ブレイクアウトとダマシとは?見分け方・確認方法・エントリーの考え方

目次

ブレイクアウトとは

ブレイクアウトとは、サポートライン・レジスタンスライン・トレンドラインなど、意識されていた価格の壁を、価格が突破することです。単にブレイクとも呼ばれます。

種類内容一般的な見方
上方向のブレイクレジスタンスなどを、上に突破上昇の勢いが強まる可能性
下方向のブレイクサポートなどを、下に突破下落の勢いが強まる可能性

これまで止められていた価格帯を超えるため、新しい方向への動きが始まると期待されます。

ブレイクの対象になるもの

  • 水平線(サポート・レジスタンス、以前の高値・安値、ラウンドナンバー)
  • トレンドライン・チャネルライン
  • レンジの上限・下限
  • チャートパターンのネックラインや、三角持ち合いの境界線

ダマシとは

ダマシとは、ブレイクしたように見えたものの、すぐに元の範囲へ戻ってしまい、期待した方向に進まなかった動きのことです。フェイクブレイク、フェイクアウトとも呼ばれます。

本物のブレイクダマシ
突破後の動き突破した方向に進むすぐ元の範囲に戻る
突破した線戻ってきても、越えたまま(役割転換)線の内側に、戻ってしまう
結果順張りが成功順張りが損失になる

ブレイクのたびに、ダマシが混ざることは避けられません。ダマシを完全に避ける方法はないため、ダマシが起きても損失を限定できるようにしておくことが現実的です。

なぜダマシが起こるのか

ダマシの原因として、次のようなものが挙げられます。

原因内容
損切り注文の巻き込みラインの少し先に、損切りや逆指値が集まる。それを約定させたあと、勢いが続かず、戻ることがある
利益確定の売買突破した価格帯で、利益確定の注文が出て、押し返される
薄商いでの突破参加者が少ない時間帯は、少ない注文で、ラインを超えやすい。ただし続かない
指標発表・要人発言一瞬の急変動で、ラインを越えるが、すぐに戻る
逆方向の大きな注文突破した価格帯に、反対方向の大きな注文が待っていた

「ラインを越えた」ことと、「買い(売り)の勢いが続く」ことは、別です。

ダマシを見分けるための確認ポイント

ダマシを完全に見抜く方法はありませんが、確認することで、可能性を下げることはできます。

1. 終値で確認する

ヒゲだけでラインを越えた場合と、ローソク足の終値がラインを越えた場合では、後者のほうが信頼しやすいと考えられています。

状態見方
ヒゲだけが、ラインを越えたダマシの可能性が高い(終値は、ラインの内側)
終値が、ラインを越えたブレイクの可能性が高い

2. ローソク足の実体の大きさを見る

実体の大きいローソク足で突破したか、実体の小さい足で、だらだらと越えたかを見ます。

  • 大きな実体で突破 → 勢いがある
  • 小さな実体や、長いヒゲを伴う突破 → 勢いが弱い可能性

3. ボラティリティと比べる

平均的な値動きの大きさ(ATR)と比べて、突破の大きさが十分かを確認する方法があります。ATRについては、別の記事で解説しています。

例:ATR(平均的な1本の値幅)が40pipsのとき
    ラインを越えた幅が、ATRの半分(20pips)以上あるか

数値の目安は、通貨ペアや時間足によって違います。自分で検証して、決めることが大切です。

4. ブレイク前の状態を見る

ブレイク前に、値動きが狭まっていた(エネルギーがたまっていた)場合は、ブレイクのあとに、大きく動くことがあると言われます。ラインに何度も触れ、反発を繰り返してからのブレイクは、注文が消化されて、突破しやすいとも考えられています。

5. 時間足の方向を確認する

長い時間足のトレンド方向へのブレイクは、逆行のブレイクより、続きやすいと考える人が多くいます。環境認識については、別の記事で解説しています。

6. 時間帯と、イベントを確認する

  • ロンドン時間・ニューヨーク時間など、参加者の多い時間帯のブレイクのほうが、信頼しやすい
  • 指標発表の直後のブレイクは、ダマシになりやすいため、注意が必要

ブレイクアウトの入り方

大きく分けて、3つの方法があります。

方法内容長所短所
① 突破の瞬間に入るラインを越えた瞬間に、逆指値などで買う(売る)勢いに、早く乗れるダマシに、最も巻き込まれやすい
② 終値を確認して入るローソク足が確定して、終値がラインを越えたことを確認してから入るヒゲだけのダマシを、避けやすい入る価格が不利になる
③ 戻りを待つ(リテスト)突破後に、ラインまで戻ってきて、反発してから入る損切りが近い。有利な価格戻らずに、進んでしまうことがある

③のリテストは、ラインが役割を変えて(旧レジスタンスがサポートに)、反発するところを狙う方法です。ロールリバーサルについては、別の記事で解説しています。押し目買い・戻り売りの考え方については、別の記事で解説しています。

