150.60円
リスク   = 149.40 − 149.25 = 0.15円(15pips)
リワード = 150.60 − 149.40 = 1.20円(120pips)
リスクリワード比 = 120 ÷ 15 = 8.0

反転を確認した足の終値(149.65円)で買う場合

エントリー 149.65円、損切り 149.25円、利確 150.60円
リスク   = 149.65 − 149.25 = 0.40円(40pips)
リワード = 150.60 − 149.65 = 0.95円(95pips)
リスクリワード比 = 95 ÷ 40 ≒ 2.4

点4の高値(150.30円)を、上抜けた足の終値で買う場合

エントリー 150.30円、損切り 149.25円、利確 150.60円
リスク   = 150.30 − 149.25 = 1.05円(105pips)
リワード = 150.60 − 150.30 = 0.30円(30pips)
リスクリワード比 = 30 ÷ 105 ≒ 0.3
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
指値(線1-3の付近)149.40円15pips120pips8.0
反転を確認(足の確定)149.65円40pips95pips2.4
点4の高値を上抜けた(継続の確認)150.30円105pips30pips0.3

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、点5が、線1-3まで、届かずに、反転して、エントリーできないことも、あります。また、点5が、損切りの位置(149.25円)まで、下がることも、あります。点4の高値の上抜けまで待つと、目標までの値幅が、ほとんど、残らないため、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。

注意点

1. 点の選び方で、形が、変わる

「どの高値・安値を、点1〜5にするか」は、人によって、違います。同じチャートでも、人によって、ウルフ波動が、「ある」「ない」が、変わります。

2. 条件を、すべて満たす形は、少ない

5つの点が、きれいに、条件を満たす形は、実際の相場では、少なく、条件を、緩めて、当てはめると、後付けに、なりやすいです。

3. 点5は、後から、確定する

点5は、その後に、価格が、反転して、初めて、確定します。点5が、確定する前に、「ここが点5」と、決めても、さらに、下がることが、あります。

4. 目標は、「目安」で、保証ではない

線1-4の延長線に、届かずに、反転することも、超えて伸びることも、あります。線が、斜めのため、時間が進むと、目標の価格が、変わります。

5. レンジ相場・トレンド相場の、判断

方向感のない、レンジ相場では、線が、うまく、引けず、ダマシが、多くなります。また、強いトレンドでは、点5を、行き過ぎたまま、そのまま、下落が、続くことも、あります。

たとえば、点5での買いが、損失35pipsで、5回続くと、合計−175pipsの損失です。その後の1回の利益が、200pipsなら、合計は+25pips、120pipsなら、合計は−55pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

6. 足が確定するまで、分からない

ヒゲで、一時的に、線1-3を、下抜けても、足が確定したときには、戻っていることが、あります。終値で、確認するようにしましょう。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

点が、そろう前に、決めつける

点5が、確定する前に、「ウルフ波動だ」と、決めつけると、さらに、下がったときに、損失が、広がります。反転の確認を、待つようにしましょう。

条件を、緩めて、当てはめる

条件を、緩めると、ほとんどの、チャートで、ウルフ波動が、見つかります。条件を、事前に、決めておくようにしましょう。

目標を、固定の価格と、考える

線1-4は、斜めの線で、時間とともに、価格が変わります。「この価格」と、決めつけず、その時点の線の価格を、確認しましょう。

後から、当てはめる

反転した後に、「ここに、ウルフ波動が、あった」と、線を引くのは、後付けです。リアルタイムで、見つけられるかを、検証しましょう。

検証せずに、使う

「ウルフ波動で、反転の位置と、目標が、分かる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • ウルフ波動は、値幅が狭まる、5つの波(点1〜5)の形から、反転の位置と、目標の目安を、探すパターン。ビル・ウルフが、紹介したと、されている
  • 強気は、点1・3・5が安値、点2・4が高値。点3が点1より下、点4が点2より下、線1-3と線2-4が、狭まり、点5が、線1-3を、少し下抜ける
  • 目標の目安は、線1-4の延長線
  • 例では、線1-3の傾きが−1.0pips/本、線2-4が−1.67pips/本、幅が85 → 75 → 65pipsと狭まり、点5は、線1-3(149.40円)を、5pips下抜けた。線1-4の延長は、100本目で150.60円
  • 例では、指値(8.0)、反転の確認(2.4)、点4の高値の上抜け(0.3)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 点の選び方で、形が変わる。条件を満たす形は少なく、後付けになりやすい。点5は、後から確定する
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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