スワップポイントとは
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差から生じる、毎日の受け取り(または支払い)のことです。FXでポジションを翌日に持ち越すと、損益とは別に、このスワップポイントが日々発生します。
- 受け取れる場合:プラスのスワップ(スワップ収入)
- 支払う場合:マイナスのスワップ(スワップコスト)
スワップポイントは、為替差益・為替差損とは別の損益として、口座に反映されます。
スワップポイントが発生する仕組み
FXは、ある通貨を買い、同時に別の通貨を売る取引です。ポジションを持ち越すと、次の2つが発生します。
- 買った通貨の金利を、受け取る
- 売った通貨の金利を、支払う
この金利の差額が、スワップポイントです。
スワップポイント ≒ 買った通貨の金利 − 売った通貨の金利
例:豪ドル円を買う場合
- 買った通貨:豪ドル(政策金利が高い)
- 売った通貨:日本円(政策金利が低い)
高金利通貨を買って、低金利通貨を売るため、金利差の分を受け取ることができます(プラスのスワップ)。
例:豪ドル円を売る場合
- 売った通貨:豪ドル(金利が高い)
- 買った通貨:日本円(金利が低い)
この場合は、金利差の分を支払うことになります(マイナスのスワップ)。
スワップポイントがプラスになる・マイナスになる条件
| ポジション | 条件 | スワップ |
|---|---|---|
| 買い | 買った通貨の金利 > 売った通貨の金利 | プラス(受け取り) |
| 買い | 買った通貨の金利 < 売った通貨の金利 | マイナス(支払い) |
| 売り | 売った通貨の金利 > 買った通貨の金利 | マイナス(支払い) |
| 売り | 売った通貨の金利 < 買った通貨の金利 | プラス(受け取り) |
つまり、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ると、スワップポイントを受け取れます。
スワップポイントの計算方法
スワップポイントは、FX会社が毎日、通貨ペアごと・売買ごとに、1万通貨あたりの金額を提示しています。
受け取るスワップ(円) = 1万通貨あたりのスワップ × (取引数量 ÷ 1万通貨) × 保有日数
計算例
- 1万通貨あたりのスワップ:+100円/日
- 取引数量:5万通貨
- 保有期間:30日
100円 × 5 × 30日 = 15,000円
年利に換算する
スワップポイントを、投資金額に対する利回りで考えると、比較しやすくなります。
例:ドル円が150円のとき、1万通貨のスワップが1日100円の場合
- 1年(365日)のスワップ:100円 × 365 = 36,500円
- 取引金額:150万円
- 年間のスワップ利回り(取引金額ベース):36,500 ÷ 1,500,000 ≒ 約2.4%
実際に預ける証拠金に対しては、レバレッジの分、利回りが高く見えます。ただし、為替レートの変動によるリスクも、同じ倍率で大きくなります。
スワップポイントの「3倍デー」
スワップポイントは、通常は1日分ずつ付与されますが、特定の曜日には3日分が付与されます。これを、スワップ3倍デーといいます。
- 一般的に、水曜日から木曜日に持ち越したときに、3日分が付与される
- 為替取引の受渡日が、2営業日後と決まっているため
- 土日の分(2日)も、まとめて付与される
| 持ち越す日 | 付与される日数 |
|---|---|
| 月曜 → 火曜 | 1日分 |
| 火曜 → 水曜 | 1日分 |
| 水曜 → 木曜 | 3日分 |
| 木曜 → 金曜 | 1日分 |
| 金曜 → 月曜 | 1日分 |
※ 3倍デーが何曜日になるかは、通貨ペアや時期(祝日・休場日)によって変わる場合があります。FX会社の案内を確認しましょう。
マイナスのスワップの場合も、3倍の支払いになります。
スワップポイントが変動する理由
スワップポイントは、固定ではなく、日々変動します。主な要因は次の通りです。
- 政策金利の変更:各国の中央銀行が、利上げ・利下げを行うと、金利差が変わる
- 市場金利の変動:短期金利が上下すると、スワップにも反映される
- FX会社のスワップ設定:同じ通貨ペアでも、FX会社によって異なる
将来のスワップポイントは、保証されません。「いま高いから、ずっと高い」とは限りません。
FX会社によるスワップの違い
同じ通貨ペアでも、FX会社によって受け取れるスワップポイントは異なります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 買いスワップ | 買いポジションを持ち越したときの、1万通貨あたりの金額 |
| 売りスワップ | 売りポジションを持ち越したときの、1万通貨あたりの金額 |
| 付与の基準 | 日々のニューヨーククローズ(日本時間の早朝)をまたいだポジション |
スワップ重視でFX会社を選ぶときは、自分が取引する通貨ペア、売買の方向で、各社を比較しましょう。
スワップポイントがつかないケース
- 同じ日のうちに決済する(デイトレード)場合
- ロールオーバー(日付の更新)の時刻をまたがない場合
スワップポイントは、ポジションを持ち越して初めて発生します。
スワップ狙い(スワップ投資)のポイント
高金利通貨を買い、長期間保有して、スワップポイントを受け取る投資方法を、スワップ投資といいます。ただし、次の点に注意が必要です。
為替差損が、スワップ収入を上回ることがある
どれだけスワップを受け取っても、通貨の価値が下がって、為替差損が出れば、トータルで損失になることがあります。
例:1年間のスワップ収入が3万円でも、為替差損が10万円なら、トータルは**−7万円**です。
高金利通貨ほど、値動きが大きい傾向がある
トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドなど、スワップが高い通貨は、政治・経済の不安定さから、値動きが大きく、通貨価値が長期的に下落する傾向の通貨もあります。
長期保有は、ロスカットのリスクがある
長期保有の間に、相場が逆行すると、含み損が拡大して、ロスカットされる可能性があります。実効レバレッジを低く抑えることが重要です。
スワップポイントが、減る・マイナスになることがある
利下げが行われると、スワップポイントは減少します。金利差が逆転すると、マイナスのスワップになる場合もあります。
スワップ投資の考え方
- 為替差損のリスクを、スワップ収入だけでカバーしようとしない
- レバレッジを低くして、ロスカットを避ける
- 政策金利の動向(利上げ・利下げの見通し)を確認する
- 金利差の大きさだけで通貨を選ばない
- 分散して、リスクを管理する
スワップポイントと税金
スワップポイントは、為替差益と同様に、FXの所得として課税されます。国内FXでは、申告分離課税(一律20.315%)です。詳しくは、FXの税金の記事で解説します。
初心者が間違えやすいポイント
「スワップは必ずもらえる」と思い込む
マイナスのスワップもあります。売りポジションや、金利が低い通貨を買うポジションでは、日々支払いが発生します。
「スワップが高い=お得」と決めつける
スワップが高い通貨ほど、値動きが大きく、為替差損のリスクが高い傾向があります。
3倍デーの付与を見落とす
3倍デーにマイナスのスワップを持っていると、3日分の支払いが発生します。
スワップの金額が、将来も続くと考える
スワップポイントは、金利の変動で、日々変わります。
まとめ
- スワップポイントは、2つの通貨の金利差から生じる、ポジションを持ち越したときの受け取り(または支払い)
- 高金利通貨を買い、低金利通貨を売ると、プラスのスワップ
- 逆のポジションは、マイナスのスワップ(支払い)
- 水曜から木曜に持ち越したときなどに、3日分が付与される(スワップ3倍デー)
- スワップポイントは、金利の変動や、FX会社によって異なり、将来の保証はない
- 為替差損が、スワップ収入を上回ることがあるため、スワップだけで通貨を選ばない
本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引は自己責任でお願いします。
