コマ足とは
コマ足とは、実体が小さく、上下にヒゲがあるローソク足のことです。独楽(こま)に形が似ていることから、この名前がつきました。英語ではスピニングトップ(Spinning Top)と呼ばれます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 実体 | 小さい(始値と終値が近い) |
| 上ヒゲ | ある |
| 下ヒゲ | ある |
| 色 | 陽線・陰線どちらもある |
実体が小さいということは、始値と終値がほぼ同じ、つまり、期間中に動いたものの、結局ほぼ元の位置に戻ったことを意味します。
コマ足が示すこと
コマ足は、売りと買いが拮抗している(迷っている)状態を表します。
期間中、上にも下にも動いた
→ 買い方も、売り方も、押し切れなかった
→ 終値は、始値付近に戻った
| 読み取れること | 内容 |
|---|---|
| 方向感のなさ | どちらの勢いも、決め手に欠ける |
| 勢いの低下 | それまでの勢いが、止まった可能性 |
| 転換の予兆 | トレンドの終盤で出ると、転換の前触れのことがある |
| 一息ついた状態 | トレンドの途中で出ると、ただの小休止のこともある |
コマ足そのものが、「上がる」「下がる」を教えてくれるわけではありません。「勢いが止まった」というサインであり、次の足の動きを見ることが大切です。
コマ足の基準
「どのくらい小さければコマ足か」には、決まった基準がありません。割合で決める方法があります。
| 項目 | 目安の例 |
|---|---|
| 実体の大きさ | その足の値幅全体(高値−安値)の、3分の1以下 |
| ヒゲ | 上下とも、実体よりある程度長い |
計算例:コマ足の判定
1時間足の足が、次の値だったとします。
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| 始値 | 150.00円 |
| 高値 | 150.30円 |
| 安値 | 149.75円 |
| 終値 | 150.06円 |
値幅全体 = 150.30 − 149.75 = 0.55円(55pips)
実体 = 150.06 − 150.00 = 0.06円(6pips)
上ヒゲ = 150.30 − 150.06 = 0.24円(24pips)
下ヒゲ = 150.00 − 149.75 = 0.25円(25pips)
実体 ÷ 値幅全体 = 6 ÷ 55 ≒ 11%
実体が、値幅全体の約11%なので、「3分の1(約33%)以下」というルールであれば、コマ足と判定できます。上下のヒゲも、ほぼ同じ長さです。
この基準は、あくまで一例です。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
コマ足の種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 陽線のコマ | 終値が、始値より少し高い |
| 陰線のコマ | 終値が、始値より少し低い |
| 高波(たかなみ) | ヒゲが特に長いコマ足。値動きの荒さを示す |
陽線か陰線かで、意味が大きく変わることは、あまりありません。どちらも、「迷い」のサインです。
十字線との違い
実体がほぼゼロ(始値と終値がほぼ同じ)になると、十字線と呼ばれます。
| コマ足 | 十字線 | |
|---|---|---|
| 実体 | 小さいが、ある | ほぼない(線のよう) |
| 迷いの強さ | 迷い | より強い迷い |
十字線については、別の記事で解説しています。境界は、あいまいで、基準は人によって違います。
場所別の見方
コマ足は、「どこで出たか」で、意味が変わります。
| 場所 | 見方 |
|---|---|
| 上昇トレンドの高値圏 | 買いの勢いが、止まった。転換に注意 |
| 下降トレンドの安値圏 | 売りの勢いが、止まった。転換に注意 |
| トレンドの途中(押し目・戻りの中) | 一時的な小休止のことも多い。トレンドが続くことも |
| レンジの中 | 方向がない状態が、続いている |
| 重要なライン(サポート・レジスタンス)の近く | そのラインで、勢いが止まったサイン |
| 大きな足の直後 | 大陽線(大陰線)のあとの、勢いの一服 |
同じコマ足でも、場所によって、次の動きが変わるため、場所の確認が欠かせません。
次の足を見る(確認足)
コマ足の次に出る足で、その後の方向を判断します。
| 次の足 | 見方 |
