ジグザグ(ZigZag)とは?計算方法・見方・使い方

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ジグザグとは

ジグザグ(ZigZag)とは、一定以上の値幅(または割合)で反転した高値・安値だけを選んで、直線でつなぎ、小さな値動きを省いて、大きな波の形を見やすくする、ライン系のテクニカル指標です。価格の方向を「予測」する指標ではなく、過去の値動きから、「波」を取り出す道具として、使われます。高値と安値を、交互に結んだ折れ線になるため、ダウ理論の「高値・安値の切り上げ・切り下げ」を、確認しやすいのが、特徴です。

内容
表示高値と安値を、交互につないだ折れ線
反転幅(しきい値)これ以上の反転があって初めて、高値・安値を確定する
省かれるものしきい値より小さな上下の動き(ノイズ)
主な用途波の形の把握、高値・安値の特定、他の分析の補助

計算方法

1. 起点から、価格が上がっている間は、最高値を更新し続ける(「仮の高値」)
2. 仮の高値から、しきい値以上、下がったら、その高値を「確定」する
   → 方向が反転し、今度は、最安値を更新し続ける(「仮の安値」)
3. 仮の安値から、しきい値以上、上がったら、その安値を「確定」する
4. これを繰り返し、確定した点を、直線でつなぐ

しきい値には、「○pips」「○%」、または「ATRの○倍」のような、決め方があります。ATRについては、別の記事で解説しています。FXでは、通貨ペアによって、値動きの大きさが違うため、固定のpipsではなく、ATRの倍数などで、決める考え方も、あります。

MT4・MT5の標準のジグザグでは、「Depth(深さ)」「Deviation(逸脱)」「Backstep(戻し)」という3つの設定で、同じ考え方を、実現しています。ソフトによって、名称や計算が異なるため、自分が使うソフトの説明を、確認しましょう。

計算例:しきい値50pipsで、高値・安値を確定する

しきい値は50pips(0.50円)とします。起点の安値は150.00円で、そのあとの高値・安値は、次のとおりです(例の数値です)。

順値動き判定
1150.00円から上昇し、150.80円まで上がる仮の高値 = 150.80円
2150.40円まで下がる(150.80円から−40pips)40pips < 50pips。確定しない
3再び上がり、150.95円まで上がる仮の高値が、150.95円に更新される
4150.40円まで下がる(150.95円から−55pips)55pips ≧ 50pips。150.95円を、高値として確定
5150.90円まで上がる(150.40円から+50pips)50pips ≧ 50pips。150.40円を、安値として確定
順2:150.80 − 150.40 = 0.40円(40pips)→ しきい値に届かない
    → 150.80円は、まだ高値ではない
順3:150.95円で、仮の高値が更新される
    → 順1の「150.80円」は、取り消される
順4:150.95 − 150.40 = 0.55円(55pips)→ 確定
順5:150.90 − 150.40 = 0.50円(50pips)→ 確定

順2の時点では、「150.80円が高値」に見えますが、その後、150.95円まで上がったため、取り消されました。高値・安値は、反転幅がしきい値に届くまで、確定しません。確定したときには、すでに、反転が、しきい値の分だけ進んでいます。この遅れが、ジグザグの最大の注意点です。

見方

高値が切り上がり、安値も切り上がる = 上昇トレンド(ダウ理論)
高値が切り下がり、安値も切り下がる = 下降トレンド(ダウ理論)
高値は切り上がるが、安値は切り下がる、またはその逆 = 方向が定まらない

ジグザグの折れ線の、各頂点を比べることで、高値・安値の切り上げ・切り下げを、機械的に確認できます。ダウ理論については、別の記事で解説しています。

他の指標との違い

ジグザグフラクタルドンチャンチャネル
見るものしきい値以上の反転の、高値・安値前後N本より高い(低い)高値(安値)N本の最高値・最安値
確定の条件反転幅(値幅)前後の本数(時間)なし(常に更新)
確定の遅れ反転がしきい値に達するまで後ろのN本が出るまで遅れはない
表示折れ線矢印・点3本の線

フラクタル、ドンチャンチャネルについては、別の記事で解説しています。

使い方

1. 波の形を整理する

小さな上下を省いて、大きな波だけを見ることで、トレンドの方向や、高値・安値の位置を、整理しやすくなります。目で見て、波を数えるときの、補助に使われます。

2. 他の分析の「起点」を決める

フィボナッチ・リトレースメントや、波動論(N計算・V計算・E計算)で、A・B・Cの点を選ぶとき、ジグザグの頂点を使うと、選び方に、一定のルールを持たせられます。波動論、フィボナッチについては、別の記事で解説しています。

