バンドウォークとは
バンドウォークとは、ボリンジャーバンドの上側(または下側)のラインに沿って、価格が、歩くように進み続ける状態のことです。強いトレンドが出ているときに起こりやすく、価格が+2σ(または−2σ)に触れたあとも、戻らずに、バンドに沿って動き続けます。ボリンジャーバンドについては、別の記事で解説しています。
| 上昇のバンドウォーク | 下降のバンドウォーク | |
|---|---|---|
| 価格の位置 | +1σ〜+2σの付近を推移 | −1σ〜−2σの付近を推移 |
| ミドルバンド | 右上がり | 右下がり |
| 意味 | 強い上昇トレンドが続いている | 強い下降トレンドが続いている |
| 逆張りの危険度 | 高い | 高い |

なぜ、バンドウォークが起こるのか
強い買いが続く
→ 価格が、平均(ミドルバンド)から離れる
→ 離れた分、標準偏差が大きくなり、バンドも広がる
→ 価格は、+2σ付近まで上がっても、戻らずに上がり続ける
→ バンドの外側(+2σ)に沿って、価格が進む
「+2σに触れたら、行き過ぎ」と考えると、逆張りをしたくなります。しかし、強いトレンドでは、「行き過ぎ」の状態が、そのまま続きます。バンドウォークは、「+2σが行き過ぎのサインではなく、強さの表れ」になっている状態です。
バンドウォークの見分け方
「何本なら、バンドウォーク」という決まった数字は、ありません。目安として、次のような条件を、自分で決めて、過去のチャートで検証します。
| 項目 | 目安の例(上昇の場合) |
|---|---|
| ミドルバンド | 右上がり |
| 価格(終値)の位置 | +1σ付近〜+2σ付近(%bが0.8以上など) |
| 続いた本数 | 連続して、数本以上 |
| ミドルバンドを割らない | 終値が、ミドルバンドを下回っていない |
計算例:%bで判定する
%bとは、価格が、バンドの中のどこにいるかを表す数値です。
%b = (価格 − ロワーバンド)÷(アッパーバンド − ロワーバンド)
ある上昇局面で、連続した5本の終値の%bが、次のとおりでした。
0.88、0.93、1.02、0.91、0.95
「%bが0.8以上の足が、3本以上続いたら、バンドウォーク」という条件にすると、この5本はすべて0.8以上のため、バンドウォークと判定できます。この「0.8」と「3本」は、あくまで一例です。自分で、過去のチャートで確認して、決めることが、大切です。図の下段でも、%bが0.8を上回っている範囲が、バンドウォークにあたります。
計算例:バンドの位置を数値で確認する
ミドルバンドが150.40円、標準偏差が0.20円(20pips)のとき、次のとおりです。
+1σ = 150.40 + 0.20 × 1 = 150.60円
+2σ = 150.40 + 0.20 × 2 = 150.80円
-2σ = 150.40 − 0.20 × 2 = 150.00円
終値150.75円の%b = (150.75 − 150.00)÷(150.80 − 150.00) = 0.75 ÷ 0.80 ≒ 0.94
価格が、+1σ(150.60円)〜+2σ(150.80円)の間に、とどまり続けているときは、バンドウォークの形になっています。
バンドウォークの終わりの見方
バンドウォークは、ずっと続くものではありません。終わりを見る目安は、次のとおりです。
| 目安 | 内容 |
|---|---|
| ミドルバンドを終値で割る | 価格が、平均より下になった。勢いが弱まった可能性 |
| +1σを割り込む | バンドの上側の帯から、外れた |
| ミドルバンドの傾きが、横ばいになる | 平均の上昇が、止まった |
| バンド幅が、狭まり始める | 値動きが、小さくなってきた |
図でも、価格が、ミドルバンドを割ったあたりから、バンドウォークが終わっています。ただし、ミドルバンドを割った時点では、すでに価格が、大きく戻っていることが、多いです。
他の見方との違い
| バンドウォーク | バンドの反転(逆張り) | スクイーズからのブレイク | |
|---|---|---|---|
| 相場の状態 | 強いトレンド | レンジ | 値動きが小さい状態から、動き出す |
| +2σへの接触の意味 | 強さの表れ | 行き過ぎ | (ブレイクの合図になる) |
| 基本の方針 | 順張り | 逆張り | 抜けた方向に従う |
同じ「+2σに触れた」でも、相場の状態で、意味が変わります。ここが、ボリンジャーバンドの、最も大きな注意点です。スクイーズとエクスパンションについては、別の記事で解説しています。
使い方
1. 逆張りを避けるサインにする
バンドウォークの形になっているときは、+2σに触れても、逆張りをしないという使い方です。逆張りの損失を、減らすことを目的にします。
計算例:バンドウォーク中の逆張りが損失を重ねる様子
ミドルバンド150.40円、+2σが150.80円のとき、+2σに触れた150.82円で売り、損切りは150.97円、利確はミドルバンド(150.40円)とします。
エントリー 150.82円、損切り 150.97円、利確 150.40円
リスク = 150.97 − 150.82 = 0.15円(15pips)
リワード = 150.82 − 150.40 = 0.42円(42pips)
リスクリワード比 = 42 ÷ 15 = 2.8
