流動性とストップ狩りとは?注文が集まる場所と、その考え方

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流動性とストップ狩りとは

スマートマネー系(SMC・ICT)の手法で、使われる「流動性(りゅうどうせい)」とは、「ストップ注文などの、注文が、集まっている、と考えられる場所」を、指します。英語では、「Liquidity(リクイディティ)」と呼ばれます。一般に、「流動性」は、「売買の、しやすさ」を、意味しますが、SMC・ICTでは、「注文が、集まる場所」という意味で、使われることが、多いです。

「ストップ狩り」とは、価格が、ストップ注文の、集まる場所まで、動いて、ストップを、巻き込んだ後、反対方向へ、動くことを、指す言葉です。「大口の参加者が、意図的に、ストップを、狙っている」という見方で、説明されることが、ありますが、これは、考え方(仮説)で、実際に、そうなっているかを、外部から確認することはできません。

SMC・ICTは、「ICT(Inner Circle Trader)」と呼ばれる、トレーダーの、考え方を、もとに、広まった手法、とされています(出典により、説明は違います)。学術的に、確立された理論では、なく、主に、個人トレーダーの間で、使われている考え方です。以下の内容も、そのような、考え方の1つとして、紹介するものです。

流動性 = 注文(特にストップ注文)が、集まっている、と考えられる場所
ストップ狩り = 価格が、その場所へ動いて、注文を、巻き込んだ後、反対へ動く、という見方

上の図は、150.00円付近で、3回、頭を押さえられたレンジの例です。高値の、少し上(150.05〜150.20円)には、売り方の損切りと、ブレイクアウトを狙う、買い注文が、集まる、と考えます。4回目に、価格が、高値を、少し超えて、ヒゲをつけ、その後、押し戻されています。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。

ストップ注文が、集まる、と考えられる理由

ストップ注文には、主に、次の2種類が、あります。

ストップの種類内容
損切りのストップすでに、持っている、ポジションの、損切り注文。高値の上には、売り方の損切り(買い戻し)、安値の下には、買い方の損切り(売り)
ブレイクアウトの、新規のストップ高値を超えたら買う、安値を割ったら売る、という、新規の注文

多くの参加者が、同じ高値・安値を、意識すると、その、少し外側に、注文が、集まりやすいと、考えられます。この、注文の集まりが、「流動性」です。

流動性が、集まる、と考えられる場所

場所内容
ほぼ同じ高値・安値(イコールハイ・イコールロー)何度も、止められた水準。意識されやすい
直近の、はっきりした高値・安値多くの参加者が、損切りの目安に、する
前日・前週の高値・安値日足・週足で、意識されやすい
切りのよい数字(150.00円など)ラウンドナンバー。注文が、置かれやすい
レンジの上限・下限ブレイクアウトを、狙う注文が、置かれやすい
トレンドラインラインの、外側に、損切りが、置かれやすい

これらは、「注文が、集まりやすい、と考えられる場所」で、実際の、注文が、見えるわけでは、ありません。

FXでは、注文は、見えない

株式の、板(いた)のように、注文の、数量が、見える仕組みは、FXには、一般に、ありません。FXは、相対取引(OTC)で、市場全体の、注文を、1か所で、確認することは、できません。そのため、「流動性が、ここに、ある」と、言える根拠は、チャートの形から、推測した、ものに、なります。また、ブローカーによって、レートの動きや、ヒゲの出方が、違うことが、あります。ヒゲが、1つのチャートにしか、出ていない場合は、そのブローカー特有の、動きの、可能性も、あります。

計算例

ストップの位置と、押し戻しの大きさ

150.00円付近で、3回、止められた後の、動きを、数値で、確認します(例の数値です)。

ほぼ同じ高値:150.00円
4回目の高値:150.18円
高値を超えた幅 = 150.18 − 150.00 = 0.18円(18pips)

4回目の足:始値 149.98円、高値 150.18円、終値 149.82円
ヒゲの長さ(上ヒゲ)= 150.18 − 149.98 = 0.20円(20pips)
高値から終値までの戻し = 150.18 − 149.82 = 0.36円(36pips)

