出来高とティックボリュームとは?FXで使うときの注意点

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出来高とは

出来高(できだか)とは、一定の期間に、売買が成立した数量のことです。英語ではボリューム(Volume)と呼ばれます。

株式の場合、その日に売買された株数が、取引所で集計され、公表されます。出来高が多いほど、多くの参加者が売買したことになり、相場への注目度や、勢いを測る材料になります。

出来高が増える出来高が減る
多くの参加者が売買している参加者が少ない
相場が活発になっている相場が閑散としている
値動きが大きくなりやすい値動きが小さくなりやすい

FXには、本当の出来高がない

実は、FXには、世界全体の出来高を示す公式なデータがありません。

理由:FXは「相対取引」だから

株式は、取引所に注文が集まり、すべての売買が集計されます。一方、FXは、銀行・FX会社・ヘッジファンド・個人などが、それぞれ直接取引する(相対取引)市場です。

株式(取引所取引)店頭FX(相対取引)
取引の場取引所特定の場所がない(銀行間・FX会社など)
出来高の集計全体を集計できる全体を集計する仕組みがない
出来高の公表ありなし(会社ごとの情報のみ)

FX会社が、自社の口座での取引量を知ることはできますが、市場全体の取引量は誰にも分かりません。

ティックボリュームとは

そこで、FXのチャートでは、出来高の代わりに「ティックボリューム」が使われます。

ティックとは

ティック(Tick)とは、レートが1回更新されることです。レートが変わるたびに、1ティックと数えます。

ティックボリュームとは

ティックボリューム(Tick Volume)とは、一定の期間(1本の足)に、レートが更新された回数です。

ティックボリューム = 1本の足の間に、レートが変化した回数

売買の数量ではなく、価格が動いた回数を数えている、という点が、出来高との違いです。

例

5分足で、次のような状況だったとします。

時間帯ティック数状況
閑散時間帯の5分間約80回値動きが少ない
通常の5分間約200回通常の値動き
経済指標の発表直後の5分間約600回レートが激しく更新される

ティックが多い=レートの更新が活発=市場が活発、と見なされます。

なぜティックボリュームが出来高の代わりになるのか

取引が活発になれば、レートの更新(ティック)も増えます。このため、ティックボリュームは、実際の出来高と、似た動きをする傾向があると一般に考えられています。

ただし、次の点には注意が必要です。

  • ティックボリュームは、売買の数量そのものではない
  • あくまで「傾向として似ている」とされるもので、常に一致するわけではない
  • 1回のティックで、1万通貨の取引も、1億通貨の取引も、同じく「1」と数えられる

ティックボリュームの確認方法

MT4・MT5の場合

  • メニューの「挿入」→「インディケータ」→「ボリューム」→「Volumes」から、チャートの下部に、棒グラフで表示できる
  • MT4・MT5のFXチャートのボリュームは、ティックボリューム
  • 棒の色は、前の足より増えたか、減ったかで変わる設定になっていることが多い

TradingViewの場合

  • 「インジケーター」から「ボリューム」を追加する
  • FX(外国為替)のボリュームは、ブローカーや、データ提供元のティックボリュームが表示されることが多い
  • 提供元によって、数値が異なる

※ ツールやバージョンによって、操作や表記は異なります。

ティックボリュームの読み方

基本:相対的に見る

ティックボリュームの数字そのものに、意味はありません。直近の足や、平均と比べて、増えているか、減っているかを見ます。

計算例:直近平均との比較

直近20本の5分足の、平均ティックボリュームが200だったとします。

足ティックボリューム平均(200)との比較
現在の足520200 × 2.6 = 520 → 平均の2.6倍
比較 = 現在のティックボリューム ÷ 直近の平均 = 520 ÷ 200 = 2.6倍

平均を大きく超えているため、この足では、通常より多くの参加者が動いていると見られます。何倍からを「多い」とするかには、決まった基準はありません。自分でチャートを見て、基準を決めておくことが大切です。

価格の動きと組み合わせる

価格の動きティックボリューム読み取れること
上昇増加上昇に勢いがある(参加者が増えている)
上昇減少上昇の勢いが弱い(参加者が減っている)
下落増加下落に勢いがある
下落減少下落の勢いが弱い
レンジ(横ばい)減少様子見。次の動きに備えている可能性
レンジ(横ばい)急増ブレイク(上抜け・下抜け)の可能性

これらは、あくまで一般的な目安です。

具体的な見方

ブレイクの確認

水平線やレンジを上抜けたとき、

  • ティックボリュームが増えている:本物のブレイクの可能性が高い(多くの参加者が、動いた)
  • ティックボリュームが少ない:ダマシの可能性(参加者が少ない動き)

