FVG(フェアバリューギャップ)とは?3本の足にできる、価格の空白

目次

FVGとは

FVG(エフブイジー)とは、フェアバリューギャップ(Fair Value Gap)の略で、スマートマネー系(SMC・ICT)の手法で使われる言葉です。連続する3本のローソク足のうち、1本目の高値(安値)と、3本目の安値(高値)の間に、2本目の足の勢いで、できた「価格の空白」を、指します。「インバランス(Imbalance)」や「インエフィシェンシー(Inefficiency)」と、ほぼ同じ意味で、使われることも、あります(呼び方は、解説書によって違います)。

「勢いの強い動きで、取引が、片側に偏った場所には、価格が、再び戻ってきて、空白を、埋めやすい」と、説明されることが、ありますが、これは、考え方(仮説)で、必ず、そうなるわけでは、ありません。

ICT(Inner Circle Trader)と呼ばれる、トレーダーの、考え方を、もとに、広まった手法、とされています(出典により、説明は違います)。学術的に、確立された理論では、なく、主に、個人トレーダーの間で、使われている考え方です。

上昇のFVG(買い側)
 足1の高値 < 足3の安値 のとき、その間(足1の高値 〜 足3の安値)がFVG
下降のFVG(売り側)
 足1の安値 > 足3の高値 のとき、その間(足3の高値 〜 足1の安値)がFVG

上の図は、上昇のFVGの例です。足1の高値は149.55円、足2は、大きな陽線、足3の安値は149.80円で、足1の高値と、足3の安値の間(149.55〜149.80円)に、どの足の、値幅も、かかっていない、空白が、できています。その後、価格が、この空白の上端付近まで、戻ってきて、反発しています。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。

窓(ギャップ)との違い

「窓」は、前の足の、終値と、次の足の、始値の間に、価格の、とびができる、ことを、指します。FXでは、主に、週末をまたいだときに、できます。FVGは、足と足の間の、とびではなく、「3本の足の、ヒゲも含めた値幅が、重ならない部分」です。平日の、通常の相場でも、できます。窓については、別の記事で解説しています。

窓(ギャップ)FVG
できる場所足と足の間(終値と始値)3本の足の間(1本目と3本目の、値幅の間)
できるとき主に、週末をまたいだとき勢いの強い、動きのとき(平日でも)
足の値幅間に、足が、ない間に、2本目の足が、ある

FVGの、判断の条件

FVGを、どう判断するかは、解説書によって、違います。よく紹介される、条件は、次のとおりです。

条件内容
3本の足連続する3本の足で判定する
空白の、存在足1の高値(安値)と、足3の安値(高値)が、重ならない
足2の勢い足2が、大きな実体を持つ(強い動き)
空白の、大きさ一定以上の大きさ(基準は、決まっていない)
未反応(未使用)まだ、価格が、その空白に、戻ってきていない

空白の大きさに、決まった基準は、ありません。小さな空白は、頻繁に、できるため、一定以上の大きさだけを、使う、という考え方が、あります。

計算例

FVGの大きさ

例の3本の足は、次のとおりです(例の数値です)。

足始値高値安値終値
足1149.40円149.55円149.35円149.50円
足2149.50円150.10円149.48円150.05円
足3150.05円150.20円149.80円150.15円
FVG = 足3の安値 − 足1の高値 = 149.80 − 149.55 = 0.25円(25pips)
FVGの中間 = (149.55 + 149.80)÷ 2 = 149.675円 ≒ 149.68円
足2の値幅 = 150.10 − 149.48 = 0.62円(62pips)
足2の実体 = 150.05 − 149.50 = 0.55円(55pips)

**平均的な値動きの大きさ(ATR)が、0.25円(25pips)**だった場合、

FVG ÷ ATR = 0.25 ÷ 0.25 = 1.0
足2の値幅 ÷ ATR = 0.62 ÷ 0.25 ≒ 2.5

FVGは、ATRの1.0倍、足2の値幅は、ATRの2.5倍です。「ATRの0.5倍以上を、FVGとする」といった、基準を、事前に、決めておくと、小さな空白を、除けます(この基準は、例です。決まった基準は、ありません)。ATRについては、別の記事で解説しています。

空白が、埋まった割合

価格が、戻ってきて、空白の、どこまで、入ったかを、数値で、確認します(例の数値です)。

空白:149.55〜149.80円(25pips)
戻ってきた安値:149.77円
入った深さ = 149.80 − 149.77 = 0.03円(3pips)
埋まった割合 = 3 ÷ 25 = 12 %

この例では、空白の、上端から、3pips(12%)だけ入って、反発しました。空白を、完全に埋めてから、動く場合や、まったく、戻らない場合も、あります。

他の分析との違い

FVGオーダーブロック水平線のサポート・レジスタンス
見るもの3本の足の、値幅の空白強い動きの直前の、逆向きの足何度も反応した水準
起点強い動きの、途中強い動きの、直前過去の、複数回の反応
範囲足1と足3の間1本の足の範囲線(または帯)
特徴「空白が、埋まる」ことを、考える「起点に、戻る」ことを、考える反応の履歴を、見る