リスクリワード比は、2.8と、良く見えます。ただし、バンドウォークの間、価格が+2σに触れるたびに、売りの損切りに、かかることがあります。5回続けて損切りになった場合は、15pips × 5回 = 75pipsの損失で、1回の利益(42pips)では、取り返せません。リスクリワード比が良くても、相場の状態に合わない手法では、損失が重なります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
2. 順張りの押し目・戻りの目安にする
バンドウォーク中に、価格が+1σまで戻って、反発する場面を、押し目として見る方法があります。押し目(プルバック)については、別の記事で解説しています。
計算例:バンドウォーク中の押し目買い
ミドルバンド150.40円、+1σが150.60円、+2σが150.80円で、バンドウォークが続いているとします。価格が、+1σ(150.60円)まで下がり、反発したとします。直近高値は151.10円です。損切りは、ミドルバンドの5pips下(150.35円)、利益確定は直近高値(151.10円)とします。ミドルバンドを割ると、バンドウォークが終わった可能性が高いためです。
150.62円に指値で買う場合
エントリー 150.62円、損切り 150.35円、利確 151.10円
リスク = 150.62 − 150.35 = 0.27円(27pips)
リワード = 151.10 − 150.62 = 0.48円(48pips)
リスクリワード比 = 48 ÷ 27 ≒ 1.8
反発の陽線が確定した終値(150.75円)で買う場合
エントリー 150.75円、損切り 150.35円、利確 151.10円
リスク = 150.75 − 150.35 = 0.40円(40pips)
リワード = 151.10 − 150.75 = 0.35円(35pips)
リスクリワード比 = 35 ÷ 40 ≒ 0.9
指値のほうが、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、+1σの手前で反発すると、エントリーできません。反発を確認してから入ると、リスクリワード比は、1を下回ってしまいます。また、バンドウォーク中は、ミドルバンドも動くため、損切りの位置は、見直す必要があります。
3. トレンドの強さの確認に使う
バンドウォークが続いている間は、強いトレンドが続いていると見る考え方があります。トレンドの方向への、順張りの根拠の1つにできますが、単独では、判断できません。
注意点
1. バンドウォークは、後から分かる
バンドウォークかどうかは、数本、続いたあとでないと、分かりません。「これから、バンドウォークになる」と、事前に、決めつけられません。
2. 終わりは、突然くる
バンドウォークは、急に終わることが、あります。ミドルバンドを割る頃には、すでに、大きく戻っていることが、多いです。
3. 「+2σの上は、買われ過ぎ」とは限らない
バンドウォーク中は、+2σを超えても、そのまま上がり続けます。「買われ過ぎだから、売り」は、通用しません。
4. レンジでも、一時的に似た形になる
レンジの中でも、数本、バンドの上側に沿うことがあります。ミドルバンドの傾きも、あわせて確認しましょう。ミドルバンドの傾きについては、別の記事で解説しています。
5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
急変動で、バンドウォークのような形が、突然できることがあります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、バンドの外に出たように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
+2σに触れたら、すぐ逆張りする
バンドウォーク中は、触れるたびに、損切りになります。ミドルバンドの傾きと、続いた本数を、確認しましょう。
バンドウォークが始まったと、すぐに飛びつく
すでに大きく動いたあとで、損切りが遠くなり、リスクリワード比が悪くなりがちです。押し目を待つ考え方も、検討しましょう。
終わりのサインを、決めずに入る
バンドウォークは、いつか終わります。あらかじめ、終わりの目安(ミドルバンド割れなど)を決めておくことが、大切です。
期間・倍率を、頻繁に変える
結果が悪いたびに、設定を変えると、過去のチャートに合わせただけになり、将来には通用しにくくなります。
検証せずに、使う
「バンドウォークは、順張りで勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- バンドウォークは、価格が、ボリンジャーバンドの上側(または下側)に沿って、歩くように進み続ける状態。強いトレンドで、起こりやすい
- バンドウォーク中は、+2σは「行き過ぎ」ではなく、「強さの表れ」になっている
- %bが0.8以上で、連続して数本以上など、自分で条件を決めて、過去のチャートで検証する
- 逆張りは、リスクリワード比が良く見えても、触れるたびに損切りになり、損失が重なる
- 順張りの押し目を狙う場合、指値のほうがリスクリワード比は良いが、エントリーできないこともある
- 終わりの目安は、ミドルバンド割れなど。ただし、割れた時点では、すでに大きく戻っていることが多い
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
