ピボットポイントとは?計算方法・見方・使い方

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ピボットポイントとは

ピボットポイントとは、前日(または前週・前月)の「高値・安値・終値」から、当日の「サポート・レジスタンスの目安となる水準」を、計算で求める、サポレジ系のテクニカル指標です。「ピボット(Pivot)」は「軸」「回転軸」という意味で、計算の中心となる「P」が、その日の相場の軸と、考えられます。もともと、取引所のフロアで、売買をしていた、場立ち(フロアトレーダー)が、使い始めたものとして、知られています。その日のうちに、価格がどこで反応しやすいかを、朝のうちに、数字で用意できるのが、特徴です。

水準意味
P(ピボット)その日の「軸」。価格が、Pの上か下かで、強弱を見る
R1・R2・R3上値の目安(レジスタンス)
S1・S2・S3下値の目安(サポート)

計算方法

一般的な(標準の)ピボットポイントの計算式は、次のとおりです。

P  = (前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値)÷ 3

R1 = 2 × P − 前日の安値
S1 = 2 × P − 前日の高値

R2 = P + (前日の高値 − 前日の安値)
S2 = P − (前日の高値 − 前日の安値)

R3 = 前日の高値 + 2 × (P − 前日の安値)
S3 = 前日の安値 − 2 × (前日の高値 − P)

計算例:前日の値から、各水準を計算する

前日の高値151.20円、安値150.20円、終値150.90円とします(例の数値です)。

P  = (151.20 + 150.20 + 150.90)÷ 3 = 452.30 ÷ 3 ≒ 150.77円

R1 = 2 × 150.7667 − 150.20 = 301.5333 − 150.20 ≒ 151.33円
S1 = 2 × 150.7667 − 151.20 = 301.5333 − 151.20 ≒ 150.33円

R2 = 150.7667 + (151.20 − 150.20) = 150.7667 + 1.00 ≒ 151.77円
S2 = 150.7667 − 1.00 ≒ 149.77円

R3 = 151.20 + 2 × (150.7667 − 150.20) = 151.20 + 1.1333 ≒ 152.33円
S3 = 150.20 − 2 × (151.20 − 150.7667) = 150.20 − 0.8667 ≒ 149.33円
水準価格Pからの距離
R3152.33円+ 157pips
R2151.77円+ 100pips
R1151.33円+ 57pips
P150.77円0
S1150.33円− 43pips
S2149.77円− 100pips
S3149.33円− 143pips

R2・S2は、前日の値幅(高値 − 安値 = 100pips)を、Pの上下に足し引きした位置で、Pから、ちょうど100pips離れます。一方、R1・S1は、前日の終値の位置によって、Pからの距離が、上下で変わります。この例では、終値が高値寄り(150.90円)のため、Pが高めになり、R1までは57pips、S1までは43pipsです。前日の値動きが大きいほど、水準の間隔は、広くなります。

ピボットポイントの見方

価格が、Pより上 = 強め(買い優勢)の目安
価格が、Pより下 = 弱め(売り優勢)の目安
R1・R2 = 上昇の目標、または、レジスタンス(上値抑え)
S1・S2 = 下落の目標、または、サポート(下支え)

価格が、R1やS1に近づくと、反応する(反発・反落する)ことも、そのまま抜けることも、あります。「抜けたら、次の水準(R2、S2)まで、動きやすい」と、見る考え方も、あります。

他の指標との違い

ピボットポイント移動平均線フィボナッチ・リトレースメント
水準の決まり方前日の高値・安値・終値から、計算直近N本の終値の平均選んだ高値・安値の、比率
水準の動きその日は、動かない(水平)足ごとに動く選んだ点が変わるまで、動かない
選ぶ要素(裁量)ほぼなし(計算で決まる)期間の設定起点・終点を、人が選ぶ
使われ方その日のサポレジ・目標方向の確認押し・戻りの目安

ピボットポイントには、計算式の違う種類(カマリラ、ウッディ、フィボナッチ、ディマークなど)が、あります。カマリラ・ピボットについては、別の記事で解説しています。フィボナッチ・リトレースメントについても、別の記事で解説しています。

使い方

1. その日の、売買の目安を、先に用意する

朝のうちに、P・R1・R2・S1・S2を引いておき、価格が近づいたとき、どう動くかを、見る、という使い方です。多くの参加者が、同じ水準を見ているため、意識されやすいと、考えられます(必ず、そうなるわけでは、ありません)。