オーダーブロックは、別の記事で解説しています。FVGと、オーダーブロックは、強い動きの、前後に、できるため、一緒に、見られることが、あります。

基本の使い方

1. 強い動きを、確認する

大きな実体の足(足2)が、できたあと、足1の高値(安値)と、足3の安値(高値)が、重ならないことを、確認します。

2. 空白の範囲を、決める

空白の、上端・下端・中間を、決め、チャートに、マークします。

3. 価格が、戻ってくるのを、待つ

価格が、空白に、戻ってくるかを、待ちます。戻ってこない場合は、エントリーできません。

4. 反応を確認する

空白に、入ったときの、ローソク足の、反応を、確認します。空白を、完全に、通り抜ける場合は、FVGが、機能しなかった、と考えます。

5. 損切りと、目標を決める

損切りは、空白の、外側(上昇のFVGなら、下)に、置く考え方が、あります。目標は、直前の高値(安値)などと、する考え方が、あります。

計算例:上昇のFVGに戻ってきたとき

空白の、上端は149.80円、中間は149.68円、下端は149.55円とします(例の数値です)。損切りは、空白の下端の10pips下の149.45円、利益確定は、その後の高値150.55円(例の数値)とします。

空白の上端(149.80円)に、指値で買う場合

エントリー 149.80円、損切り 149.45円、利確 150.55円
リスク   = 149.80 − 149.45 = 0.35円(35pips)
リワード = 150.55 − 149.80 = 0.75円(75pips)
リスクリワード比 = 75 ÷ 35 ≒ 2.1

空白の中で、陽線が確定した足の終値(149.90円)で買う場合

エントリー 149.90円、損切り 149.45円、利確 150.55円
リスク   = 149.90 − 149.45 = 0.45円(45pips)
リワード = 150.55 − 149.90 = 0.65円(65pips)
リスクリワード比 = 65 ÷ 45 ≒ 1.4

反発が進んだことを確認した後の、150.15円で買う場合

エントリー 150.15円、損切り 149.45円、利確 150.55円
リスク   = 150.15 − 149.45 = 0.70円(70pips)
リワード = 150.55 − 150.15 = 0.40円(40pips)
リスクリワード比 = 40 ÷ 70 ≒ 0.6
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比損益分岐の勝率
空白の上端(指値)149.80円35pips75pips2.1約32.3%
空白内で反発を確認149.90円45pips65pips1.4約41.7%
反発が進んだのを確認150.15円70pips40pips0.6約62.5%
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + リスクリワード比)
リスクリワード比 2.1 → 1 ÷ 3.1 ≒ 32.3 %
リスクリワード比 1.4 → 1 ÷ 2.4 ≒ 41.7 %
リスクリワード比 0.6 → 1 ÷ 1.6 ≒ 62.5 %

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格が、空白まで戻らず、エントリーできないことも、あります。空白の中間(149.68円)に、指値を置くと、リスクリワード比は、約3.8(リスク23pips、リワード87pips)ですが、そこまで、戻らずに、反発する場面も、増えます。空白を、通り抜けて、損切りに、かかることも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、1を下回るときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。

注意点

1. 戻ってこないことが、多い

勢いの強い動きの後、価格が、空白に、戻らずに、そのまま、動き続けることが、あります。戻ってくるのを、待つ間に、機会を逃すことも、あります。

2. 戻ってきても、反応するとは、限らない

空白に、戻ってきても、反発せずに、通り抜けることが、あります。「埋まる」ことを、保証するものでは、ありません。

3. 小さな空白は、数多くできる

小さな空白は、頻繁に、できます。すべてが、意味を持つわけでは、ありません。一定以上の大きさだけを、使う、などの基準を、事前に、決めておく必要が、あります。

4. 判断の基準が、解説によって違う

空白の範囲(ヒゲを含めるか)、足2の勢いの基準、中間の使い方などは、解説書によって、異なります。使う基準を、決めて、後から、変えないようにしましょう。

5. ブローカーによって、足の高値・安値が違う

ブローカーによって、レートが違うため、足1の高値や、足3の安値が、微妙に、違うことが、あります。小さな空白は、ブローカーによって、できたり、できなかったり、することが、あります。

6. ダマシ・負けが、続くことがある

たとえば、FVGでの買いが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

7. 足が確定するまで、分からない

足3が、確定するまで、FVGは、確定しません。足の途中では、空白が、できているように見えても、確定する前に、埋まることが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。

初心者が間違えやすいポイント

「空白は、必ず埋まる」と考える

空白に、戻らないことも、通り抜けることも、あります。損切りを、先に、決めておきましょう。

窓(ギャップ)と、混同する

窓は、足と足の間の、とびです。FVGは、3本の足の、値幅の間の、空白で、足2が、間に、あります。

小さな空白まで、すべて使う

小さな空白は、頻繁に、できるため、すべて使うと、根拠が、薄くなります。一定以上の大きさを、基準にしましょう。

戻ってきたら、すぐ、エントリーする

空白に、入った瞬間に、買うと、そのまま、通り抜ける場合に、損失が、広がります。反発の形を、確認しましょう。

検証せずに、使う

「FVGは、よく埋まる」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • FVGは、3本の足で、足1の高値(安値)と、足3の安値(高値)の間に、足2の勢いで、できた、価格の空白。「インバランス」とも呼ばれる
  • 窓とは、違い、足と足の間の、とびではなく、3本の足の値幅の、重ならない部分
  • 例では、足1の高値149.55円、足3の安値149.80円で、FVGは25pips(ATRの1.0倍)。中間は149.68円
  • 例では、空白の上端の指値(2.1)、空白内で反発を確認(1.4)、反発が進んだのを確認(0.6)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 損益分岐の勝率は、リスクリワード比2.1で約32.3%、1.4で約41.7%、0.6で約62.5%(スプレッド除く)
  • 戻らないことも、通り抜けることも多く、小さな空白は、数多くできる
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

目次