パーフェクトオーダーとは
パーフェクトオーダーとは、期間の異なる3本以上の移動平均線が、短期・中期・長期の順にきれいに並び、すべて同じ方向を向いている状態のことです。トレンドが、はっきりと出ていることを示す形として、よく使われます。日本で広く使われる呼び方で、海外では、移動平均線の整列(アライメント)などと呼ばれることがあります。移動平均線(SMA)については、別の記事で解説しています。
| 上昇のパーフェクトオーダー | 下降のパーフェクトオーダー | |
|---|---|---|
| 上から下への並び | 価格 > 短期線 > 中期線 > 長期線 | 長期線 > 中期線 > 短期線 > 価格 |
| 向き | すべて右上がり | すべて右下がり |
| 意味 | 上昇トレンドが、はっきり出ている | 下降トレンドが、はっきり出ている |

よく使われる組み合わせは、次のとおりです。
| 組み合わせ | 特徴 |
|---|---|
| 5本・25本・75本 | 日本の日足で、よく使われる |
| 20本・50本・200本 | 世界的によく使われる |
| 10本・20本・50本 | 短めの組み合わせ。サインが早く、ダマシも多い |
どの組み合わせが最適かは、通貨ペア・時間足・相場の状況で変わります。決まった正解はありません。
パーフェクトオーダーが示すこと
短期線が、長期線より上に並ぶ = 直近の平均が、長い期間の平均より高い
中期線も、その間に並ぶ = どの期間で見ても、上昇の方向が同じ
すべてが右上がり = 平均価格が、どの期間でも上がり続けている
複数の期間で、同じ方向を向いていることは、短期の上下だけでなく、中期・長期でも、同じ流れが続いていることを表します。そのため、パーフェクトオーダーは、トレンドが成熟している(はっきり出ている)確認として、使われます。
パーフェクトオーダーの条件
| 項目 | 目安の例 |
|---|---|
| 並びの順番 | 上昇なら、価格 > 短期線 > 中期線 > 長期線 |
| 向き | 3本すべてが、右上がり(または右下がり) |
| 傾きの確認 | 現在の値が、数本前の値より高い(低い) |
| 維持 | 数本以上、並びが崩れていない |
計算例:上昇のパーフェクトオーダーの判定
日足で、5SMA・25SMA・75SMAの値が、次のとおりでした。
| 現在 | 5本前 | 5本での変化 | |
|---|---|---|---|
| 価格(終値) | 150.80円 | — | — |
| 5SMA(短期線) | 150.72円 | 150.55円 | +17pips(右上がり) |
| 25SMA(中期線) | 150.45円 | 150.38円 | +7pips(右上がり) |
| 75SMA(長期線) | 150.10円 | 150.06円 | +4pips(右上がり) |
【並び】
価格 150.80 > 5SMA 150.72 > 25SMA 150.45 > 75SMA 150.10 → 順番どおり
【向き】
5SMA :150.72 − 150.55 = +0.17円(右上がり)
25SMA :150.45 − 150.38 = +0.07円(右上がり)
75SMA :150.10 − 150.06 = +0.04円(右上がり)
【線と線の間隔】
5SMA − 25SMA = 150.72 − 150.45 = 0.27円(27pips)
25SMA − 75SMA = 150.45 − 150.10 = 0.35円(35pips)
並びが順番どおりで、3本とも右上がりのため、上昇のパーフェクトオーダーと判定できます。「5本前」や、傾きの基準は、あくまで一例です。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
線の間隔で、段階を見る
パーフェクトオーダーは、「並んでいるか」だけでなく、「線の間隔」でも、段階が分かります。
| 段階 | 線の間隔 | 見方 |
|---|---|---|
| ① 形成の初期 | 狭い(5〜25の間隔が、10pips以下など) | 並びができ始めた。トレンドの初動の可能性 |
| ② 成熟 | 広い(間隔が、最も大きい) | トレンドが、はっきり出ている |
| ③ 終盤 | 間隔が、狭まり始める | 勢いが衰えている。並びが崩れる前兆 |
間隔の数値は、あくまで例です。通貨ペアや時間足によって、基準は変わります。図の中でも、並びが形成された直後は、間隔が狭く、トレンドが進むにつれて広がり、終わりに近づくと、狭まっています。
他の見方との違い
| パーフェクトオーダー | ゴールデンクロス | 傾きの確認 | |
|---|---|---|---|
| 見るもの | 3本以上の並びと向き | 2本の交差 | 1本の向き |
| サインの種類 | 「トレンドがある」状態の確認 | 「変わった」瞬間のサイン | トレンドの有無の目安 |
| 遅れ | 大きい | 大きい | 小さい |
| 向いている使い方 | 順張りの方向の確認、押し目を探す環境 | 転換・開始の確認 | レンジとトレンドの区別 |
ゴールデンクロス・デッドクロスは、「交差した瞬間」というサインです。パーフェクトオーダーは、「交差のあとに、トレンドが続いている状態」を、示します。ゴールデンクロスとデッドクロスについては、別の記事で解説しています。
