押し目と戻りとは?見分け方・入り方・反転との違い

目次

押し目と戻りとは

押し目と戻りは、トレンドの途中で起こる、一時的な逆行のことです。

用語起こる場所動き狙う売買
押し目上昇トレンドの途中上昇の途中で、一時的に下がる押し目買い
戻り下降トレンドの途中下落の途中で、一時的に上がる戻り売り

トレンドの方向に、あとから乗るための場所として、広く使われる考え方です。プルバックとも呼ばれます(英語では、押し目も戻りも、まとめてプルバックと言うことが多いです)。

「押し目」は上昇トレンドの中で使う言葉、「戻り」は下降トレンドの中で使う言葉、と覚えておけば十分です。

なぜ押し目・戻りで入るのか

トレンドの途中で飛び乗ると、直後に逆行して、含み損になりやすい面があります。押し目・戻りを待つと、次のような利点があります。

利点内容
損切りを近くに置ける「ここを割ったら考えが違った」という位置が、はっきりする
有利な価格で入れる高値を追うより、安い価格(売りなら高い価格)で入れる
リスクリワードを確保しやすい損切りが近く、利益確定の目標は遠くに置ける

一方で、押し目を待っていたのに、押さずに上がり続けることも、よくあります。この点は、後半の注意点で説明します。

押し目・戻りの見つけ方

押し目・戻りは、「どこまで下がったら押し目なのか」が分からないと、使えません。「押し目になりやすい場所」を、あらかじめ探しておきます。

押し目(戻り)になりやすい場所

場所内容
水平線以前の高値・安値や、サポート・レジスタンス。上昇なら、上抜けた旧レジスタンスが、サポートに変わる位置(ロールリバーサル)
トレンドライン上昇なら、安値を結んだライン付近
チャネルライン上昇チャネルの下限付近(下降なら上限)
移動平均線20本、50本などの移動平均線付近
フィボナッチ・リトレースメント38.2%、50%、61.8%などの戻し水準
ラウンドナンバー150.00円のような、キリのよい価格

それぞれの詳細は、別の記事で解説しています。

重なっているほど、意識されやすい

ひとつの根拠だけより、複数の根拠が同じ価格帯に重なっているほうが、意識されやすいと考えられています。

例:上昇トレンドで、
    ・150.00円(キリ番)
    ・以前の高値(旧レジスタンス)が150.00円付近
    ・上昇トレンドライン が150.05円付近
    → 150.00〜150.05円付近に、根拠が3つ重なっている

このような位置は、押し目買いの候補として、注目しやすくなります。

押し目と反転の見分け方

最も難しく、最も重要な問題です。押し目だと思って買ったら、実は反転(トレンド終了)だったということが、起こります。

見分けるための目安

観点押し目(トレンド継続)反転(トレンド終了)
下げ(戻し)の勢い小さな実体、ゆっくり下がる大きな陰線で、急に下がる
下げの値幅直前の上昇より、小さい直前の上昇を、上回る
直近の安値割らない(安値の切り上げが維持)割る(安値の切り下げに変わる)
サポートの反応サポートで、下ヒゲなどの反発サポートをあっさり割る

一番はっきりした判断基準は、直近の安値を割るかどうかです。上昇トレンドは、高値・安値の切り上げで成り立っているため、直近の安値を明確に割ると、押し目ではなく、トレンドの変化の可能性が出てきます。安値・高値の切り上げ・切り下げについては、別の記事で解説しています。

「押し目の失敗」を、あらかじめ決めておく

どこまでなら押し目、どこを超えたら反転という境界を、エントリーの前に決めておくことが大切です。この境界が、そのまま損切りの位置になります。

押し目買い・戻り売りの入り方

入り方は、大きく2種類

方法内容長所短所
① 指値で待つ押し目になりそうな価格に、あらかじめ指値を置く有利な価格で入れる。損切りが近い反発せずに突き抜けると、そのまま損失になる
② 反発を確認してから入る反発を示すローソク足を確認してから、買う突き抜けるケースを、避けやすい入る価格が不利になる。そのまま戻らず、入れないこともある

