ロールリバーサルとは
ロールリバーサルとは、サポートラインとレジスタンスラインが、突破されたあとに、役割が入れ替わる現象のことです。日本語では役割転換と呼ばれます。
| 突破の方向 | 突破前 | 突破後 |
|---|---|---|
| 上に突破 | レジスタンス(上昇を止める線) | サポート(下落を支える線)に変わる |
| 下に突破 | サポート(下落を支える線) | レジスタンス(上昇を止める線)に変わる |

図の左側では、150.00円付近で何度も上昇を止められた線(レジスタンス)を、上に突破したあと、戻ってきたときに、その線が支えとなって反発しています。右側は、その逆の動きです。
レジサポ転換、サポレジ転換などと呼ばれることもあります。
なぜ役割が入れ替わるのか
ロールリバーサルが起きる理由は、参加者の心理と注文の動きから、次のように説明されます。
レジスタンスが、サポートに変わる理由
1. 売り方の損切り(買い戻し)が入る
レジスタンスで売っていた人は、そのラインを上に突破されると、損切りの買い戻しをします。この買いが、突破の勢いを強め、ラインの上に、買いの注文の履歴を残します。
2. 「押し目で買おう」という人が待っている
突破を見逃した人や、さらに買い増したい人は、突破した線まで戻ったら買おうと、その付近に買い注文を置くことがあります。
3. 「あの線が重要」という共通認識
多くの参加者が、その価格帯を意識しているため、突破後も、同じ価格帯が意識されます。意識されるから、反応する、という面があります。
サポートが、レジスタンスに変わる理由
サポートを下に突破すると、同じ仕組みが逆に働きます。
- サポートで買っていた人が、損切りの売りをする
- 突破前に買って、含み損になった人が、元の価格に戻ったら、売って損失を減らしたいと考える(やれやれ売り)
- 戻りを待って、売りたい人が、突破した線付近に売り注文を置く
ロールリバーサルの流れ
ロールリバーサルは、次の流れで起こります(上抜けの例)。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 抵抗される | ある価格帯で、上昇が何度も止められる(レジスタンス) |
| ② 突破する | 上に突破する(ブレイクアウト) |
| ③ 戻ってくる | 突破した線まで、価格が戻る(プルバック、リテスト) |
| ④ 反発する | その線が支えとなって、反発する(サポートに変化) |
| ⑤ 再び上昇 | 上昇が再開する |
突破後に戻ってきた値動きを、プルバックやリテストと呼びます。ブレイクアウト後のリテストについては、別の記事で解説しています。
ロールリバーサルの確認ポイント
ロールリバーサルが起きそうかどうかは、次の点で確認します。
| 確認する点 | 内容 |
|---|---|
| 線の強さ | 何度も反応した線か。長い時間足でも意識されているか |
| 突破の質 | 終値でしっかり突破したか。勢いのある実体の長いローソク足だったか |
| 戻りの動き | ゆるやかに戻ってきたか。急落するように戻ってきていないか |
| 反発の形 | 線の付近で、下ヒゲや陽線が出ているか |
突破の質が低い場合は、注意
- ヒゲだけで突破して、終値は線の下に戻った
- 突破後、すぐに線の下まで戻ってしまった
こうした場合は、ダマシの可能性があります。ブレイクアウトとダマシについては、別の記事で解説しています。
ロールリバーサルの使い方
使い方:役割が変わった線で、順張りを狙う
突破後に戻ってきたときに、トレンド方向のエントリーを狙います。
| 突破の方向 | エントリー | 損切りの目安 |
|---|---|---|
| 上に突破 | 戻りで、買い | 旧レジスタンス(新サポート)の少し下 |
| 下に突破 | 戻りで、売り | 旧サポート(新レジスタンス)の少し上 |
計算例(上抜けの場合)
150.00円のレジスタンスを上に突破し、戻ってきて、150.00円付近で反発したとします。
| 項目 | 価格 | 値幅 |
|---|---|---|
| エントリー(買い) | 150.05円 | — |
| 損切り | 149.80円(線の20pips下) | −25pips |
| 利益確定 | 150.80円 | +75pips |
リスク = 150.05 − 149.80 = 0.25円(25pips)
リワード = 150.80 − 150.05 = 0.75円(75pips)
リスクリワード比 = 75 ÷ 25 = 3.0
線の少し下に、損切りを置くことで、ラインが機能しなかった場合の損失を、小さく限定できます(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。
ロールリバーサルが、使いやすい理由
- 損切りの位置が明確(線を割れたら、役割転換が失敗したと判断できる)
- トレンド方向に入るため、勢いに乗りやすい
- リスクリワード比を、確保しやすい
ロールリバーサルが機能しないとき
ロールリバーサルは、必ず起こるわけではありません。
1. 線まで戻らずに、そのまま進む
突破した後、押し(戻り)がないまま、一方向に進み続けることがあります。戻りを待つと、エントリーの機会を逃すことになります。
2. 線を抜け返される
突破した線まで戻って、反発せずに、突き抜けてしまうことがあります。突破がダマシだった可能性があります。
3. 線の位置がずれる
実際に反応する価格が、引いた線から少しずれることがあります。**線ではなく、ゾーン(帯)**で考えます。
損切りのルールを、あらかじめ決める
機能しなかった場合に備え、線を明確に割ったら、損切りするルールを、事前に決めておくことが大切です。
初心者が間違えやすいポイント
突破した瞬間に、飛び乗る
突破の直後は、ダマシのリスクがあります。戻りを待って、確認してから入る方法もあります。
戻りを待ちすぎて、チャンスを逃す
戻りがないまま、上昇が続くことも多くあります。「必ず戻る」と考えないことが大切です。
どの線でも、ロールリバーサルが起きると考える
弱い線(1〜2回しか反応していない線、短い時間足の線)では、役割転換が起きにくいことがあります。
線のぴったりの価格を、狙いすぎる
ゾーンで考え、少し手前・少し先で反応することを、想定しておきましょう。
損切りを置かない
線を割ったら、役割転換は失敗です。そのまま持ち続けると、大きな損失になる可能性があります。
まとめ
- ロールリバーサルは、突破されたサポート・レジスタンスの役割が、入れ替わる現象
- 上抜けたレジスタンスはサポートに、下抜けたサポートはレジスタンスに変わる
- 理由は、損切り(買い戻し・売り)の動き、押し目・戻りを待つ注文、参加者の共通認識
- 流れは、抵抗される → 突破する → 戻ってくる → 反発する → 再び進む
- 突破の質・線の強さ・反発の形を確認する
- 線のやや先に損切りを置いて、トレンド方向に順張りする使い方がある
- 必ず起こるわけではなく、線を抜け返されることもある
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ロールリバーサルの解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