使い方
1. 順張りの方向を決める
上昇のパーフェクトオーダーなら、買い目線のみ、下降のパーフェクトオーダーなら、売り目線のみ、という使い方があります。並びが崩れているときは、取引を控える考え方です。
2. 押し目・戻りを探す環境として使う
パーフェクトオーダーの中で、価格が中期線まで下がって、反発する場面を、押し目として見ます。押し目(プルバック)については、別の記事で解説しています。
計算例:パーフェクトオーダー中の押し目買い
上の例の上昇のパーフェクトオーダーで、価格が、25SMA(150.45円)の少し上の150.50円まで下がり、反発したとします。前回高値は151.30円です。損切りは、25SMAの10pips下(150.35円)、利益確定は前回高値(151.30円)とします。25SMAを割ると、「並びが崩れる」可能性が高まるためです。
150.50円に指値で買う場合
エントリー 150.50円、損切り 150.35円、利確 151.30円
リスク = 150.50 − 150.35 = 0.15円(15pips)
リワード = 151.30 − 150.50 = 0.80円(80pips)
リスクリワード比 = 80 ÷ 15 ≒ 5.3
反発の陽線が確定した終値(150.62円)で買う場合
エントリー 150.62円、損切り 150.35円、利確 151.30円
リスク = 150.62 − 150.35 = 0.27円(27pips)
リワード = 151.30 − 150.62 = 0.68円(68pips)
リスクリワード比 = 68 ÷ 27 ≒ 2.5
指値のほうが、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、25SMAの手前で反発すると、エントリーできません。また、損切り幅が小さく、価格が少し下がっただけで損切りになりやすい点にも注意します。反発を確認してから入るほうが、勝率は高くなりやすい一方、リスクリワード比は下がります。
3. 並びの崩れを、決済の目安にする
価格が中期線を終値で割る、短期線が中期線を割るなど、並びが崩れたことを、決済の目安にする方法があります。ただし、崩れた時点では、すでに価格が大きく戻っていることが多いです。
注意点
1. サインが、遅い
パーフェクトオーダーが完成するのは、トレンドが、ある程度進んだあとです。初動を捉える道具ではありません。
2. 成熟した段階では、すでに終盤のことがある
線の間隔が最も広がった状態は、トレンドが、はっきり出ている一方で、価格が、平均から大きく離れている状態でもあります。そこから新規で入ると、反動(押し・戻り)に当たりやすくなります。移動平均線乖離率については、別の記事で解説しています。
3. レンジでは、成立しない
価格が上下を繰り返すレンジでは、線が絡み合い、並びが成立しません。図の左側が、その例です。並んでいないときは、サインと見ないことが大切です。
4. 並びが崩れても、すぐに転換とは限らない
一時的な押しで、並びが崩れ、また元に戻ることも、あります。数本の足の動きだけで、判断しないようにしましょう。
5. 時間足で、意味が変わる
短い時間足のパーフェクトオーダーは、ノイズが多く、長い時間足のパーフェクトオーダーのほうが、意識されやすいと考えられます。上位足の方向と、そろっているかも、確認しましょう。上位足については、別の記事で解説しています。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、並びが成立しているように見えても、確定までに崩れることがあります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
並んだら、必ず続くと考える
パーフェクトオーダーは、「今、トレンドがある」ことを示すだけで、続く保証ではありません。
並んだ直後に、飛びつく
すでに大きく動いたあとで、損切りが遠く、リスクリワード比が悪くなりがちです。押しを待つ考え方も、検討しましょう。
向きを確認しない
並びだけで、傾きが横ばいの場合は、トレンドとは言えません。3本とも、同じ方向を向いているかを、確認しましょう。
期間を、頻繁に変える
結果が悪いたびに、期間を変えると、過去のチャートに合わせただけになり、将来には通用しにくくなります。
検証せずに、使う
「パーフェクトオーダーで順張りすれば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- パーフェクトオーダーは、短期・中期・長期の移動平均線が、順番どおりに並び、すべて同じ方向を向いている状態。上昇なら、価格 > 短期線 > 中期線 > 長期線で、すべて右上がり
- トレンドがはっきり出ていることの確認に使う。初動を捉える道具ではない
- 線の間隔の広がり・狭まりで、形成・成熟・終盤の段階を見る
- 押し目を探す環境として使う。指値のほうがリスクリワード比は良くなるが、エントリーできないこともある
- レンジでは、並びが成立しない。並びが崩れても、すぐに転換とは限らない
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
