オーダーブロックとは
オーダーブロックとは、スマートマネー系(SMC・ICT)の手法で使われる言葉で、強い動きが、始まる直前の、最後の、逆向きのローソク足(の範囲)を、指します。英語では、「Order Block(オーダー・ブロック)」、略して「OB」と呼ばれます。
強い上昇の直前の最後の陰線が「買いのオーダーブロック」、強い下落の直前の最後の陽線が「売りのオーダーブロック」です。「大口の参加者の注文が、そこに、残っていて、価格が戻ってきたときに、再び、反応しやすい」と、説明されることが、ありますが、これは、考え方(仮説)で、実際に、注文が、残っているかを、外部から、確認することは、できません。
ICT(Inner Circle Trader)と呼ばれる、トレーダーの、考え方を、もとに、広まった手法、とされています(出典により、説明は違います)。学術的に、確立された理論では、なく、主に、個人トレーダーの間で、使われている考え方です。流動性の考え方については、別の記事で解説しています。
買いのOB = 強い上昇の直前の、最後の陰線
売りのOB = 強い下落の直前の、最後の陽線
価格がそのOBの範囲に、戻ってきたとき、反応しやすい、と考える

上の図は、買いのオーダーブロックの例です。下落の最後の陰線(実体は149.30〜149.50円)の直後に、直前の高値(149.80円)を超える、強い上昇が、起きています。その後、価格は、陰線の範囲(橙の帯)の上端付近まで、戻ってきて、反発しています。この図は、説明のために作った例で、実際の相場が、このように、きれいに動くことは、少ないです。
オーダーブロックの、判断の条件
どの陰線(陽線)を、オーダーブロックと見るかは、解説書によって、違います。よく紹介される、条件は、次のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 逆向きの足 | 買いなら陰線、売りなら陽線(その動きの、直前の、最後の足) |
| 強い動き | その後に、勢いのある、動きが、続く(ディスプレイスメントと呼ばれることがある) |
| 直前の高値(安値)の更新 | 直前の高値(安値)を超える、構造の変化を、伴う(別の記事で解説しています) |
| 未反応(未使用) | 価格が、まだ、そのOBに、戻ってきていない |
条件を、満たす足は、チャート上に、数多く見つかります。「後から見て、強い動きの前の、最後の逆向きの足」を探すと、必ず、見つかるため、事前に、基準を、決めておく必要があります。
範囲の取り方
オーダーブロックの「範囲」を、どこまでと見るかにも、いくつかの考え方が、あります(解説書により、異なります)。
| 範囲の取り方 | 例の範囲 | 幅 |
|---|---|---|
| 実体(始値〜終値) | 149.30〜149.50円 | 20pips |
| ヒゲを含む全体(安値〜高値) | 149.25〜149.55円 | 30pips |
| 実体の50%(中間) | 149.40円 | — |
例の陰線:始値 149.50円、高値 149.55円、安値 149.25円、終値 149.30円
実体の幅 = 149.50 − 149.30 = 0.20円(20pips)
全体の幅 = 149.55 − 149.25 = 0.30円(30pips)
実体の50% = (149.50 + 149.30)÷ 2 = 149.40円
どの範囲を使うかで、エントリーや損切りの位置が、変わります。使う範囲を、決めて、後から、変えないようにしましょう。
計算例
強い動きの、大きさ
例の陰線(終値149.30円)の後、5本で、150.20円まで上昇した場合を、考えます(例の数値です)。平均的な値動きの大きさ(ATR)が、0.25円(25pips)だった場合、
上昇幅 = 150.20 − 149.30 = 0.90円(90pips)
上昇幅 ÷ ATR = 0.90 ÷ 0.25 = 3.6
直前の高値(149.80円)を超えた幅 = 150.20 − 149.80 = 0.40円(40pips)
上昇幅は、ATRの3.6倍で、直前の高値を、40pips超えています。「ATRの何倍以上が、強い動き」という、決まった基準は、ありません。ATRについては、別の記事で解説しています。
他の分析との違い
| オーダーブロック | 水平線のサポート・レジスタンス | 移動平均線 | |
|---|---|---|---|
| 見るもの | 強い動きの直前の、逆向きの足の、範囲 | 何度も、反応した、水準 | 平均の、動的な水準 |
| 水準の決め方 | 1本のローソク足から | 複数回の、反応から | 計算式から |
| 反応の回数 | 1回の動きが、起点 | 複数回の、反応が、根拠 | 常に表示される |
| 特徴 | 強い動きの起点を、見る | 反応の履歴を、見る | トレンドの方向を、見る |
サポート・レジスタンスや移動平均線は、別の記事で解説しています。オーダーブロックは、「1本の足」を、根拠にするため、複数回の、反応が、確認されている、水準よりも、根拠が、弱いという、見方も、あります。
基本の使い方
1. 強い動きと、構造の変化を、確認する
直前の高値(安値)を、超える、強い動きが、あったかを、確認します。
2. 起点の足を決める
その動きの直前の、最後の逆向きの足(買いなら陰線)を、探し、範囲を、決めます。
3. 価格が戻ってくるのを、待つ
価格が、オーダーブロックの範囲に、戻ってくるかを、待ちます。戻ってこない場合は、エントリーできません。
4. 反応を確認する
範囲に、入ったときの、ローソク足の、反応(反発の形)を、確認します。範囲を、大きく、割り込む場合は、オーダーブロックが、機能しなかった、と考えます。
5. 損切りと、目標を決める
損切りは、オーダーブロックの、外側(買いなら、下)に、置く考え方が、あります。目標は、強い動きの、高値(安値)などと、する考え方が、あります。
計算例:買いのオーダーブロックに戻ってきたとき
範囲の、上端(実体の上端)は149.50円、全体の安値は149.25円、強い動きの高値は150.20円とします(例の数値です)。損切りは、全体の安値の5pips下の149.20円、利益確定は、150.20円とします。
範囲の、上端(149.50円)に、指値で買う場合
エントリー 149.50円、損切り 149.20円、利確 150.20円
リスク = 149.50 − 149.20 = 0.30円(30pips)