|---|---|
| コマ足の高値を超えて、上に抜ける | 上方向に、動き出した可能性 |
| コマ足の安値を割って、下に抜ける | 下方向に、動き出した可能性 |
| コマ足の範囲内に、収まる | 迷いが続いている |
コマ足の高値・安値のどちらに抜けるかを見てから、エントリーを判断する方法があります。
計算例:高値圏のコマ足のあとに、売る場合
上昇が続いたあとの高値圏で、上の例のコマ足が出たとします。
次の足が、コマ足の安値(149.75円)を割ったため、149.70円で売る場合です。
| 項目 | 価格 | 値幅 |
|---|---|---|
| エントリー(売り) | 149.70円 | — |
| 損切り | 150.35円(コマ足の高値の5pips上) | −65pips |
| 利益確定 | 148.40円 | +130pips |
リスク = 150.35 − 149.70 = 0.65円(65pips)
リワード = 149.70 − 148.40 = 1.30円(130pips)
リスクリワード比 = 130 ÷ 65 = 2.0
損切りは、コマ足の高値の少し上に置きます。高値を超えると、迷いのあとに、買いが再び強まったことになり、売りの見立てが崩れるためです(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
コマ足は、ヒゲが長いため、高値から安値までの値幅が大きくなりがちで、損切り幅も大きくなる点に注意が必要です。上昇トレンドに逆らう売りでもあるため、必ず機能するわけではありません。
コマ足の使い方
1. 利益確定・決済を検討する目安にする
含み益のあるポジションを持っているとき、勢いが止まったコマ足が出たら、利益確定を検討する目安にできます。
2. トレンド転換の兆しとして、注目する
トレンドの終盤や、重要なライン付近で、コマ足が出たときに、その後の動きに注意します。
3. エントリーを見送る目安にする
方向感のない状態で、無理にエントリーしない判断にも使えます。
4. ブレイクの準備として見る
コマ足が連続して並ぶと、値動きが狭まっている状態で、その後に、大きく動くことがあります。ブレイクアウトとダマシについては、別の記事で解説しています。
コマ足の注意点
1. コマ足だけでは、判断できない
コマ足は、「迷い」を示すだけで、転換を保証するものではありません。場所・前後の足とあわせて判断します。
2. トレンド途中のコマ足は、転換とは限らない
上昇トレンドの途中で出たコマ足は、ただの小休止で、そのまま上昇が続くことも、よくあります。
3. 時間帯で、出やすさが違う
値動きが小さい時間帯には、コマ足が出やすいため、意味の薄いコマ足も増えます。参加者の多い時間帯のコマ足のほうが、意味が重いと考えられます。
4. 時間足で重みが違う
日足のコマ足と、5分足のコマ足では、意味の重さが違います。
5. 足が確定するまで、判断できない
進行中の足は、コマ足に見えても、足が確定するまでに変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
コマ足が出たら、すぐに逆張りする
上昇の終盤に、コマ足が出たことだけで売ると、上昇が続いた場合に、損失になります。次の足の確認を、検討しましょう。
どんな場所のコマ足も、同じ意味だと考える
トレンドの途中と、高値圏・安値圏では、意味が違います。
コマ足の陽線・陰線に、こだわりすぎる
コマ足では、陽線・陰線の違いより、「迷い」であることのほうが、重要です。
コマ足が増えただけで、転換と決めつける
コマ足が並ぶのは、保ち合いの可能性もあり、そのまま、元の方向へ進むこともあります。
検証せずに、使う
「コマ足のあとは、転換する」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- コマ足は、実体が小さく、上下にヒゲがあるローソク足。売りと買いが拮抗している(迷っている)状態を示す
- 実体が、値幅全体の3分の1以下など、割合で基準を決める
- 実体がほぼゼロの足は、十字線。迷いは、より強い
- 出た場所で、意味が変わる。高値圏・安値圏・重要なライン付近では、転換の予兆のことがある。トレンドの途中では、小休止のことも多い
- 次の足が、コマ足の高値・安値のどちらに抜けるかを、確認してから判断する方法がある
- 単独では、判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
