並び赤・並び黒とは
並び赤とは、窓(ギャップ)を空けて上昇したあとに、同じような大きさの陽線が2本並ぶ形のことです。並び黒は、窓を空けて下落したあとに、同じような大きさの陰線が2本並ぶ形を指します。どちらも、窓を空けた方向への動きが続くことを示す、継続のサインとして、酒田五法の流れをくむ古いローソク足の読み方で知られています。英語では、並び赤をサイド・バイ・サイド・ホワイト・ライン(Side-by-Side White Lines)、並び黒をサイド・バイ・サイド・ブラック・ライン(Side-by-Side Black Lines)と言います。
| 名前 | 形 | 出る場所 | 示すこと |
|---|---|---|---|
| 並び赤 | 上方向の窓のあとに、陽線が2本並ぶ | 上昇トレンドの途中 | 窓が維持され、上昇が続く |
| 並び黒 | 下方向の窓のあとに、陰線が2本並ぶ | 下降トレンドの途中 | 窓が維持され、下降が続く |
赤は陽線、黒は陰線を指します(日本のチャートの伝統的な呼び方です)。
並び赤・並び黒が示すこと
【並び赤】
上昇が続く中で、窓を空けて上に飛ぶ
→ 窓のあとに、陽線が出る(1本目)
→ その次も、同じような大きさの陽線が出る(2本目)
→ 窓を埋められることなく、買いが続いた
| 読み取れること | 内容 |
|---|---|
| 窓の維持 | 窓の方向への動きが、押し戻されなかった |
| 買い(売り)の継続 | 窓のあとも、同じ方向の力が続いている |
| 窓の支持・抵抗 | 窓の位置が、サポート(並び黒ではレジスタンス)として意識されやすい |
窓を空けた直後は、窓を埋めるように戻されることが、よくあります。そのため、窓を維持したまま、同じ方向の足が続くことは、勢いの強さの現れとして見られます。窓については、別の記事で解説しています。
「窓」とは何か
窓とは、前の足の高値(または安値)と、次の足の安値(または高値)の間に、ローソク足が1本も描かれない空白ができることです。
| 窓の種類 | 内容 |
|---|---|
| 上方向の窓 | 前の足の高値より、次の足の安値が上 |
| 下方向の窓 | 前の足の安値より、次の足の高値が下 |
窓が空く原因は、週末をまたぐこと、重要な発表や発言などで価格が飛ぶことなどです。
並び赤・並び黒の条件
厳密な定義と、FXで使いやすい緩やかな定義があります。
| 厳密な定義 | FXでの緩やかな定義 | |
|---|---|---|
| 窓 | あり | あり |
| 2本の足 | 同じ色で、大きさが同じくらい | 同じ色で、大きさが同じくらい |
| 2本目の始値 | 1本目の始値と、ほぼ同じ | 1本目の終値付近(通常どおり) |
| 窓の状態 | 埋まっていない | 埋まっていない |
厳密な定義では、「2本目の始値が、1本目の始値とほぼ同じ」です。FXは、ほぼ24時間取引されているため、2本目の始値は、1本目の終値とほぼ同じになります。そのため、厳密な定義を満たす形は、FXでは、ほとんど出ません。
FXでは、「窓のあとに、同じ色で同じくらいの大きさの足が2本続き、窓が埋められていない」という形で、緩やかに判定するのが、実用的です。
計算例:並び赤の判定(緩やかな定義)
窓を空けて上に始まった週明けの、1時間足が、次の値だったとします。前の足(金曜の最終足)の高値は、150.30円でした。
| 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | |
|---|---|---|---|---|
| 1本目(陽線) | 150.65円 | 151.10円 | 150.62円 | 151.05円 |
| 2本目(陽線) | 151.04円 | 151.52円 | 151.00円 | 151.48円 |
窓の範囲 = 150.30 〜 150.62
窓の大きさ = 150.62 − 150.30 = 0.32円(32pips)
2本目の安値 = 151.00円 > 窓の上端(150.62円)
→ 窓は、埋められていない
1本目の実体 = 151.05 − 150.65 = 0.40円(40pips)
2本目の実体 = 151.48 − 151.04 = 0.44円(44pips)
2本目 ÷ 1本目 = 44 ÷ 40 = 1.10(110%)
窓(32pips)は、2本目の安値の時点でも、埋められていません。2本の実体の比は1.10で、「±30%以内なら、同じくらいの大きさ」という基準を満たすため、並び赤と判定できます。
「±30%以内」という基準は、あくまで一例です。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
強い並び赤・並び黒の特徴
| 要素 | 強い形の特徴 |
|---|---|
| 窓の大きさ | 大きい(窓を空けるほどの、強い動き) |
| 2本の足 | 実体が大きく、ヒゲが短い(勢いが一方向) |