高値圏・安値圏での急増

大きく上昇した後の高値圏で、ティックボリュームが急増し、長い上ヒゲが出た場合、買いが一巡し、売りが入ってきた可能性があります。

経済指標・イベント時

重要な経済指標の発表や、要人発言のときには、ティックボリュームが急増します。

時間帯による違いに注意

FX市場は、時間帯によって、参加者の数が変わります。

時間帯(日本時間の目安)参加者・ティックの傾向
東京時間(朝〜夕方)比較的少なめ
ロンドン時間(夕方〜夜)増加
ニューヨーク時間(夜〜深夜)多い(ロンドンと重なる時間帯が最も活発)
早朝・週明け・年末年始非常に少ない

※ 夏時間・冬時間で、1時間ずれます。

時間帯が違えば、ティックボリュームの水準は違います。同じ時間帯の、他の日と比べるのが、より正確な見方です。

ティックボリュームの注意点

1. FX会社(ブローカー)によって、数値が異なる

ティックボリュームは、その会社が配信したレートの更新回数です。配信するレートの頻度が違えば、同じ時間帯でも、数値は変わります。複数の会社の数値を、そのまま比べることはできません。

2. 実際の取引量ではない

大口の取引と小口の取引が、同じ1回として数えられます。大口が動いても、ティックが増えないことがあります。

3. 売りと買いの区別ができない

ティックボリュームが多くても、買いが多いのか、売りが多いのかは分かりません。価格の動きとあわせて、判断します。

4. 値動きが大きいほど、ティックが増えるだけ、ということもある

値動きが大きくなれば、レートの更新も増えるため、ティックボリュームは、ボラティリティ(値動きの大きさ)と、ほぼ同じ情報になりがちです。価格の動き以上の情報が得られるとは限らない点に注意が必要です。

FXで、本当の出来高を見る方法

実際の取引量を見たい場合は、次のような方法があります。

取引所FX(くりっく365など)

取引所を通して取引するFXでは、取引所全体の出来高と、建玉(未決済のポジション数)が公表されます。国内の取引所取引に限られる点には注意が必要です。

通貨先物(CMEなど)

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などでは、ユーロ/米ドル・円/米ドルなどの通貨先物が取引されています。先物の出来高は、為替市場全体の動向を、おおまかに反映していると考える人もいます。

  • 先物は限月があり、期限が近づくと出来高が移動するため、読み方に注意が必要
  • 先物の価格と、店頭FXのレート(スポット)は、完全には一致しない

IMMポジション(CFTCの建玉報告)

米国の商品先物取引委員会(CFTC)が、週に1回、通貨先物の建玉を公表しています。投機筋のポジションの傾向を知る参考になります。これについては、別の記事で解説しています。

ティックボリュームの使い方

使い方の例

  • ブレイクのときに、ティックボリュームが増えているかを確認する
  • ローソク足の形や、水平線とあわせて見る
  • 経済指標・時間帯による、ティックの増減を知る(いつ相場が動きやすいかの目安)
  • トレンドの途中で、ティックが減っていないかを見る(勢いの衰えの確認)

使うときのポイント

  • 補助的に使う:ティックボリュームだけで、売買を決めない
  • 時間帯を揃えて比べる
  • 直近の平均との比較を、基準にする

初心者が間違えやすいポイント

ティックボリュームを、実際の出来高だと思う

FXの出来高は、売買の数量ではなく、レートの更新回数です。株式のような出来高とは、性質が違います。

数字の大きさだけで判断する

ティックボリュームの数字そのものではなく、直近や、同じ時間帯との比較で見ます。

ボリュームが増えたから、上がる(下がる)と決めつける

ティックボリュームが増えたことは、参加者が増えたことを示すだけで、方向を示すものではありません。

複数のFX会社の数値を、そのまま比べる

会社によって、数値は違います。同じツールの、同じ口座の数値で比べましょう。

時間帯を考えずに、「増えた」「減った」を判断する

ロンドン・ニューヨーク時間のティックが多いのは、普通のことです。時間帯の癖を考慮しましょう。

まとめ

  • 出来高は、一定期間に売買が成立した数量。株式では、取引所が集計して公表する
  • FXは、相対取引のため、市場全体の出来高が存在しない
  • FXのチャートでは、出来高の代わりに、ティックボリューム(レートの更新回数)が使われる
  • ティックボリュームは、実際の出来高と似た傾向を示すと考えられているが、売買の数量そのものではない
  • 読み方は、直近の平均や、同じ時間帯との比較が基本。価格の動きとあわせて判断する
  • ブレイクの確認、勢いの確認などに使えるが、補助的な情報として使う
  • 実際の取引量を見たいときは、取引所FX、通貨先物、IMMポジションなどの情報もある

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。出来高の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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