三役好転・三役逆転とは?条件・見方・使い方

目次

三役好転・三役逆転とは

三役好転(さんやくこうてん)とは、一目均衡表で、3つの買いの条件が、すべてそろった状態のことです。三役逆転(さんやくぎゃくてん)とは、反対に、3つの売りの条件が、すべてそろった状態のことです。一目均衡表の、代表的な売買サインとして、よく知られています。一目均衡表(転換線、基準線、先行スパン、遅行スパン、雲)については、別の記事で解説しています。

三役好転(買い)三役逆転(売り)
① 転換線と基準線転換線が、基準線の上転換線が、基準線の下
② 遅行スパン遅行スパンが、26本前の価格より上遅行スパンが、26本前の価格より下
③ 価格と雲価格が、雲の上価格が、雲の下
意味強い上昇の方向強い下降の方向

「三役」とは、この3つの条件のことで、3つとも、そろったときだけを、三役好転・三役逆転と呼びます。1つ、または2つしか、そろっていない状態は、三役好転(逆転)ではありません。

3つの条件の意味

① 転換線 > 基準線
   = 短期の平均的な水準(9本)が、中期の平均的な水準(26本)を上回った
   = 短期が、中期より強い

② 遅行スパン > 26本前の価格
   = 今の価格が、26本前の価格を上回っている
   = 26本前に買った人が、含み益になっている

③ 価格 > 雲
   = 価格が、サポート(下支え)になる雲の上にある
   = 雲を、上に抜けた

この3つは、それぞれ、「短期と中期の関係」「過去との比較」「価格の位置」という、違う角度から、相場の強さを見ていることになります。3つがそろうことで、「どの角度から見ても、上昇の方向」と、判断します。

計算例:3つの条件が、順にそろっていく様子

次の表は、4本の足で、3つの条件がそろっていく様子を、例として示したものです(数値は、例です)。

足価格(終値)転換線基準線26本前の価格雲の上限①②③
1本目150.10円150.18150.25150.20150.30×××
2本目150.24円150.27150.25150.28150.35○××
3本目150.33円150.31150.26150.30150.40○○×
4本目150.45円150.36150.27150.31150.40○○○
【1本目】3つとも、満たしていない
【2本目】① 転換線 150.27 > 基準線 150.25 → ○(1つ目がそろった)
         ② 価格 150.24 < 26本前の 150.28 → ×
         ③ 価格 150.24 < 雲の上限 150.35 → ×
【3本目】② 価格 150.33 > 26本前の 150.30 → ○(2つ目がそろった)
         ③ 価格 150.33 < 雲の上限 150.40 → ×
【4本目】③ 価格 150.45 > 雲の上限 150.40 → ○(3つ目がそろった)

→ 4本目で、3つの条件がすべてそろい、三役好転

この例では、「①→②→③」の順でそろいました。ただし、そろう順番は、決まっていません。図でも、3つの条件が、少しずつ時間をおいて、そろっています。

なお、②の「26本前の価格」は、終値で比べる場合と、ローソク足(高値・安値を含む)で比べる場合が、あります。ソフトや、考え方によって、異なりますので、自分のルールを、先に決めておくことが、大切です。

三役好転・三役逆転の位置づけ

三役好転は、「上昇のトレンドが、はっきりと出た」ことを確認するサインです。「上昇の始まりを、予測する」サインでは、ありません。

三役好転・逆転移動平均線のゴールデンクロスパーフェクトオーダー
見るもの一目均衡表の、3つの条件2本の線の交差3本以上の線の並び
条件の数3つ1つ複数
サインの遅さ大きい大きい大きい
ダマシ条件が多い分、減る傾向。ただし、なくならないレンジで多いレンジでは、成立しにくい

ゴールデンクロス・デッドクロス、パーフェクトオーダーについては、別の記事で解説しています。

使い方

1. 順張りの方向を確認する

三役好転が出たら、買い目線、三役逆転が出たら、売り目線とする、順張りの方向の確認に使います。三役好転のあと、三役のうち1つでも崩れたら、「勢いが弱まった」と見る考え方も、あります。

2. エントリーの位置を考える

三役好転が成立した足は、すでに価格が、雲の上に抜けたあとです。損切りの位置が遠くなり、リスクリワード比が悪くなりやすいため、押しを待つ考え方も、あります。押し目(プルバック)については、別の記事で解説しています。

