ボリンジャーバンドとは?計算方法・見方・使い方

目次

ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとは、移動平均線を中心に、その上下に、価格のばらつき(標準偏差)を使って引いた、帯状のラインのことです。米国のジョン・ボリンジャー氏が考案したとされ、価格が、平均からどれくらい離れているかを、「統計的なばらつき」で測るために、広く使われています。チャート上に表示する、トレンド系・ボラティリティ(変動の大きさ)系の指標です。移動平均線(SMA)については、別の記事で解説しています。

ライン内容
ミドルバンド中心線。一般に、20期間の単純移動平均線(20SMA)
アッパーバンド(+1σ・+2σ・+3σ)ミドルバンドの上側のライン
ロワーバンド(−1σ・−2σ・−3σ)ミドルバンドの下側のライン

σ(シグマ)は、標準偏差を表します。標準偏差とは、「価格が、平均のまわりに、どれくらいばらついているか」を表す数値です。

計算方法

ミドルバンド = N期間の終値の単純移動平均
標準偏差(σ)= N期間の終値の、平均からのばらつき
アッパーバンド = ミドルバンド + 標準偏差 × k
ロワーバンド   = ミドルバンド − 標準偏差 × k
(kは、倍率。1・2・3などを使う)

一般的な設定は、期間20、倍率2(±2σ)です。標準偏差は、「各終値と平均の差」を2乗して平均し、その平方根をとって求めます。

計算例:5本の終値で計算する

手計算しやすいように、5期間で計算します(実際には、20期間などを使います)。終値は、150.10円、150.30円、150.20円、150.50円、150.60円です。

平均(ミドルバンド)= (150.10 + 150.30 + 150.20 + 150.50 + 150.60)÷ 5
                   = 751.70 ÷ 5 = 150.34円

平均との差        = −0.24、−0.04、−0.14、+0.16、+0.26
差の2乗           = 0.0576、0.0016、0.0196、0.0256、0.0676
2乗の合計         = 0.172
分散              = 0.172 ÷ 5 = 0.0344
標準偏差(σ)      = √0.0344 ≒ 0.1855円(約18.5pips)

±2σのバンドは、次のとおりです。

アッパー(+2σ)= 150.34 + 0.1855 × 2 ≒ 150.711円
ロワー(−2σ)  = 150.34 − 0.1855 × 2 ≒ 149.969円

最新の終値は、150.60円です。バンドの中で、どの位置にあるかを、「%b(パーセントビー)」で見ることもできます。

%b = (価格 − ロワー)÷(アッパー − ロワー)
   = (150.60 − 149.969)÷(150.711 − 149.969)
   = 0.631 ÷ 0.742 ≒ 0.85

%bが1ならアッパーバンド、0ならロワーバンド、0.5ならミドルバンド上です。0.85は、アッパーに近い位置だと分かります。なお、標準偏差の求め方には、「n」で割る方法と、「n−1」で割る方法があります。ボリンジャーバンドでは、「n」で割る方法が、一般に使われますが、チャートソフトによって、異なる場合があります。

「約95%」は、FXでは、そのまま信じない

価格の変動が、「正規分布」に従うと仮定すると、次の確率が、目安になります。

範囲範囲に収まる確率の目安
±1σ約68%
±2σ約95%
±3σ約99.7%

「±2σの外に出る確率は、約5%だから、そこは行き過ぎ」と説明されることが、よくあります。ただし、実際の為替の値動きは、正規分布よりも、「極端な値動きが起こりやすい」(裾が厚い)ことが知られています。また、移動平均線の期間内で見た、標準偏差を使っているだけで、「次の足が、必ず範囲に収まる」という意味では、ありません。この確率は、「統計上の目安」であり、FXの勝率を示す数字ではありません。

ボリンジャーバンドが示すこと

バンドの幅が狭い = 直近の値動きが、小さい
バンドの幅が広い = 直近の値動きが、大きい
価格がバンドの外側 = 直近の平均から、大きく離れている
読み取れること内容
ボラティリティ(変動の大きさ)バンドの幅で分かる。広がると大きく、狭まると小さい
価格の位置ミドルバンドより上か下か、どの帯にいるか
行き過ぎの目安±2σなどに、触れたか、超えたか
トレンドの方向ミドルバンドの傾き

バンドの幅は、価格の変動に合わせて、自動的に広がったり、狭まったりします。図でも、値動きが小さい場面ではバンドが狭く、値動きが大きい場面では、広がっています。この点が、固定の幅で引く、他のバンド(エンベロープなど)との違いです。エンベロープについては、別の記事で解説しています。

期間・倍率による違い

期間を短くする期間を長くする
バンドの動き価格に敏感に反応するゆっくり動く
触れる回数多い少ない
ダマシ多い少ない
倍率を小さく(例:1σ)倍率を大きく(例:3σ)
価格が触れる頻度高い低い
見方トレンド中の押しの目安など極端な値動きの目安

