インサイドバーとは
インサイドバーとは、2本目のローソク足の高値と安値が、1本目の高値と安値の範囲内にすっぽり収まる形のことです。プライスアクションで、値動きが小さくなった(圧縮された)状態を示す形として、よく使われます。1本目は、マザーバー(親足)、2本目は、インサイドバーと呼ばれます。
| 呼び名 | 内容 |
|---|---|
| マザーバー(1本目) | 値幅の大きい足。インサイドバーを包む側 |
| インサイドバー(2本目) | 高値と安値の両方が、マザーバーの範囲内に収まる足 |
足の色は問いません(陽線でも陰線でもよい)。
ハラミ足との違い
ハラミ足は「実体」が収まる形、インサイドバーは「ヒゲを含めた高値・安値」が収まる形です。ハラミ足については、別の記事で解説しています。
| ハラミ足 | インサイドバー | |
|---|---|---|
| 見る範囲 | 実体(始値と終値) | 高値と安値(ヒゲを含む) |
| 条件の厳しさ | ゆるい | 厳しい |
| 足の色 | 逆の色が一般的 | 問わない |
| 意味 | 勢いの一服 | 値動きの圧縮。ブレイク待ち |
インサイドバーは、ハラミ足の中でも、ヒゲまで収まる、より厳しい条件を満たすものにあたります。ハラミ足でも、ヒゲがはみ出していれば、インサイドバーではありません。
インサイドバーが示すこと
大きな足(マザーバー)が出る
→ 次の足は、その高値も安値も超えられなかった
→ 売りと買いが拮抗し、値動きが圧縮された
→ やがて、どちらかにブレイクする
| 読み取れること | 内容 |
|---|---|
| 圧縮 | 値幅が小さくなり、エネルギーをためている |
| 迷い・拮抗 | 売り買いの力が、均衡している |
| ブレイク待ち | マザーバーの高値・安値の、どちらかを抜けると、動きが出やすい |
インサイドバーは、方向を示す形ではありません。「次にどちらかに動く準備ができた」ことを示し、方向は、ブレイクで判断します。
インサイドバーの条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高値 | インサイドバーの高値 ≦ マザーバーの高値 |
| 安値 | インサイドバーの安値 ≧ マザーバーの安値 |
| マザーバー | 値幅が大きい(直近の平均より大きいなど) |
FXでの注意点:ぴったり同じ値の扱い
インサイドバーの高値が、マザーバーの高値とぴったり同じになることがあります。「同じ値は、収まっている」と扱うのが一般的です。数pips、はみ出した場合は、インサイドバーとは扱わないのが、厳密な判定です。
計算例:インサイドバーの判定
1時間足の2本が、次の値だったとします。
| 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | |
|---|---|---|---|---|
| 1本目(マザーバー) | 150.20円 | 150.90円 | 150.10円 | 150.80円 |
| 2本目 | 150.55円 | 150.68円 | 150.32円 | 150.45円 |
マザーバーの値幅 = 150.90 − 150.10 = 0.80円(80pips)
2本目の値幅 = 150.68 − 150.32 = 0.36円(36pips)
2本目の高値 150.68円 ≦ マザーバーの高値 150.90円
2本目の安値 150.32円 ≧ マザーバーの安値 150.10円
→ インサイドバーの条件を満たす
2本目 ÷ マザーバー = 36 ÷ 80 = 45%
高値も安値も範囲内で、値幅はマザーバーの45%に圧縮されているため、インサイドバーと判定できます。
「マザーバーの何%以下なら、有効」といった基準は、決まっていません。自分で基準を決め、過去のチャートで検証することが大切です。
インサイドバーの使い方
基本:ブレイクで判断する
インサイドバーが出たあと、マザーバー(またはインサイドバー)の高値・安値のどちらに抜けるかで、方向を判断します。
| 抜ける方向 | 見方 |
|---|---|
| 高値を、上に抜ける | 上方向への動きが、始まった可能性 |
| 安値を、下に抜ける | 下方向への動きが、始まった可能性 |
| 範囲内で、推移 | 圧縮が続いている |
トレンド方向のブレイクを優先する
上昇トレンドの途中で出たインサイドバーは、上へのブレイクのほうが、トレンド方向で取り組みやすいと考える人が多くいます。トレンドに逆らう方向のブレイクは、難易度が高いです。
エントリーの位置による違い
ブレイクの基準を、どこに置くかで、エントリー価格と、損切り幅が変わります。
| 基準 | 内容 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| インサイドバーの高値(安値)ブレイク | 早く入れる。損切りが近い | リスクリワードが良い | ダマシが多い |
| マザーバーの高値(安値)ブレイク | 確認して入る | ダマシが少ない | 入る価格が不利。損切りが遠い |