計算例:三役好転の直後と、押しを待った場合

上の例(4本目で三役好転、価格150.45円、雲の上限150.40円、雲の下限150.25円)とします。直近高値は151.00円です。損切りは、雲の下限の5pips下(150.20円)、利益確定は、直近高値(151.00円)とします。雲の下限を割ると、「雲の上」という前提が崩れるためです。

三役好転が成立した4本目の終値(150.45円)で買う場合

エントリー 150.45円、損切り 150.20円、利確 151.00円
リスク   = 150.45 − 150.20 = 0.25円(25pips)
リワード = 151.00 − 150.45 = 0.55円(55pips)
リスクリワード比 = 55 ÷ 25 = 2.2

そのあと、雲の上限付近(150.40円)まで押してきたところで、指値で買う場合

エントリー 150.40円、損切り 150.20円、利確 151.00円
リスク   = 150.40 − 150.20 = 0.20円(20pips)
リワード = 151.00 − 150.40 = 0.60円(60pips)
リスクリワード比 = 60 ÷ 20 = 3.0

押しを待つほうが、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、押さずに上がると、エントリーできません。また、押しが深くなり、雲の中に入る場合は、三役好転が、崩れることになります。成立した足で入ると、エントリーできないリスクは、ありませんが、ダマシにかかったときの損失は、そのまま発生します。雲も基準線も、時間とともに動くため、損切りや目標の位置は、見直す必要があります。

3. 決済・見送りの目安にする

三役好転の状態から、三役のうち1つが崩れたときを、決済や、新規の見送りの目安にする方法があります。たとえば、転換線が基準線を割った、価格が雲の中に入った、などです。ただし、崩れた時点では、すでに価格が、大きく戻っていることが、多いです。

注意点

1. サインが、非常に遅い

3つの条件がそろうには、時間がかかるため、三役好転が成立したときは、すでに大きく動いたあとのことが、多いです。初動を捉える道具では、ありません。

2. レンジでは、成立しにくく、ダマシも出る

レンジ相場では、転換線と基準線が、何度も交差し、価格も雲の中で上下します。三役がそろっても、すぐに崩れることが、あります。

3. 成立したあとは、すでに「行き過ぎ」のことがある

価格が、平均から大きく離れた状態で、三役好転が成立することもあります。そこから新規で入ると、反動に当たりやすくなります。移動平均線乖離率については、別の記事で解説しています。

4. 条件の判定が、人によって違う

②の比較(終値か、ローソク足か)や、③の「雲の上」の判定(終値か、足全体か)が、人によって異なります。自分のルールを、先に決めて、一貫して使うことが、大切です。

5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意

急変動で、一気に3つの条件が、そろったり、崩れたりすることが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。

6. 足が確定するまで、分からない

進行中の足は、3つの条件がそろったように見えても、確定までに崩れることがあります。確定後に判断しましょう。

初心者が間違えやすいポイント

1つか2つの条件だけで、三役好転と呼ぶ

3つとも、そろったときだけが、三役好転です。2つだけの状態は、「途中」であり、まだ、確認できていません。

三役好転が出たら、必ず上がると考える

三役好転は、「今、上昇の方向」であることを示すだけで、続く保証では、ありません。

成立した足に、すぐ飛びつく

すでに大きく動いたあとで、損切りが遠く、リスクリワード比が悪くなりがちです。押しを待つ考え方も、検討しましょう。

雲と価格の位置を、見ずに判断する

③の、価格と雲の位置は、最も分かりやすい条件です。他の2つが、そろっていても、価格が雲の中なら、三役好転ではありません。

検証せずに、使う

「三役好転で買えば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • 三役好転は、①転換線が基準線の上、②遅行スパンが26本前の価格より上、③価格が雲の上、の3つがすべてそろった状態。三役逆転は、その反対
  • 3つの条件は、「短期と中期の関係」「過去との比較」「価格の位置」という、別々の角度から、相場の強さを見ている
  • そろう順番は、決まっていない。3つとも、そろったときだけが、三役好転・逆転
  • サインは遅く、成立したときは、すでに大きく動いたあとのことが多い
  • 成立した足で入るとリスクリワード比は下がり、押しを待つと上がるが、エントリーできないこともある
  • レンジでは、成立してもすぐ崩れることがある
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

目次