2. 利益確定・損切りの目安にする

Pで買って、R1を、利益確定の目安にする、R1で買って、R2を目標にする、といった使い方です。

3. 相場の強弱を見る

価格が、Pより上で推移していれば、買い目線、下で推移していれば、売り目線、という、地合いの確認に使います。

計算例:Pでの押し目買いと、R1での利益確定

上の例(P = 150.77円、R1 = 151.33円)で、価格が、いったんR1付近まで上がったあと、Pまで押してきたとします。損切りは、Pの17pips下(150.60円)、利益確定は、R1(151.33円)とします。

P(150.77円)に、指値で買う場合

エントリー 150.77円、損切り 150.60円、利確 151.33円
リスク   = 150.77 − 150.60 = 0.17円(17pips)
リワード = 151.33 − 150.77 = 0.56円(56pips)
リスクリワード比 = 56 ÷ 17 ≒ 3.3

Pで反発した陽線が確定した終値(150.95円)で買う場合

エントリー 150.95円、損切り 150.60円、利確 151.33円
リスク   = 150.95 − 150.60 = 0.35円(35pips)
リワード = 151.33 − 150.95 = 0.38円(38pips)
リスクリワード比 = 38 ÷ 35 ≒ 1.1

Pの近くで買うと、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、Pの手前で反発すると、エントリーできません。反発を確認してから入るほうが、ダマシは減りやすい一方、リスクリワード比は、1.1まで下がります。この場合は、目標を、R2まで広げるか、見送る判断も、必要です。また、Pを割り込むと、損切りになります。水準は、その日は動きませんが、翌日には、新しい水準に、更新されるため、前日の水準と、混同しないようにしましょう。

注意点

1. 「1日の区切り」で、水準が変わる

FXは、ほぼ24時間取引のため、「前日」の区切りが、何時なのかで、前日の高値・安値・終値が、変わります。一般的には、ニューヨーククローズ(米東部時間の17時)を、1日の区切りとすることが、多いですが、業者のチャートは、サーバー時間(GMT+2・+3など)で、区切っていることが、あります。区切りが違うと、ピボットポイントの水準も変わるため、自分が使うチャートの、区切りを確認しましょう。

2. 反応する保証はない

水準は、計算で出た「目安」で、価格が、そこで必ず止まるわけでは、ありません。あっさり抜けることも、手前で反転することも、あります。

たとえば、水準での逆張りが、水準を抜けて、平均20pipsの損失になる場面が、4回続くと、合計80pipsの損失です。その後の1回の利益が、100pipsなら、合計は+20pips、60pipsなら、合計は−20pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

3. トレンドが強い日は、水準を、次々と抜ける

一方向に、強く動く日は、R1・R2・R3(または、S1・S2・S3)を、次々と抜けていくことが、あります。水準で、逆張りをすると、損失が広がりやすいため、その日の地合いを、先に確認しましょう。

4. 前日の値動きが、小さすぎる(大きすぎる)と、使いにくい

前日の値幅が、極端に小さいと、水準の間隔が、狭くなり、水準が密集します。逆に、極端に大きいと、水準が、遠すぎて、当日の値動きには、届かないことが、あります。

5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意

急変動で、水準を、一気に突き抜けることが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。

6. 足が確定するまで、分からない

進行中の足は、水準を抜けたように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。

初心者が間違えやすいポイント

水準に触れたら、必ず反転すると考える

ピボットポイントは、「意識されやすい目安」で、必ず、そこで反転するものでは、ありません。

前日の計算式を、そのまま翌日も使う

水準は、毎日、前日の値で、計算し直します。昨日の水準を、今日も使い続けると、意味がなくなります。

1日の区切りを、確認しない

チャートによって、区切りの時刻が違い、水準が変わります。同じ水準を見ているつもりが、別の水準になっていることが、あります。

水準が多すぎて、判断が散らかる

P・R1〜R3・S1〜S3の7本すべてを、使うと、線だらけになります。まずは、P・R1・S1・R2・S2に、絞るなど、使う水準を、先に決めておくことが、大切です。

検証せずに、使う

「ピボットで逆張りすれば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • ピボットポイントは、前日の高値・安値・終値から、当日のサポート・レジスタンスの目安を、計算で求める指標。P(軸)と、R1〜R3(上値)、S1〜S3(下値)
  • P = (高値 + 安値 + 終値)÷ 3。R1 = 2P − 安値。S1 = 2P − 高値。R2 = P + (高値 − 安値)。S2 = P − (高値 − 安値)
  • 例(高値151.20円・安値150.20円・終値150.90円)では、P = 150.77円、R1 = 151.33円、S1 = 150.33円、R2 = 151.77円、S2 = 149.77円
  • その日の売買の目安、利確・損切りの目安、地合いの強弱の確認に使う。Pでの押し目買いでは、指値のほうがリスクリワード比は良くなるが、エントリーできないこともある
  • 「1日の区切り」で、水準が変わる。反応する保証はなく、トレンドが強い日は、次々と抜ける
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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