リワード = 150.20 − 149.50 = 0.70円(70pips)
リスクリワード比 = 70 ÷ 30 ≒ 2.3
範囲の中で、陽線が確定した足の終値(149.62円)で買う場合
エントリー 149.62円、損切り 149.20円、利確 150.20円
リスク = 149.62 − 149.20 = 0.42円(42pips)
リワード = 150.20 − 149.62 = 0.58円(58pips)
リスクリワード比 = 58 ÷ 42 ≒ 1.4
反発が進んだことを確認した後の、149.85円で買う場合
エントリー 149.85円、損切り 149.20円、利確 150.20円
リスク = 149.85 − 149.20 = 0.65円(65pips)
リワード = 150.20 − 149.85 = 0.35円(35pips)
リスクリワード比 = 35 ÷ 65 ≒ 0.5
| エントリー | 価格 | リスク | リワード | リスクリワード比 | 損益分岐の勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 範囲の上端(指値) | 149.50円 | 30pips | 70pips | 2.3 | 約30.3% |
| 範囲内で反発を確認 | 149.62円 | 42pips | 58pips | 1.4 | 約41.7% |
| 反発が進んだのを確認 | 149.85円 | 65pips | 35pips | 0.5 | 約66.7% |
損益分岐の勝率 = 1 ÷(1 + リスクリワード比)
リスクリワード比 2.3 → 1 ÷ 3.3 ≒ 30.3 %
リスクリワード比 1.4 → 1 ÷ 2.4 ≒ 41.7 %
リスクリワード比 0.5 → 1 ÷ 1.5 ≒ 66.7 %
確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。指値は、価格が、範囲に届かず、エントリーできないことも、あります。また、範囲の、中間(149.40円)で、指値を置くと、リスクリワード比は、約4.0(リスク20pips、リワード80pips)ですが、そこまで、戻らずに、反発して、エントリーできない場面も、増えます。範囲を、割り込んで、損切りに、かかることも、あります。確認が遅れて、リスクリワード比が、1を下回るときは、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。
注意点
1. 戻ってこないことが、多い
強い動きの後、価格が、オーダーブロックまで、戻らずに、そのまま、動き続けることが、あります。戻ってくるのを、待つ間に、機会を逃すことも、あります。
2. 戻ってきても、反応するとは、限らない
範囲に、戻ってきても、反発せずに、割り込むことが、あります。1本の足を、根拠にするため、根拠が、弱いと、考えられます。
3. 候補が多く、後から、決めやすい
強い動きの前の、逆向きの足は、数多く、あります。後から、「ここがオーダーブロックだった」と、当てはめることは、簡単です。事前に、基準(強い動きの大きさ、範囲の取り方)を、決めておく必要が、あります。
4. 範囲の取り方で、結果が変わる
実体か、全体かで、エントリーや、損切りの位置が、変わります。使う範囲を、決めておきましょう。
5. 一度触れたら、効力が弱まる、と見る考え方も、ある
一度、価格が、戻ってきて、反応した後は、効力が、弱まる、と見る考え方も、あります。ただし、2回目以降も、反応する場合もあり、決まった基準は、ありません。
6. ダマシ・負けが、続くことがある
たとえば、オーダーブロックでの買いが、損失40pipsで、5回続くと、合計−200pipsの損失です。その後の1回の利益が、250pipsなら、合計は+50pips、150pipsなら、合計は−50pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって、変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。
7. 足が確定するまで、分からない
足の途中では、範囲で、反発したように見えても、確定する前に、割り込むことが、あります。確定するまで、分からないことを、忘れないようにしましょう。
初心者が間違えやすいポイント
「逆向きの足は、必ずオーダーブロック」と考える
強い動きの、直前でなければ、オーダーブロックとは、言えません。動きの強さ、構造の変化を、確認しましょう。
「大口の注文が、そこにある」と、決めつける
大口の注文が、残っているかは、確認できません。事実は、過去に、そこから、強い動きが、始まったことだけです。
範囲を、1本のヒゲまで、含めて、広く取りすぎる
範囲を、広く取りすぎると、損切り幅が、広がり、リスクリワード比が、下がります。
戻ってきたら、すぐ、エントリーする
範囲に入った瞬間に、買うと、そのまま、割り込む場合に、損失が、広がります。反発の形を、確認しましょう。
検証せずに、使う
「オーダーブロックは、よく反応する」と聞いても、実際の成績は、通貨ペア・時間足・ルールの組み合わせで、変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- オーダーブロックは、SMC・ICTで、強い動きの直前の、最後の逆向きのローソク足(の範囲)を指す。買いなら陰線、売りなら陽線
- 条件は、強い動き、直前の高値(安値)の更新、未反応など(解説書により、異なる)。範囲は、実体、全体、50%など、取り方が、複数ある
- 例では、陰線(149.30〜149.50円)の後、5本で90pips上昇(ATRの3.6倍)し、直前の高値(149.80円)を超えた
- 例では、範囲の上端の指値(2.3)、範囲内で反発を確認(1.4)、反発が進んだのを確認(0.5)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
- 損益分岐の勝率は、リスクリワード比2.3で約30.3%、1.4で約41.7%、0.5で約66.7%(スプレッド除く)
- 戻ってこないことも、反応しないことも、多い。後から当てはめやすい
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。チャート分析の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
