逆カラカサとは
逆カラカサとは、下降トレンドの安値圏で現れる、実体が小さく、長い上ヒゲを持つローソク足のことです。カラカサ(ハンマー)を上下逆さまにしたような形をしていることから、この名前がつきました。英語ではインバーテッド・ハンマー(Inverted Hammer)と言います。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 実体 | 小さい(値幅の下のほうにある) |
| 上ヒゲ | 長い(実体の2倍以上が目安) |
| 下ヒゲ | ほぼない |
| 出る場所 | 下降トレンドの安値圏 |
| 色 | 陽線・陰線どちらもある(陽線のほうが強いと見られる) |
下降トレンドの底で、買いが入り始めたことを示す、底打ちのサインのひとつとして、注目されます。
逆カラカサが示すこと
上ヒゲは、期間中に一度大きく買い上げられた跡です。
下降が続いた安値圏で…
期間中、大きく上昇した → 買いが入った
高値から、売り戻された → 売りは、まだ残っている
→ 始値の近くまで、戻って引けた
| 読み取れること | 内容 |
|---|---|
| 買いの出現 | 安値圏で、買いが入り始めた |
| 売りの勢いの低下 | 売り一辺倒ではなくなった |
| 底打ちの予兆 | 下降の終盤で出ると、反転の前触れのことがある |
ただし、上ヒゲは「売り戻された」跡でもあるため、カラカサに比べて、サインとしては弱いと考えられています。次の足での確認が、より重要になります。
カラカサとの違い
どちらも、安値圏で出る底打ちのサインですが、ヒゲの向きが逆です。
| カラカサ | 逆カラカサ | |
|---|---|---|
| ヒゲ | 下ヒゲが長い | 上ヒゲが長い |
| 終値の位置 | 値幅の上のほう(高値付近) | 値幅の下のほう(安値付近) |
| 意味 | 売られたが、買い戻された | 買われたが、売り戻された |
| サインの強さ | 比較的強い | やや弱い。確認が必要 |
カラカサについては、別の記事で解説しています。
カラカサは、終値が高値付近で、買いが押し返した結果を示します。逆カラカサは、終値が安値付近で、買いの試みが、売りに押し戻された結果です。買いの意欲が現れたという意味では評価できますが、結果としては、押し戻されているため、慎重に見るのが一般的です。
逆カラカサの条件
「どのくらいの形で、どこで出れば、逆カラカサか」には、決まった基準がありません。割合と、直前の値動きで、基準を決める方法があります。
| 項目 | 目安の例 |
|---|---|
| 上ヒゲ | 実体の2倍以上 |
| 下ヒゲ | 値幅全体の、10%以下 |
| 直前の値動き | 下降が続いたあと(例:直前の5本中、4本以上が陰線、または安値更新が続いている) |
計算例:逆カラカサの判定
下降が続いたあとの、1時間足の陽線が、次の値だったとします。
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| 始値 | 150.00円 |
| 高値 | 150.55円 |
| 安値 | 149.99円 |
| 終値 | 150.06円 |
値幅全体 = 150.55 − 149.99 = 0.56円(56pips)
実体 = 150.06 − 150.00 = 0.06円(6pips)
上ヒゲ = 150.55 − 150.06 = 0.49円(49pips)
下ヒゲ = 150.00 − 149.99 = 0.01円(1pips)
上ヒゲ ÷ 実体 = 49 ÷ 6 ≒ 8.2倍
下ヒゲ ÷ 値幅全体 = 1 ÷ 56 ≒ 1.8%
上ヒゲが実体の約8.2倍、下ヒゲが約1.8%で、上の基準を満たすため、直前に下降が続いていれば、逆カラカサと判定できます。
これらの数値は、あくまで一例です。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
似た形との違い
上ヒゲが長いローソク足は、他にもあります。
| 名前 | 実体 | 上ヒゲ | 出る場所 |
|---|---|---|---|
| 逆カラカサ | 小さい | 実体の2倍以上 | 安値圏(底打ちのサイン) |
| 流れ星(シューティングスター) | 小さい(逆カラカサと同じ形) | 同上 | 高値圏(天井のサイン) |
| トウバ | ほぼない | 長い | 場所を問わない |
| 上影陽線・上影陰線 | ある程度の大きさ | ある | 場所を問わない |
逆カラカサと流れ星は、形が同じで、出る場所によって名前と意味が変わります。安値圏なら逆カラカサ、高値圏なら流れ星です。それぞれについては、別の記事で解説しています。トウバについても、別の記事で解説しています。
場所別の見方
| 場所 | 見方 |
|---|---|
| 下降トレンドの安値圏 | 底打ち(反転)の可能性。最も注目される |
| サポートライン付近 | サポートで、買いが入り始めた |
| 下降トレンドの戻り | 戻りの上ヒゲは、売りの強さとも読める(注意) |
| 上昇トレンドの高値圏 | 流れ星として扱う(別の見方) |
| レンジの中央 | 意味が薄い |