どれが正しい、ということはありません。メリットとデメリットを理解して、ひとつのルールに統一することが大切です。

計算例:レジスタンスのブレイクアウト

150.00円のレジスタンスで、何度も上昇を止められていたとします。1時間足の終値が150.10円となり、ブレイクを確認した場合の例です。

②の例:終値を確認して入る

項目価格値幅
エントリー(買い)150.10円—
損切り149.80円(ラインの20pips下)−30pips
利益確定150.90円+80pips
リスク   = 150.10 − 149.80 = 0.30円(30pips)
リワード = 150.90 − 150.10 = 0.80円(80pips)
リスクリワード比 = 80 ÷ 30 ≒ 2.7

③の例:戻りを待って入る

ブレイク後に、150.00円付近まで戻り、反発したとします。

項目価格値幅
エントリー(買い)150.05円—
損切り149.80円(ラインの20pips下)−25pips
利益確定150.90円+85pips
リスク   = 150.05 − 149.80 = 0.25円(25pips)
リワード = 150.90 − 150.05 = 0.85円(85pips)
リスクリワード比 = 85 ÷ 25 = 3.4

同じ利益確定の価格でも、戻りを待つほうが、リスクリワード比は良くなります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。ただし、戻らずに進んだ場合は、エントリーできません。

ダマシに巻き込まれた場合の損益

②の例で、ダマシだった場合は、損切りにかかり、−30pipsです。ダマシの回数が多くても、リスクリワード比が高ければ、全体で損を抑えられることがあります。

損益分岐の勝率(リスク30pips、リワード80pipsの場合)
 = 30 ÷ (30 + 80) ≒ 27.3%

勝率が約27%を上回れば、(スプレッドなどを考えない場合)損益はプラスです。つまり、ダマシで負ける回数が多くても、損切りを小さく、利益を大きく取れれば成り立つ場合があります。これは計算上の話で、実際の勝率は、自分で検証して確かめる必要があります。

ダマシを避けるのではなく、損失を限定する

ダマシは、必ず起こるものです。「ダマシを見抜く」ことより、「ダマシでも、損失を限定する」ことのほうが、現実的です。

対策内容
損切りを必ず置くラインの内側に戻ったら、損切りと決めておく
ポジションサイズを抑えるダマシが続いても、資金が大きく減らないサイズにする
確認してから入る終値や、リテストを確認する(その分、入る価格は不利になる)
イベント前後は避ける指標発表の直前・直後は、見送る

ダマシを逆手に取る考え方

ダマシが起きた場合、元の範囲に戻る動きが強いこともあり、それを狙う考え方があります。「ブレイクしたのに戻ってきた」ことを確認して、逆方向に入る方法です。フェイクブレイクを使った売買については、別の記事で解説しています。

ただし、逆方向の動きも、ダマシ(さらなるブレイク)になることがあるため、難易度は高いです。

ブレイクアウトの注意点

1. 必ず続くわけではない

ブレイクのあとに、逆行することは、よくあります。ブレイクは、「可能性」にすぎません。

2. ラインの位置は、人によって違う

どの価格をラインとするかは人によって異なるため、ぴったりの線ではなく、ゾーンとして考えます。

3. ブレイクのあとの、急変動に注意

多くの損切りや逆指値が約定して、値動きが大きくなり、滑りが出やすいことがあります。想定より不利な価格で約定する可能性を、考えておきましょう。

4. 時間足によって、見え方が違う

1分足のブレイクと日足のブレイクでは、意味の重さが違います。どの時間足のブレイクかを、意識しましょう。

5. 後付けでは、見分けがつきやすい

過去のチャートでは、本物かダマシかが、簡単に分かるように見えます。リアルタイムでは、分からないことがほとんどです。

初心者が間違えやすいポイント

ラインを越えた瞬間に、飛び乗る

ヒゲだけの突破で、ダマシに巻き込まれやすくなります。確認の方法を、あらかじめ決めておくことが大切です。

ダマシのたびに、ルールを変える

ダマシが続いたからと、すぐにルールを変えると、検証ができなくなります。一定の回数を記録して、判断しましょう。

損切りを置かない・動かす

「戻ってくるはず」と、損切りを遅らせたり、外したりすると、大きな損失につながります。

すべてのブレイクを、取ろうとする

勢いのないブレイク、ヒゲだけのブレイク、指標発表の直後のブレイクなど、条件が悪いものは、見送ることも大切です。

ダマシを、完全に避けようとする

確認を重ねるほど、入る価格が不利になり、そもそも入れないことも増えます。ダマシは、一定の割合で起きるものとして、受け入れる考え方が必要です。

まとめ

  • ブレイクアウトは、サポート・レジスタンス・トレンドラインなどを、価格が突破すること
  • ダマシは、ブレイクしたように見えて、すぐ元の範囲に戻る動き。避けることはできない
  • 原因は、損切りの巻き込み、利益確定、薄商い、指標発表など
  • 確認ポイントは、終値、実体の大きさ、ボラティリティ、ブレイク前の状態、長い時間足の方向、時間帯
  • 入り方は、①突破の瞬間、②終値を確認、③戻り(リテスト)を待つの3つ。それぞれ長所と短所がある
  • ダマシを見抜くより、ダマシでも損失を限定することが現実的
  • 損切りを必ず置く。必ず続くわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。ブレイクアウトの解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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