ウィリアムズ%Rとは
ウィリアムズ%R(Williams %R)とは、一定期間の「高値・安値」の範囲の中で、現在の終値が、高値から見て、どの位置にあるかを、0〜−100の数値で示す、オシレーター系のテクニカル指標です。米国のラリー・ウィリアムズ氏が、1970年代に考案したものと、されています。一般的な期間は14で、「−20以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎ」という目安が、よく使われます(固定の基準ではありません)。数値が、0から−100の、マイナスの範囲で表示されるのが、見た目の特徴です。
| ウィリアムズ%Rの水準 | 一般的な見方(目安) |
|---|---|
| −20〜0 | 買われすぎ(終値が、直近の高値付近にある) |
| −50前後 | 直近の値幅の、真ん中あたり |
| −100〜−80 | 売られすぎ(終値が、直近の安値付近にある) |

計算方法
%R = (直近N本の最高値 − 今の終値)÷(直近N本の最高値 − 直近N本の最安値)× (−100)
終値が、最高値と同じなら、%R = 0、最安値と同じなら、%R = −100になります。
計算例:5本の範囲で、%Rを計算する(N = 5)
ストキャスティクスの記事の計算例と、同じ値を使います(N = 5)。値は、次のとおりです(例の数値です)。
| 足 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|
| 1本目 | 150.40 | 150.00 | 150.20 |
| 2本目 | 150.60 | 150.20 | 150.50 |
| 3本目 | 150.70 | 150.30 | 150.40 |
| 4本目 | 150.80 | 150.40 | 150.70 |
| 5本目 | 150.90 | 150.50 | 150.80 |
| 6本目 | 151.00 | 150.60 | 150.90 |
| 7本目 | 150.95 | 150.55 | 150.60 |
5本目(1〜5本目の範囲)
最高値 = 150.90、最安値 = 150.00
%R = (150.90 − 150.80)÷(150.90 − 150.00)× (−100) = 0.10 ÷ 0.90 × (−100) ≒ − 11.11
6本目(2〜6本目の範囲)
最高値 = 151.00、最安値 = 150.20
%R = (151.00 − 150.90)÷(151.00 − 150.20)× (−100) = 0.10 ÷ 0.80 × (−100) = − 12.5
7本目(3〜7本目の範囲)
最高値 = 151.00、最安値 = 150.30
%R = (151.00 − 150.60)÷(151.00 − 150.30)× (−100) = 0.40 ÷ 0.70 × (−100) ≒ − 57.14
| 足 | %R | (参考)ストキャスティクスの%K |
|---|---|---|
| 5本目 | − 11.11 | 88.89 |
| 6本目 | − 12.5 | 87.5 |
| 7本目 | − 57.14 | 42.86 |
%Rは、ストキャスティクスの%K(平滑化なし)から、100を引いた値と、同じです。
%R = %K − 100
(例:5本目 88.89 − 100 = − 11.11 )
つまり、ウィリアムズ%Rと、ファスト・ストキャスティクスの%Kは、同じ情報を、符号と目盛りを変えて、表したものです。7本目は、終値が、150.90円から150.60円へ、30pips下がっただけで、%Rは、−12.5から−57.14へ、大きく下がりました。ストキャスティクスと同じく、動きが速い指標です。
ウィリアムズ%Rが示すこと
%Rが0に近い = 終値が、直近の高値に近い
%Rが−100に近い = 終値が、直近の安値に近い
「価格が高いか低いか」ではなく、「直近の値幅の中での、終値の位置」を示します。そのため、価格が上がり続けて、終値が高値付近にあれば、%Rは、0付近のままです。
他の指標との違い
| ウィリアムズ%R | ストキャスティクス | RSI | |
|---|---|---|---|
| 計算の元 | 高値・安値の範囲の中での、終値の位置 | 同左 | 上げ幅と下げ幅の平均の比 |
| 値の範囲 | 0〜−100 | 0〜100 | 0〜100 |
| 線の数 | 1本 | 2本(%K・%D) | 1本 |
| 平滑化 | なし | ファスト:なし、スロー:あり | あり(ワイルダー方式) |
| 動きの速さ | 速い | 速い(ファスト) | やや穏やか |
ウィリアムズ%Rは、ファスト・ストキャスティクスの%Kを、符号を逆にして、100ずらしたもので、シグナル線(%D)が、ありません。そのため、線の交差ではなく、水準(−20・−80)を、目安にすることが、多いです。ストキャスティクス、RSIについては、別の記事で解説しています。
基本の使い方
1. 買われすぎ・売られすぎの、目安にする
−20以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎと、見る考え方です。ただし、「−20以上だから、下がる」とは、限りません。図のとおり、−20以上に張り付いたまま、上昇が続くことも、あります。
2. −20や−80を、戻ってきたところを、目安にする
%Rが、−80以下まで下がり、−80を上抜けたら、反発の目安、−20以上から、−20を下抜けたら、反落の目安、という使い方です。「入った瞬間」ではなく「戻ってきた」ことを確認することで、下げの途中で、逆張りするリスクを、減らせると、考えられます(必ず、そうなるわけでは、ありません)。
3. 他の根拠と、組み合わせる
%Rは、動きが速く、ダマシが出やすいため、トレンドの方向や、サポート・レジスタンスと、組み合わせることが、一般的です。
計算例:−80を上抜けたあとの買い
%Rが−80以下まで下がり、直近の安値が153.40円になったとします。直近高値は154.20円です。損切りは直近安値(153.40円)、利益確定は、直近高値(154.20円)とします(例の数値です)。%Rが−80を上抜けた足の終値が153.75円、その後、%Rが−50を上抜けた足の終値が153.95円でした。