期間20・倍率2は、最もよく使われる設定ですが、「最適な設定」は、通貨ペア・時間足・相場の状況で変わります。決まった正解はありません。

他の指標との違い

ボリンジャーバンド移動平均線乖離率エンベロープRSI
測るもの平均からの距離を、標準偏差の何倍かで平均からの距離を、割合で平均から、固定の割合で離れた線上昇と下落の勢いの比率
帯の幅値動きに応じて、変わる(帯はない)固定(帯はない)
表示チャート上別ウィンドウチャート上別ウィンドウ

乖離率は、ボリンジャーバンドの考え方を、1本の数値にしたものとも言えます。移動平均線乖離率、RSIについては、別の記事で解説しています。

使い方

1. レンジでの逆張りの目安にする

レンジ相場では、価格が、バンドの上下で反転しやすいと考えて、±2σに触れたあと、ミドルバンドに戻る動きを狙う方法があります。

計算例:ロワーバンドからの戻り買い

ミドルバンドが150.34円、−2σが149.97円(上の例の値を丸めたもの)で、レンジ相場だとします。価格が−2σに触れたあと、下ヒゲの陽線が、150.05円で確定しました。直近安値は、149.93円です。損切りは、直近安値の8pips下(149.85円)、利益確定は、ミドルバンド(150.34円)とします。

149.97円に指値で買う場合

エントリー 149.97円、損切り 149.85円、利確 150.34円
リスク   = 149.97 − 149.85 = 0.12円(12pips)
リワード = 150.34 − 149.97 = 0.37円(37pips)
リスクリワード比 = 37 ÷ 12 ≒ 3.1

反発の陽線が確定した終値(150.05円)で買う場合

エントリー 150.05円、損切り 149.85円、利確 150.34円
リスク   = 150.05 − 149.85 = 0.20円(20pips)
リワード = 150.34 − 150.05 = 0.29円(29pips)
リスクリワード比 = 29 ÷ 20 ≒ 1.5

指値のほうが、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、−2σの手前で反発すると、エントリーできません。また、そのまま−2σを割り込むと、損切りになります。反発を確認してから入るほうが、ダマシは減りやすい一方、リスクリワード比は下がります。さらに、ミドルバンドとバンドの位置は、時間とともに動くため、目標の位置は、見直す必要があります。

2. トレンドの方向を見る

ミドルバンドが右上がりで、価格が、ミドルバンドと+1σの間を推移している場合は、上昇トレンドが続いていると見る考え方があります。ミドルバンドの傾きについては、別の記事で解説しています。

3. バンドの幅から、相場の状態を見る

バンドが狭まると、値動きが小さい状態で、その後に、大きく動き出すことがあります。ただし、方向は、バンドの幅だけでは分かりません。スクイーズとエクスパンション、バンドウォークについては、別の記事で解説しています。

注意点

1. バンドに触れても、反転するとは限らない

強いトレンドでは、価格が、バンドに沿って動き続けることがあります。バンドウォークと呼ばれる動きで、逆張りは、特に注意が必要です。

2. 「約95%」を、勝率と考えない

FXでは、極端な値動きが、正規分布より起こりやすいことが、知られています。確率の数字は、あくまで統計上の目安です。

3. 設定が違うと、見え方が変わる

期間・倍率・標準偏差の計算方法が違うと、バンドの位置も変わります。他人のチャートと、そのまま比べないようにしましょう。

4. ミドルバンドの遅れがある

ミドルバンドは、移動平均線のため、トレンドの転換には、遅れて反応します。

5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意

急変動で、バンドが一気に広がることが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。

6. 足が確定するまで、分からない

進行中の足は、バンドに触れたように見えても、確定までに戻ることがあります。バンドの位置も、足の動きとともに変わるため、確定後に判断しましょう。

初心者が間違えやすいポイント

バンドに触れたら、すぐに逆張りする

トレンドが強いと、バンドに沿って動き続けます。ローソク足の形など、他の根拠も、あわせて確認しましょう。

「95%の確率で戻る」と考える

±2σの外に出る確率の目安が約5%だとしても、「戻る確率が95%」という意味ではありません。

バンドの幅の変化を、見ない

バンドが狭いのか、広いのかで、相場の状態は変わります。幅の変化も、あわせて見ましょう。

期間・倍率を、頻繁に変える

結果が悪いたびに、設定を変えると、過去のチャートに合わせただけになり、将来には通用しにくくなります。

検証せずに、使う

「ボリンジャーバンドで逆張りすれば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • ボリンジャーバンドは、移動平均線(一般に20SMA)を中心に、標準偏差を使って上下に引いた帯。一般的な設定は、期間20・倍率2
  • バンドの幅は、値動きの大きさに応じて、自動で広がったり、狭まったりする
  • 標準偏差は、「平均との差の2乗の平均」の平方根。5本の例では、約18.5pips
  • 正規分布なら、±2σに約95%が収まるが、FXでは、極端な値動きが起こりやすく、勝率の数字ではない
  • レンジでの逆張りの目安、トレンドの方向、値動きの大きさを見るために使う
  • 指値のほうがリスクリワード比は良くなるが、エントリーできないこともある
  • 強いトレンドでは、バンドに沿って動き続ける
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

目次