| 窓の状態 | 窓が、大きく埋められていない |
| 直前の値動き | トレンドがはっきり続いている |
| 窓の理由 | トレンド方向の材料による窓 |
場所別の見方
| 場所 | 並び赤の見方 |
|---|---|
| 上昇トレンドの途中 | 上昇が続く可能性。最も典型的 |
| レジスタンスを窓で超えた直後 | ブレイクの勢いが続いている。ブレイクの確認になりうる |
| 上昇トレンドの高値圏 | すでに上昇が進んだあとの場合、過熱にも注意 |
| レンジの中央 | 意味が薄い |
並び黒は、上下を逆にして考えます。サポートライン・レジスタンスラインについては、別の記事で解説しています。
使い方
トレンドに乗る根拠として、使う
窓を空けたあとも、押し戻されなかったことの確認として使います。
窓の位置を、損切りの目安にする
窓が埋まる(価格が窓の中に戻る)と、「窓が維持されている」という前提が崩れます。窓の端は、損切りの目安になります。
計算例:並び赤のあとに、買う場合
上の例の並び赤が、上昇トレンドの途中で出たとします。2本目が確定した直後、終値の151.48円で買う場合です。直前の高値の上の目標を、153.30円とします。
| 項目 | 価格 | 値幅 |
|---|---|---|
| エントリー(買い) | 151.48円 | — |
| 損切り | 150.57円(1本目の安値の5pips下。窓の上端の下) | −91pips |
| 利益確定 | 153.30円 | +182pips |
リスク = 151.48 − 150.57 = 0.91円(91pips)
リワード = 153.30 − 151.48 = 1.82円(182pips)
リスクリワード比 = 182 ÷ 91 = 2.0
損切りは、窓の上端(1本目の安値)の少し下に置きます。窓が埋められると、並び赤の前提が崩れるためです(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
損切りが遠くなるため、取引量を抑えて、1回の損失を許容範囲に収めることが大切です。少し押したところを待つ、次の足の確認を待つといった考え方も、あります。
注意点
1. 並び赤・並び黒だけでは、判断できない
窓が維持されていることを示すだけで、継続の保証ではありません。場所・前後の足、次の足の動きとあわせて判断します。
2. 窓は、後から埋められることもある
窓が埋まるまで、時間がかかる場合もあります。窓が埋まったときは、見立てを見直す必要があります。
3. 窓の理由を、確認する
週末のニュースや、発表による窓は、その後の値動きにも影響します。窓の原因を、確認しましょう。
4. 厳密な定義の形は、FXではほとんど出ない
2本目の始値が、1本目の始値とそろう形は、FXでは、ほとんど見られません。緩やかな定義で使う場合は、検証で有効性を確かめることが大切です。
5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
発表で、一方向に急変した大きな足のあとは、その後に、再度動くことがあります。
6. 取引会社・チャートで、窓の出方が変わる
同じ場面でも、取引会社やチャートの設定によって、窓の大きさや有無が変わることがあります。普段使うチャートで、確認しましょう。
7. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、並んで見えても、確定までに形が変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
窓がないのに、並び赤・並び黒と考える
窓の存在が、前提です。窓がない場合は、単なる陽線(陰線)の連続にすぎません。
転換のサインだと思う
並び赤・並び黒は、継続のサインです。逆張りの根拠にしないように注意しましょう。
窓が埋まっても、そのまま持ち続ける
窓が埋まったことは、前提が崩れたサインです。あらかじめ、損切りの位置を決めておくことが大切です。
場所を無視して、形だけで判断する
何もない場所で出た形は、意味が薄いことが多いです。
検証せずに、使う
「並び赤のあとは、上がる」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- 並び赤は、窓を空けて上昇したあとに、陽線が2本並ぶ形。並び黒は、窓を空けて下落したあとに、陰線が2本並ぶ形。どちらも継続のサイン
- 窓が埋められずに、同じ方向の足が続くことが、勢いの強さを示す
- 厳密な定義(2本目の始値が1本目の始値とそろう)の形は、FXではほとんど出ない。FXでは、窓のあとに同じ色で同じくらいの大きさの足が2本続き、窓が埋まっていない形で、緩やかに判定する
- 窓の端は、損切りの目安になる
- 損切りが遠くなりやすいため、取引量の調整が大切
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
