トレンドラインとは
トレンドラインとは、チャート上の高値同士、または安値同士を結んだ、斜めの直線のことです。トレンドの方向と、勢いを視覚的に確認するために使います。
| 種類 | 結ぶ点 | 線の向き | 役割 |
|---|---|---|---|
| 上昇トレンドライン | 安値と安値 | 右上がり | 下落を支える(サポート) |
| 下降トレンドライン | 高値と高値 | 右下がり | 上昇を抑える(レジスタンス) |

サポート・レジスタンスが水平の線であるのに対し、トレンドラインは斜めの線です。時間とともに、線の価格が動いていく点が違います。
上昇トレンドラインの引き方
基本の手順
- 上昇トレンドの中で、目立つ安値を2つ選ぶ(2つ目は、1つ目より高い)
- その2つの安値を、直線で結ぶ
- 線を右(未来)に延長する
- 3つ目の安値が、線の付近で反発するかを確認する
上昇トレンドラインのポイント
- 安値を結ぶ(ローソク足の下側)
- 線は、ローソク足の下を通る(ローソク足を貫通しないのが理想)
- 安値の切り上げが続いている間だけ、意味を持つ
下降トレンドラインの引き方
基本の手順
- 下降トレンドの中で、目立つ高値を2つ選ぶ(2つ目は、1つ目より低い)
- その2つの高値を、直線で結ぶ
- 線を右(未来)に延長する
- 3つ目の高値が、線の付近で反落するかを確認する
下降トレンドラインのポイント
- 高値を結ぶ(ローソク足の上側)
- 線は、ローソク足の上を通る
- 高値の切り下げが続いている間だけ、意味を持つ
2点で引けるが、3点目で有効性が確認される
トレンドラインは、2点があれば引けます。ただし、2点だけでは、「たまたま」の可能性があります。
| 触れた回数 | 位置づけ |
|---|---|
| 2点 | 仮のライン(まだ有効かどうか分からない) |
| 3点 | 有効性が確認されたライン(意識されていると考えられる) |
| 4点以上 | 強く意識されているライン。ただし、突破されやすくなるとも言われる |
3点目で、実際に反応したときに、そのラインは信頼度が上がると見なされます。
引くときのコツ
1. 長い時間足から引く
日足・4時間足などの長い時間足で引いたラインは、多くの参加者に意識されやすいため、重要です。
2. 目立つ高値・安値を結ぶ
はっきりした山・谷を選びます。小さな上下まで、すべて結ぼうとしないことが大切です。
3. ヒゲの先か、実体の端か
サポート・レジスタンスと同じく、ヒゲの先を結ぶ方法と、実体の端を結ぶ方法があります。どちらが正しいということはなく、ルールを決めて統一することが大切です。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| ヒゲの先 | 反応した価格を、正確に押さえやすい |
| 実体の端 | ヒゲのノイズに左右されにくい |
4. 線を引きすぎない
何本も引くと、どれが重要か分からなくなります。主要なライン1〜2本に絞りましょう。
5. 急すぎる線は、長続きしにくい
線の角度が急な場合、トレンドが急ぎすぎているため、長続きしにくいと言われます。傾きが緩やかな線のほうが、安定していると考える人もいます。なお、線の角度は、チャートの縮尺(拡大・縮小)で見え方が変わるため、角度の数値には、こだわりすぎないのがよいでしょう。
ラインの価格を計算する
トレンドラインは斜めなので、時間がたつと、線の価格が変わります。将来の、線の価格を計算しておくと、注文やアラートの設定に役立ちます。
計算例
1時間足で、上昇トレンドラインを次のように引いたとします。
| 点 | 価格 | 位置 |
|---|---|---|
| 安値① | 149.00円 | 基準(0本目) |
| 安値② | 149.60円 | 20本後 |
値幅 = 149.60 − 149.00 = 0.60円(60pips)
1本あたり = 60pips ÷ 20本 = 3pips/本(= 0.03円/本)
50本目の、ラインの価格は、次のようになります。
ラインの価格 = 149.00 + 0.03 × 50 = 150.50円
50本目のあたりで、150.50円付近まで下がってきたら、ラインで反発するかを確認する、という使い方ができます。多くのツールでは、ラインにカーソルを合わせると、価格が表示されるため、実際には計算しなくても確認できます。
トレンドラインの使い方
1. トレンドの方向と、強さを確認する
- 上昇トレンドラインが機能している → 上昇トレンドが続いている