平均的な値動きの大きさ(ATR)が、0.30円(30pips)だった場合、

高値を超えた幅 ÷ ATR = 0.18 ÷ 0.30 = 0.6

高値を、ATRの、約0.6倍、超えて、押し戻されたことに、なります。「ATRの何倍まで、超えたら、ブレイクアウト」という、決まった基準は、ありません。ATRについては、別の記事で解説しています。

損切りの位置を、考える

ストップが、集まる、と考える場所を、避けて、損切りを置く、考え方が、あります。

売りで入る場合の、損切り:
  高値(150.00円)のすぐ上(150.05円)に置く → 巻き込まれやすい
  4回目の高値(150.18円)の少し上(150.23円)に置く → 巻き込まれにくい、が、損切り幅は広がる

ただし、損切りを遠くに置くと、損失額が大きくなるため、ロットを調整する必要が、あります。

他の考え方との違い

流動性の考え方サポート・レジスタンスブレイクアウト
注目するもの高値・安値の、外側に、集まる、注文価格が、反応しやすい、水準水準を、超える動き
水準を超えたとき「狩り」で、戻る可能性を、考える「割れた」と、見る「トレンドの、始まり」と、見る
見方外側の注文に、注目する水準そのものに、注目する超えた後の継続に、注目する
特徴「ダマシ」を、前提に、考える反応の確認が、中心継続を、前提に、考える

サポート・レジスタンスやブレイクアウトは、別の記事で解説しています。流動性の考え方は、「水準を超えたけれど、戻る」場面を、説明する、ための、考え方です。ただし、水準を超えて、そのまま、伸びる場面も、多く、どちらになるかは、足が確定するまで、分かりません。

基本の使い方

1. 流動性が、集まる、と考える場所を、確認する

ほぼ同じ高値・安値、前日・前週の高値・安値、切りのよい数字などを、チャートに、マークします。

2. 水準を、超えた後の、動きを、確認する

水準を、超えた後、すぐ、戻るか、そのまま、伸びるかを、足が確定してから、確認します。

3. 反転のサインを、確認する

水準を超えた後、水準の内側へ、戻って、足が確定したことを、確認します。ローソク足の、反転の形などを、合わせて、確認します。

4. 損切りと、目標を決める

損切りは、超えた高値(安値)の、外側に、置く考え方が、あります。**目標は、レンジの、反対側の水準(安値)**と、する考え方が、あります。

計算例:高値を超えて、押し戻された後に、売る場合

図の例(高値150.00円、ヒゲの高値150.18円、レンジの安値149.20円)で、売る場合を、考えます。損切りは、ヒゲの高値の5pips上の150.23円、利益確定は、レンジの安値の149.20円とします(例の数値です)。

ヒゲの途中の、150.10円に、指値で売る場合

エントリー 150.10円、損切り 150.23円、利確 149.20円
リスク   = 150.23 − 150.10 = 0.13円(13pips)
リワード = 150.10 − 149.20 = 0.90円(90pips)
リスクリワード比 = 90 ÷ 13 ≒ 6.9

高値(150.00円)の内側に、戻って、足が確定した、終値(149.88円)で売る場合

エントリー 149.88円、損切り 150.23円、利確 149.20円
リスク   = 150.23 − 149.88 = 0.35円(35pips)
リワード = 149.88 − 149.20 = 0.68円(68pips)
リスクリワード比 = 68 ÷ 35 ≒ 1.9

さらに、下がって、直近の安値を割ったことを確認した後の、149.60円で売る場合

エントリー 149.60円、損切り 150.23円、利確 149.20円
リスク   = 150.23 − 149.60 = 0.63円(63pips)
リワード = 149.60 − 149.20 = 0.40円(40pips)
リスクリワード比 = 40 ÷ 63 ≒ 0.6
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
ヒゲの途中(指値)150.10円13pips90pips6.9
高値の内側に戻って確定149.88円35pips68pips1.9
直近の安値を割ったのを確認149.60円63pips40pips0.6