3. 損切り・目標の位置を決める

確定した安値の少し下を損切り、直前の高値を目標にする、といった使い方です。

計算例:確定した安値からの押し目買い

ジグザグで、150.40円の安値が確定し(150.90円まで反発したとき)、前の高値は151.40円とします。損切りは、確定した安値(150.40円)の5pips下(150.35円)、利益確定は、前の高値(151.40円)とします。

安値が確定した足の価格(150.90円)で買う場合

エントリー 150.90円、損切り 150.35円、利確 151.40円
リスク   = 150.90 − 150.35 = 0.55円(55pips)
リワード = 151.40 − 150.90 = 0.50円(50pips)
リスクリワード比 = 50 ÷ 55 ≒ 0.9

150.60円まで押したところで、指値で買う場合

エントリー 150.60円、損切り 150.35円、利確 151.40円
リスク   = 150.60 − 150.35 = 0.25円(25pips)
リワード = 151.40 − 150.60 = 0.80円(80pips)
リスクリワード比 = 80 ÷ 25 = 3.2

確定した足で入ると、安値からすでに50pips上がっており、損切りが遠いため、リスクリワード比は1を下回ります。この場合は、目標を、さらに先に広げるか、見送る判断も、必要です。押しを待てば、リスクリワード比は良くなりますが、押さずに上がると、エントリーできません(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。また、150.35円を割ると、損切りになります。ジグザグの頂点は、足が進むごとに、取り消されることがあるため、損切りや目標の位置は、見直す必要があります。

注意点

1. 確定が遅い

高値・安値は、しきい値分の反転が出てから、確定します。例では、150.95円の高値が確定したのは、55pips下がったときです。ジグザグは、「波を、後から整理する」道具で、「天井・底を、予測する」道具では、ありません。

2. 最後の区間は、変わる(リペイント)

一番新しい区間(図の点線)は、まだ確定しておらず、価格の動きによって、頂点が動いたり、消えたりします。これを「リペイント」と呼びます。過去の確定した部分も、ソフトの設定や、データの範囲によって、描き直される場合が、あります。

3. 過去のチャートで、きれいに見えすぎる

後から見ると、頂点が、きれいに高値・安値に当たっており、「ここで買えば、利益になった」ように見えます。実際の取引では、確定までに時間がかかるため、同じ点では、入れません。検証するときは、「確定した時点以降」の価格で、判断する必要があります。

4. しきい値で、形が変わる

しきい値を小さくすると、頂点が増えて、細かい波まで拾い、大きくすると、頂点が減って、大きな波だけが残ります。どの値が最適かは、通貨ペア・時間足で変わります。他人のチャートと、そのまま比べないようにしましょう。

5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意

急変動で、一気にしきい値を超え、高値・安値が確定することが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。

6. 足が確定するまで、分からない

進行中の足で、しきい値に達したように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。

初心者が間違えやすいポイント

ジグザグの頂点で、反転を予測する

頂点は、反転した「後」に、分かるものです。今の足が、頂点になるかは、分かりません。

過去チャートの頂点を見て、「簡単に当てられる」と考える

過去に描かれた頂点は、すべて、後から決まったものです。リアルタイムでは、見えないことを、理解しておきましょう。

最後の区間を、確定したものとして扱う

一番新しい区間は、動くことが、あります。確定した部分と、分けて考えましょう。

設定を、頻繁に変える

結果が悪いたびに、しきい値を変えると、過去のチャートに合わせただけになり、将来には通用しにくくなります。

検証せずに、使う

「ジグザグの頂点で、売買すれば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • ジグザグは、一定以上の反転があった高値・安値だけを直線でつなぎ、小さな動きを省いて、波の形を見やすくする指標
  • しきい値(○pips・○%・ATRの○倍)以上の反転で、高値・安値を確定する
  • 例(しきい値50pips)では、150.95円の高値は、55pips下がったとき、150.40円の安値は、50pips上がったときに確定する
  • 高値・安値の切り上げ・切り下げの確認、フィボナッチや波動論の起点選び、損切り・目標の位置決めに使う
  • 確定した足で買うとリスクリワード比は1を下回ることもあり、押しを待つと良くなるが、エントリーできないこともある
  • 確定が遅く、最後の区間は変わる(リペイント)。過去チャートは、きれいに見えすぎる
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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