- ラインの傾きが緩やか → トレンドが弱まっている可能性
- ラインから、大きく離れて上昇 → 過熱気味の可能性
2. 押し目買い・戻り売りの目安にする
| トレンド | ラインの使い方 |
|---|---|
| 上昇 | ラインまで押してきたら、買いを検討 |
| 下降 | ラインまで戻してきたら、売りを検討 |
損切りは、ラインの少し先(上昇なら少し下、下降なら少し上)に置きます。ラインを明確に割ったら、前提が崩れたためです。
3. ブレイクで、トレンド変化を見る
ラインを、明確にブレイクすると、トレンドの変化のサインと見られます。
| ブレイク | 見方 |
|---|---|
| 上昇トレンドラインを、下に割る | 上昇の勢いが弱まった。下落への転換の可能性 |
| 下降トレンドラインを、上に抜ける | 下落の勢いが弱まった。上昇への転換の可能性 |
ブレイクの確認ポイント
- ローソク足の終値で、ラインを明確に超えているか
- 勢いのあるローソク足で突破したか
- ブレイク後、戻ってきても、ラインを越えたままか(役割転換が起きているか)
ヒゲだけでラインを越えて、すぐ戻る場合は、ダマシの可能性があります。ブレイクアウトとダマシについては、別の記事で解説しています。ラインの役割転換については、ロールリバーサルとして、別の記事で解説しています。
ラインを引き直す
トレンドラインは、一度引いたら終わりではありません。
引き直すタイミング
- 新しい安値(高値)ができ、より合うラインが見つかったとき
- ラインを割ったが、トレンドは続いているとき(より緩やかな線に、引き直す)
- トレンドが加速して、ラインから大きく離れたとき(より急な線を、新たに引く)
割れても、トレンドは終わっていないことがある
上昇トレンドラインを割ったあとに、高値を更新して、上昇が続くこともあります。このときは、ラインを引き直して、新しいトレンドの角度を見ます。ラインを割った=必ずトレンド終了ではありません。高値・安値の切り上げが維持されているかもあわせて確認しましょう。
トレンドラインの注意点
1. 引く人によって、ラインが違う
どの点を結ぶかによって、ラインは変わります。正解のラインがあるわけではありません。
2. 後付けで、合わせてしまいやすい
過去のチャートでは、きれいにラインが引けるように見えても、リアルタイムでは、迷うことがほとんどです。ラインを都合よく引かないことが大切です。
3. ラインは「ゾーン」として見る
ぴったり線上で反発するとは限りません。少し手前で反発したり、少し突き抜けて戻ったりします。
4. 時間足で、ラインは違う
日足のラインと1時間足のラインは、別のものです。どの時間足のラインかを、意識しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
2点だけで、ラインを信用する
2点では、ラインが有効かどうか、分かりません。3点目の反応を確認してから、判断材料にします。
ローソク足を貫通するラインを、引く
ローソク足を、何本も貫通するラインは、意味が薄いことが多いです。ローソク足の下(または上)を通る線を探しましょう。
無理に線を引く
トレンドがはっきりしないときに、無理にラインを引こうとすると、根拠の薄い線になります。レンジのときは、水平のサポート・レジスタンスを使います。
線を割ったらすぐ逆張りする
**ラインのブレイクは、トレンド変化の「可能性」**です。すぐに逆張りで入ると、トレンドが続いた場合に損失になります。確認を待つことが、一般的です。
線を引きすぎる
何本も引いて、どの線も重要に見える状態では、判断できません。
まとめ
- トレンドラインは、高値同士、または安値同士を結んだ、斜めの直線
- 上昇トレンドラインは安値を結ぶ(右上がり)、下降トレンドラインは高値を結ぶ(右下がり)
- 2点で引けるが、3点目で反応して初めて、有効性が確認される
- 長い時間足で、目立つ高値・安値を結び、引きすぎない
- 押し目買い・戻り売りの目安、トレンド変化(ブレイク)の確認に使える
- ラインを割っても、トレンドが続くこともある。引き直しが必要になる
- 終値でのブレイク、戻りの動きまで確認し、ダマシに注意する
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。トレンドラインの解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