計算例:エントリーの位置による違い
上の例のインサイドバーが、上昇トレンドの途中で出たとします。損切りは、インサイドバーの安値の5pips下(150.27円)、利益確定は151.95円とします。
インサイドバーの高値を上抜けて買う場合(150.70円で買う)
エントリー 150.70円、損切り 150.27円、利確 151.95円
リスク = 150.70 − 150.27 = 0.43円(43pips)
リワード = 151.95 − 150.70 = 1.25円(125pips)
リスクリワード比 = 125 ÷ 43 ≒ 2.9
マザーバーの高値を上抜けて買う場合(150.92円で買う)
エントリー 150.92円、損切り 150.27円、利確 151.95円
リスク = 150.92 − 150.27 = 0.65円(65pips)
リワード = 151.95 − 150.92 = 1.03円(103pips)
リスクリワード比 = 103 ÷ 65 ≒ 1.6
同じインサイドバーでも、エントリーの位置で、リスクリワード比が大きく変わります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。早く入るほど有利になりますが、**インサイドバーの高値を一瞬だけ抜けて戻る「ダマシ」**にも、あいやすくなります。ダマシについては、別の記事で解説しています。
連続するインサイドバー
インサイドバーが、2本、3本と連続することがあります。
| 形 | 内容 |
|---|---|
| 2本連続 | 圧縮が、さらに進んでいる |
| 3本以上 | ブレイク時の動きが大きくなることがある一方、ブレイクが遅れることも |
どの足も、最初のマザーバーの範囲内に収まっていれば、同じマザーバーの範囲で判断します。
場所別の見方
| 場所 | 見方 |
|---|---|
| トレンドの途中(押し・戻り) | トレンド継続のブレイク待ち。押し目・戻りの形として使われる |
| トレンドの終盤 | 勢いの一服。転換の可能性もあるが、ブレイクの方向を確認 |
| サポート・レジスタンス付近 | ブレイクか反発かの、分かれ目 |
| レンジの中 | 意味が薄い |
サポートライン・レジスタンスラインについては、別の記事で解説しています。
注意点
1. インサイドバーだけでは、方向を判断できない
インサイドバーは、方向を示さないため、ブレイクの方向と場所・トレンドを、あわせて判断します。
2. ダマシが多い
ブレイクしたように見えて、すぐ戻ることは、よくあります。マザーバーが小さい場合や、レンジの中では、特に多いです。
3. マザーバーが小さいと、意味が薄い
マザーバーが小さい(値動きが乏しい)場合、圧縮されたとは言えません。マザーバーが、はっきり大きいことが、前提です。
4. 指標発表や要人発言の直前は、特に注意
発表前は、値動きが止まり、インサイドバーのような形になりやすい一方、発表後に、大きく動くことがあります。
5. 時間帯・時間足で、意味が変わる
値動きの小さい時間帯や、短い時間足では、意味は薄いことがあります。長い時間足のインサイドバーのほうが、意識されやすいと考えられます。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、インサイドバーに見えても、確定までに形が変わります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
インサイドバーを、売買の方向のサインだと考える
インサイドバーは、「方向」ではなく「圧縮」を示す形です。ブレイクの方向を、確認しましょう。
実体が収まっただけで、インサイドバーと考える
実体が収まる形は、ハラミ足です。ヒゲまで収まっているかを、必ず確認しましょう。
損切り幅を考えずに、取引量を決める
マザーバーが大きいほど、損切り幅も大きくなります。損切り幅に合わせて、取引量を調整しましょう。
検証せずに、使う
「インサイドバーのあとは、ブレイクする」と聞いても、実際の確率は、判定基準や場所で変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- インサイドバーは、2本目の高値と安値が、1本目(マザーバー)の範囲内に収まる形。値動きの圧縮を示す
- ハラミ足(実体が収まる)より条件が厳しい(ヒゲまで収まる)
- 方向を示す形ではなく、ブレイクの方向で判断する
- トレンド方向のブレイクを優先する考え方がある
- インサイドバーの高値(安値)ブレイクは、損切りが近いがダマシが多く、マザーバーの高値(安値)ブレイクは、確認できるが損切りが遠い
- 連続するインサイドバーは、圧縮がさらに進んでいる
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ローソク足の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