逆カラカサは、「下降トレンドが続いたあとの安値圏」で出ることが前提です。その条件を満たさない場所では、サインとして弱いと考えられます。
確認足が、特に重要
逆カラカサは、「結果として、押し戻されている」ため、その足だけで判断するのは危険です。次の足で、買いが続いたかを確認します。
| 次の足 | 見方 |
|---|---|
| 逆カラカサの高値を超えて、上に抜ける | 上ヒゲの売りを、買いが吸収した。反転の可能性が高まった |
| 逆カラカサの実体を超える陽線で引ける | 買いが続いた。サインの信頼度が上がる |
| 逆カラカサの安値を割る | サインは失敗。下降トレンドの継続の可能性 |
計算例:確認足のあとに買う場合
下降トレンドの安値圏で、上の例の逆カラカサが出たとします。次の足が、逆カラカサの高値(150.55円)を上抜けたため、150.59円で買う場合です。
| 項目 | 価格 | 値幅 |
|---|---|---|
| エントリー(買い) | 150.59円 | — |
| 損切り | 149.94円(逆カラカサの安値の5pips下) | −65pips |
| 利益確定 | 151.89円 | +130pips |
リスク = 150.59 − 149.94 = 0.65円(65pips)
リワード = 151.89 − 150.59 = 1.30円(130pips)
リスクリワード比 = 130 ÷ 65 = 2.0
損切りは、逆カラカサの安値の少し下に置きます。安値を割ると、逆カラカサの意味が失われるためです(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
上ヒゲが長いため、高値を上抜けるまで待つと、すでに大きく上がっていることがあります。入る価格が不利になる一方、待つほど確実性は高まるというトレードオフがあります。
逆カラカサの使い方
1. 底打ち・反発の兆しとして、注目する
下降トレンドの安値圏や、サポート付近で逆カラカサが出たとき、反発の兆しとして見ます。確認足と組み合わせて使うのが基本です。
2. 売りポジションの決済を検討する目安にする
売りで利益が出ているとき、安値圏で逆カラカサが出たら、買い戻しの目安にできます。
3. 売りを見送る目安にする
安値圏で逆カラカサが出たら、新規の売りを控える判断にも使えます。
4. 他の根拠と組み合わせる
サポートライン、ラウンドナンバー、移動平均線、ダイバージェンスなどと重なると、信頼度が上がると考えられます。
逆カラカサの注意点
1. 逆カラカサだけでは、判断できない
逆カラカサは、「安値圏で買いが入った」ことを示すだけで、反転の保証ではありません。場所・前後の足とあわせて判断します。
2. 下降が続くこともある
逆カラカサが出ても、そのまま安値を更新して下がることは、珍しくありません。カラカサよりも信頼性は低いとされることが多いため、確認足を待つ考え方が一般的です。
3. 下降トレンド後でなければ、サインとして弱い
下降が続いていない場所で出た場合は、意味が異なります。
4. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
発表で、いったん急騰して急反落した場合、逆カラカサのように見えても、その後に、再度動くことがあります。
5. 時間帯・時間足で、意味が変わる
値動きの小さい時間帯や、短い時間足では、意味は薄いことがあります。長い時間足の逆カラカサのほうが、意識されやすいと考えられます。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、逆カラカサに見えても、確定までに形が変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
逆カラカサが出たら、すぐに買う
確認足を待たずに買うと、安値を更新された場合に、損失になります。次の足の確認を、検討しましょう。
上ヒゲを、売りの強さと誤読する
上ヒゲを見て、「売りが強い」と判断してしまうと、安値圏では逆の解釈になることがあります。出た場所を、必ず確認しましょう。
カラカサと同じ強さだと考える
逆カラカサは、終値が安値付近であり、カラカサよりも、サインとしては弱いと見られます。
損切り幅を考えずに、取引量を決める
上ヒゲが長いほど、値幅が大きく、損切り幅も大きくなります。損切り幅に合わせて、取引量を調整しましょう。
検証せずに、使う
「逆カラカサのあとは、上がる」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- 逆カラカサ(逆ハンマー)は、下降トレンドの安値圏で現れる、実体が小さく長い上ヒゲを持つローソク足
- カラカサの上下を逆にした形で、安値圏なら逆カラカサ、高値圏なら流れ星
- 安値圏で、買いが入り始めたことを示すが、結果として押し戻されているため、カラカサよりサインは弱い
- 上ヒゲが実体の2倍以上、下ヒゲが10%以下で、直前に下降が続いていることが条件の例
- 確認足が特に重要。逆カラカサの高値を超えるかを見て、安値を割ったらサインは失敗
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
