シャークパターンとは
シャークパターンとは、ハーモニックパターンの1つで、Bが、Xを超えて(下回って、または、上回って)伸び、その後、Cが、最初の動き(0X)の、ほぼ、全体を戻す水準まで、動いたところで、反転を、考える形です。英語では、「Shark Pattern(シャーク・パターン)」と呼ばれます。
2011年ごろに、スコット・カーニー氏が、紹介した形とされています(出典により、説明は違います)。ガートレーなどの、X・A・B・C・Dの5点とは違い、「0・X・A・B・C」という、点の名前を使い、Cで完成する点が、特徴です。ハーモニックパターン全体の考え方は、別の記事で解説しています。この記事では、シャークの、点の取り方と、比率の考え方を、中心に、解説します。
なお、シャークの比率は、解説書やソフトによって、記述が、異なります。ここでは、よく紹介される、考え方の一例を、使います。
0 → X:最初の動き(0X)
X → A:0Xの一部を、戻す動き(XA)
A → B:XAの 113〜161.8 %(Xを超えて伸びる)
B → C:0Xの 88.6〜113 % の水準まで戻る(Cが、PRZ)
※ BC が ABの 161.8〜224 % と重なる、と説明されることもある

上の図は、売りの形の例です。0の高値から、Xの安値まで下落し(0X)、Aまで戻し(XA)、Xを下回るBまで下げ(AB)、0の水準の付近のCまで、大きく上昇して(BC)、Cの付近で、反転しています。橙の枠が、PRZ(反転が起きやすい、と考える範囲)です。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。
5つの点と、比率の条件
| 点・区間 | 比率の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 0 | — | 最初の動き(0X)の、始まりの点 |
| X | — | 0Xの、終わりの点 |
| A | 解説により、異なる | XからBへ向かう前の、戻りの点(明確な条件が、示されない解説も、ある) |
| B | XAの約113〜161.8% | Xを超えて伸びる(売りの形では、Xを下回る) |
| C | 0Xの約88.6〜113%の水準 | 0の水準の付近まで戻る。PRZ |
| BC | ABの約161.8〜224% | Cの水準と、重なる、と説明されることがある |
売りの形は、買いの形の、上下を、逆にした形です。この記事の例の、売りの形は、「0が高値、Xが安値」の形で、Cで、売りを考えます。「0〜X〜A」の、動きの大きさは、決まった条件が、少なく、解説書によっては、記述が、異なります。
計算例(売りの形)
0が150.00円(高値)、Xが148.00円(安値)で、Aが149.00円、BがXAの127%、Cが、0Xの100%の水準(0の水準)になる例を、計算します(例の数値です)。
0X = 150.00 − 148.00 = 2.00円(200pips)
XA = 149.00 − 148.00 = 1.00円(100pips)(0Xの 50 %)
AB = 1.00 × 1.272 = 1.272円(XAの 127.2 %)
B = 149.00 − 1.272 = 147.728円 ≒ 147.73円
Xより、148.00 − 147.728 = 0.272円(約27pips)下
C(0Xの 88.6〜113 %の水準)
88.6 %:148.00 + 2.00 × 0.886 = 149.772円 ≒ 149.77円
100 % :148.00 + 2.00 × 1.00 = 150.00円
113 % :148.00 + 2.00 × 1.13 = 150.26円
→ PRZ は 149.77〜150.26円
BC = 150.00 − 147.728 = 2.272円(約227pips)
BC ÷ AB = 2.272 ÷ 1.272 ≒ 1.79
| 確認する項目 | 例の値 | 目安の範囲 | 判定 |
|---|---|---|---|
| AB ÷ XA | 1.272 | 約1.13〜1.618 | 範囲内 |
| BとX | 147.73円 < 148.00円 | Xを下回る | 範囲内 |
| Cの位置(0Xに対して) | 100% | 約88.6〜113% | 範囲内 |
| BC ÷ AB | 約1.79 | 約1.618〜2.24 | 範囲内 |
すべての条件が、範囲内に、収まっているため、「シャークに近い形」と、いえます。ただし、実際の相場では、ここまで、きれいに、そろうことは、少ないです。
他のハーモニックパターンとの違い
| ガートレー・バットなど | シャーク | |
|---|---|---|
| 点の名前 | X・A・B・C・D | 0・X・A・B・C |
| 完成する点 | D | C |
| 反転を考える位置 | XAの戻し・伸びの水準(D) | 0Xの、ほぼ全体を、戻す水準(C) |
| 途中の動き | Dに向かって、動く | Bで、Xを超えて、伸びる |
| 特徴 | XAに対する、Dの位置で、形が決まる | 0の水準の付近まで、大きく戻る |
ガートレー・バット・バタフライ・クラブは、別の記事で解説しています。シャークは、Cが、0の水準の付近まで、大きく戻るため、「大きな動きの、ほぼ全体を、戻す」場面で、反転を考える形です。Cが、0の水準を、超えると、元の動きの、高値(安値)を、更新する、ことになります。
基本の使い方
1. 0・X・Aを決める
直近の、はっきりした、高値と安値から、0・X・Aを、決めます。点の取り方で、形が変わるため、取り方を、事前に、決めておきます。
2. Bを確認する
Bが、Xを超えて(売りの形では、下回って)、伸びているかを、確認します。XAに対する、ABの比率(約113〜161.8%)も、確認します。
3. Cの水準(PRZ)を、計算する
Bが確定したら、0Xの、約88.6〜113%の水準を、計算し、PRZを、考えます。BCとABの比率も、重なる場合は、PRZの根拠が、重なる、と考えます。
4. 反転のサインを、確認する
Cの付近で、そのまま、0の水準を、超えて、動き続けることが、あります。ローソク足の、反転の形などを、確認します。
5. 損切りと、目標を決める