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ヒゲの途中の指値は、その時点では、「ヒゲ」になるのか、「ブレイクアウト」になるのか、分かりません。この例では、指値の損切りが近く(13pips)、リスクリワード比が、高く見えますが、そのまま上昇する場合は、すぐに、損切りに、かかります。また、価格が、その水準まで、届かず、エントリーできないことも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、1を下回るときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。

損益分岐の勝率

リスクリワード比から、損益が、プラスマイナスゼロになる、勝率を、計算できます(スプレッドを、考慮しない、計算)。

損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + リスクリワード比)
リスクリワード比 6.9 → 1 ÷ 7.9 ≒ 12.7 %
リスクリワード比 1.9 → 1 ÷ 2.9 ≒ 34.5 %
リスクリワード比 0.6 → 1 ÷ 1.6 ≒ 62.5 %

リスクリワード比が、低いほど、必要な、勝率が、高くなります。実際の勝率は、自分で、検証して、確認する必要が、あります。

注意点

1. 「ストップ狩り」は、仮説

価格が、高値を超えて、戻ったことを、「狩られた」と、説明することは、できますが、本当に、意図的な、動きかは、確認できません。ただの、ブレイクアウトの、失敗や、流動性の薄い時間帯の、動きの、可能性も、あります。

2. 超えた後に、戻るとは、限らない

高値を超えて、そのまま、伸びることも、多くあります。「狩りだ」と決めつけて、逆張りすると、損失が、広がります。

3. 「損切りに、かかった=狩られた」と、考えてしまう

損切りに、かかった後、価格が、戻ると、「狩られた」と、感じやすいものです。この感覚で、判断を、変えると、根拠が、あいまいになります。自分の、損切りの、置き方を、見直す、材料に、するとよいでしょう。

4. 場所は、人によって、違う

どの高値・安値を、意識するかは、人によって、違います。多くの参加者が、同じ場所を、意識しているとは、限りません。

5. ブローカーによって、チャートが違う

ヒゲの出方は、ブローカーによって、違うことが、あります。あるチャートで、見えた「ストップ狩り」が、別のチャートでは、見えない場合が、あります。

6. ダマシ・負けが、続くことがある

たとえば、ヒゲを、狙った売りが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

7. 足が確定するまで、分からない

足の途中では、水準を超えて、戻ったように見えても、確定する前に、再び超えることが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

「流動性がある場所で、必ず、狩られる」と考える

注文が集まる、と考えられる場所は、あくまで、推測です。水準を、超えても、戻らないことは、あります。

ヒゲの途中で、先回りして、逆張りする

ヒゲの途中では、「ヒゲ」か「ブレイクアウト」か、分かりません。足が確定して、水準の内側に、戻ったことを、確認しましょう。

「大口が狙っている」と、決めつける

大口が、意図的に、動かしているかは、確認できません。事実は、価格が、動いたことだけです。

損切りを、ギリギリに置く

はっきりした、高値・安値の、すぐ外側に、損切りを置くと、一時的な、動きで、巻き込まれやすくなります。損切り幅と、ロットを、合わせて、考えましょう。

検証せずに、使う

「流動性を意識すると、ダマシを避けられる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • 流動性は、SMC・ICTで、「ストップ注文などが、集まっている、と考えられる場所」を、指す。ストップ狩りは、価格が、そこまで動いた後、反対へ動く、という見方
  • ほぼ同じ高値・安値、前日・前週の高値・安値、切りのよい数字などが、集まりやすい、と考えられる場所
  • FXでは、注文は、見えない。ストップ狩りは、仮説で、意図的かどうかは、確認できない
  • 例では、高値150.00円を、18pips超えて、ヒゲをつけ、押し戻された。指値(6.9)、高値の内側に戻って確定(1.9)、安値を割ったのを確認(0.6)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 損益分岐の勝率は、リスクリワード比6.9で約12.7%、1.9で約34.5%、0.6で約62.5%(スプレッド除く)
  • 超えた後に、戻らず、伸びることも多い。足が確定するまで、分からない
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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