安値の近く(153.60円)に、指値で買う場合
エントリー 153.60円、損切り 153.40円、利確 154.20円
リスク = 153.60 − 153.40 = 0.20円(20pips)
リワード = 154.20 − 153.60 = 0.60円(60pips)
リスクリワード比 = 60 ÷ 20 = 3.0
%Rが−80を上抜けた足の終値(153.75円)で買う場合
エントリー 153.75円、損切り 153.40円、利確 154.20円
リスク = 153.75 − 153.40 = 0.35円(35pips)
リワード = 154.20 − 153.75 = 0.45円(45pips)
リスクリワード比 = 45 ÷ 35 ≒ 1.3
%Rが−50を上抜けた足の終値(153.95円)で買う場合
エントリー 153.95円、損切り 153.40円、利確 154.20円
リスク = 153.95 − 153.40 = 0.55円(55pips)
リワード = 154.20 − 153.95 = 0.25円(25pips)
リスクリワード比 = 25 ÷ 55 ≒ 0.5
| エントリー | 価格 | リスク | リワード | リスクリワード比 |
|---|---|---|---|---|
| 指値(安値付近) | 153.60円 | 20pips | 60pips | 3.0 |
| −80の上抜け | 153.75円 | 35pips | 45pips | 1.3 |
| −50の上抜け | 153.95円 | 55pips | 25pips | 0.5 |
確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。−50の上抜けを待つと、リスクリワード比は、1を下回るため、この場合は、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。指値は、153.60円まで下がらずに、反発すると、エントリーできません。また、安値を割り込むと、損切りになります。
注意点
1. 強いトレンドでは、−20以上・−80以下が続く
強い上昇トレンドでは、%Rが、−20以上に、張り付いた状態が、続くことが、あります。「−20以上=売り」と考えると、トレンドに、逆らい続けることに、なります。図の、%Rが0付近に張り付いている部分が、その例です。
たとえば、−20以上での逆張りの売りが、損失15pipsで、8回続くと、合計−120pipsの損失です。その後の1回の利益が、140pipsなら、合計は+20pips、90pipsなら、合計は−30pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。
2. 動きが速く、ダマシが多い
平滑化がなく、1本の足の動きが、そのまま反映されるため、%Rは、−20〜−80の間を、速く行き来し、ダマシも、多くなります。
3. マイナスの表示に、注意する
%Rは、0〜−100の、マイナスの値で表示されます。「−20」は、「−80」より、大きい(高い)値です。ソフトによっては、0〜100で表示されることもあるため、使うソフトの表示を、確認しましょう。
4. 期間で、見え方が変わる
期間を短くすると、動きは大きく、速くなり、長くすると、穏やかになります。他人のチャートと、そのまま比べないようにしましょう。
5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
急変動で、%Rが、一気に0や−100付近になり、そのまま、張り付くことが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、%Rが、−80を上抜けたように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
−20以上になったら、すぐ売る
−20以上は、「買われすぎの目安」で、「売りのサイン」では、ありません。トレンドが強いと、そのまま上がり続けます。
−80以下になったら、すぐ買う
同じく、−80以下は、「売られすぎの目安」で、「買いのサイン」では、ありません。下げの途中で、買うと、損失が広がります。
ストキャスティクスと、別の指標だと考える
ウィリアムズ%Rと、ファスト・ストキャスティクスの%Kは、同じ情報を、符号と目盛りを変えて、示しているものです。両方を並べて、「2つの指標が、同じ方向を示している」と考えても、新しい情報は、増えません。
マイナスの値を、逆に読む
%Rが、−10は、買われすぎ、−90は、売られすぎです。符号に、とらわれて、逆に読まないようにしましょう。
検証せずに、使う
「%Rが−80を上抜けたら買えば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- ウィリアムズ%Rは、一定期間の高値・安値の範囲の中で、終値が、高値から見て、どの位置にあるかを、0〜−100で示す、オシレーター系の指標。ラリー・ウィリアムズ氏が考案した。一般的な期間は14
- %R = (最高値 − 終値)÷(最高値 − 最安値)×(−100)。ファスト・ストキャスティクスの%Kから、100を引いた値と、同じ
- 例(N = 5)では、%Rは−11.11→−12.5→−57.14。終値が30pips下がっただけで、大きく下がる
- −20以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎ、という目安がよく使われる。ただし、強いトレンドでは、−20以上・−80以下が続く
- −80を上抜けた足では、指値(3.0)、−80の上抜け(1.3)、−50の上抜け(0.5)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
- 平滑化がなく、動きが速い。ダマシが多い
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