損切りは、0Xの113%など、「形が崩れる」水準の、外側に、置く考え方が、あります。目標は、BCの動きの、一部を、戻した水準(38.2〜61.8%など)と、する考え方が、あります。
計算例:Cで、売る場合
C=150.00円(0Xの100%)で、売る場合を、考えます。損切りは、0Xの113%の150.26円、利益確定は、BCの動きの61.8%を戻した水準(150.00円 − 2.272円 × 0.618 ≒ 148.60円)とします(例の数値です)。
C(150.00円)に、指値で売る場合
エントリー 150.00円、損切り 150.26円、利確 148.60円
リスク = 150.26 − 150.00 = 0.26円(26pips)
リワード = 150.00 − 148.60 = 1.40円(140pips)
リスクリワード比 = 140 ÷ 26 ≒ 5.4
陰線が確定した足の終値(149.75円)で売る場合
エントリー 149.75円、損切り 150.26円、利確 148.60円
リスク = 150.26 − 149.75 = 0.51円(51pips)
リワード = 149.75 − 148.60 = 1.15円(115pips)
リスクリワード比 = 115 ÷ 51 ≒ 2.3
反転が進んだことを確認した後の、149.30円で売る場合
エントリー 149.30円、損切り 150.26円、利確 148.60円
リスク = 150.26 − 149.30 = 0.96円(96pips)
リワード = 149.30 − 148.60 = 0.70円(70pips)
リスクリワード比 = 70 ÷ 96 ≒ 0.7
| エントリー | 価格 | リスク | リワード | リスクリワード比 |
|---|---|---|---|---|
| 指値(C) | 150.00円 | 26pips | 140pips | 5.4 |
| 陰線の確定を確認 | 149.75円 | 51pips | 115pips | 2.3 |
| 反転が進んだのを確認 | 149.30円 | 96pips | 70pips | 0.7 |
確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格がCに届かず、エントリーできないことも、あります。この例では、損切りが近く(26pips)、リスクリワード比が、高く見えますが、損切り幅が小さい分、少しの動きで、損切りに、かかりやすく、スプレッドの影響も、受けやすいと、考えられます。また、Cに到達しても、そのまま上昇して、150.26円を超え、損切りに、かかることも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、1を下回るときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。
注意点
1. 比率が合っても、反転するとは、限らない
シャークの条件が、そろっても、Cで、反転するとは、限りません。0の水準を、超えて、動き続けることが、あります。
2. 解説によって、条件が違う
Aの位置や、BC÷ABの扱い、点の名前など、解説書やソフトによって、記述が、異なります。使う基準を、決めて、後から、変えないようにしましょう。
3. 0の水準は、強い水準
0の水準は、元の動きの、高値(安値)で、多くの参加者が、意識する水準と、考えられます。Cが、この水準を、超えるか、止まるかで、動きが、大きく変わることが、あります。
4. 点の取り方で、形が変わる
ヒゲで取るか、終値で取るかで、比率が、変わります。同じチャートでも、人によって、異なる形に見えることが、あります。
5. 形が、完成しないことが多い
B・Cまでは、形に見えても、Cが、期待した水準に、ならないことが、多く、形が、成立するのは、一部と、考えられます。
6. 損切り幅の、考え方
損切りを、近くに置くと、リスクリワード比は、高く見えますが、損切りに、かかりやすくなります。勝率も、含めて、確認しましょう。
7. ダマシ・負けが、続くことがある
たとえば、Cでの売りが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。
8. 足が確定するまで、分からない
足の途中では、Cの水準に、到達したように見えても、確定する前に、さらに動くことが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。
初心者が間違えやすいポイント
点の名前を、他のパターンと、混同する
シャークは、「0・X・A・B・C」で、Cで完成します。ガートレーなどの、「X・A・B・C・D」と、点の名前が、ずれるため、混同しないようにしましょう。
「0の水準で、必ず反転する」と考える
0の水準は、意識されやすい、とされますが、反転を、保証するものでは、ありません。損切りを、先に、決めておきましょう。
比率の条件を、1つだけ満たしたら、形だと考える
Bの比率、Cの位置、BCの比率が、そろって、はじめて、形に近くなります。1つだけ合っても、形とは、いえません。
損切り幅の小ささだけで、判断する
損切りが近いほど、リスクリワード比は、高く見えますが、損切りに、かかりやすくなります。
検証せずに、使う
「シャークは、よく当たる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- シャークは、0・X・A・B・Cの5点で、Bが、Xを超えて伸び、Cが、0Xの約88.6〜113%の水準(0の水準の付近)まで、戻る形。Cで完成する
- Bは、XAの約113〜161.8%、BCは、ABの約161.8〜224%と重なる、と説明されることがある(解説書により、異なる)
- 例では、0=150.00円、X=148.00円、A=149.00円で、B=147.73円、C=150.00円(PRZは149.77〜150.26円)
- 例では、指値(5.4)、陰線の確定の確認(2.3)、反転が進んだのを確認(0.7)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
- 解説によって、条件が違う。0の水準を、超えて動き続けることもある
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