どちらが正しい、ということはありません。自分のルールを決めて、統一することが大切です。

反発を確認するときに、使われるサイン

  • 下ヒゲの長いローソク足(ピンバーなど)
  • 陰線のあとの、大きな陽線(包み足など)
  • 短い時間足での、高値・安値の切り上がり

ローソク足のパターンについては、別の記事で解説しています。

短い時間足と長い時間足の組み合わせ

長い時間足(4時間足・日足)でトレンドの方向と押し目の位置を決め、短い時間足(15分足・1時間足)でエントリーのタイミングを見る、という使い方が一般的です。時間足の組み合わせについては、別の記事で解説しています。

計算例:上昇トレンドでの押し目買い

1時間足の上昇トレンドで、次のような状況だったとします。

項目価格
直近の高値151.00円
直近の安値150.00円
押し目の候補150.45円付近(旧レジスタンス + トレンドライン)

150.45円付近まで下がってきて、下ヒゲのローソク足で反発したため、150.45円で買う場合の例です。

項目価格値幅
エントリー(買い)150.45円—
損切り150.15円(押し目の候補より30pips下)−30pips
利益確定151.25円(直近高値151.00円を、少し超えた位置)+80pips
リスク   = 150.45 − 150.15 = 0.30円(30pips)
リワード = 151.25 − 150.45 = 0.80円(80pips)
リスクリワード比 = 80 ÷ 30 ≒ 2.7

損切りは、「押し目の根拠が崩れる位置」(ここでは、旧レジスタンスとトレンドラインの両方を割る位置)に置いています。根拠が崩れたら、押し目ではなく、反転の可能性があるため、その位置で損切りします(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。

下降トレンドでの戻り売りは、上下を逆にして考えるだけです。

押し目・戻りの注意点

1. 押さない(戻らない)ことが多い

強いトレンドでは、押し目らしい押し目がないまま、上がり続けることがよくあります。押し目を待ち続けて、そのまま乗れないことも、トレンドの一部です。「必ず押す」とは、考えないことが大切です。

2. 深い押しになることもある

浅い押しで、すぐ再上昇する場合もあれば、大きく押してから、再上昇する場合もあります。最初の候補で止まらないことは、よくあります。どこまでを許容するかを、損切りの位置と合わせて決めておきます。

3. 「落ちるナイフ」をつかまない

急落の途中で「安くなった」と買うのは、押し目買いではなく、逆張りです。勢いよく下がっている最中に入らず、下げが落ち着き、反発の兆しを確認する、という考え方があります。

4. トレンドが終わっていないか、確認する

押し目を狙う前提は、トレンドが続いていることです。トレンドがすでに終わっている場合、押し目買いは、ただの逆張りになります。

5. 指標発表・要人発言の前後は、特に注意

値動きが急に大きくなり、押し目の候補を、一気に通過することがあります。

初心者が間違えやすいポイント

少し下がっただけで、押し目だと思う

どこが押し目の候補か、根拠がないまま買うと、そのまま下がり続けてしまいます。根拠のある場所で待ちましょう。

損切りを置かない

「押し目なのだから、戻るはず」と、損切りを置かないのは危険です。押し目が失敗した場合に備え、必ず損切りを置くことが大切です。

トレンドがない場面で、押し目買いをする

レンジ相場では、上昇・下降の方向がないため、押し目買い・戻り売りは、成り立ちにくいものです。まずトレンドがあるかどうかを確認します。

一度の押し目で、取り返そうとする

押し目が失敗したあとに、取り返そうと、すぐ再エントリーを繰り返すと、損失が膨らみやすくなります。

長い時間足の方向に、逆らう

短い時間足では上昇に見えても、長い時間足が下降トレンドだと、押し目買いが、長い時間足の戻りにすぎないことがあります。長い時間足の方向を確認しましょう。

まとめ

  • 押し目は上昇トレンドの途中の一時的な下げ、戻りは下降トレンドの途中の一時的な上げ
  • トレンド方向に、有利な価格で乗るための場所として使われる
  • 水平線・トレンドライン・チャネル・移動平均線・フィボナッチ・キリ番などが、押し目の候補になる。複数が重なるほど意識されやすい
  • 押し目と反転の判断は、直近の安値(高値)を割るかどうかが、はっきりした目安
  • 入り方は、指値で待つ方法と、反発を確認してから入る方法がある
  • 損切りは、押し目の根拠が崩れる位置に置く
  • 押さずに進むことも、深く押すこともある。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。押し目・戻りの解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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