為替市場は「世界を回る」24時間市場
為替市場は、株式市場のように1か所の取引所に集まるのではなく、世界の金融センターが順番に開くことで、平日はほぼ24時間取引が続きます。
日本時間で見ると、おおむね次の順番で、主な市場が動きます。
ウェリントン → シドニー → 東京 → 香港・シンガポール → ロンドン → ニューヨーク
時間帯によって、参加者の顔ぶれと、値動きの特徴が変わります。これを理解しておくと、「いつ取引するか」を決める助けになります。
主な市場の取引時間帯(日本時間の目安)
欧米には夏時間(サマータイム)があり、時間帯が1時間ずれます。
| 市場 | 夏時間(3月下旬〜10月下旬ごろ) | 冬時間(11月〜3月ごろ) |
|---|---|---|
| ウェリントン・シドニー | 早朝〜午前(日本時間 5時ごろ〜) | 早朝〜午前(日本時間 5時ごろ〜) |
| 東京 | 9:00〜15:00ごろ | 9:00〜15:00ごろ |
| ロンドン | 16:00〜翌1:00ごろ | 17:00〜翌2:00ごろ |
| ニューヨーク | 21:00〜翌6:00ごろ | 22:00〜翌7:00ごろ |
※ 時間帯はあくまで目安です。厳密な開始・終了時刻は、市場や参加者によって異なります。また、夏時間・冬時間の切り替え日は、国・年によって異なります。
時間帯ごとの特徴
① 早朝〜午前(ウェリントン・シドニー時間)
日本時間の早朝〜午前9時ごろは、オセアニア市場が中心です。
- 取引参加者が比較的少ない
- スプレッドが広がりやすい(特に日本時間の朝6〜8時ごろ)
- 豪ドル・NZドルの、経済指標の発表がある日は動くことがある
- 週明けの月曜早朝は、窓開けが起こることがある
② 東京時間(日本時間 9:00〜15:00ごろ)
日本・アジアの参加者が中心となる時間帯です。
- ドル円・クロス円が中心に動く
- 全体として、値動きは比較的穏やかで、レンジ(横ばい)になりやすい傾向がある
- 仲値(日本時間 9:55ごろ)に向けて、ドル買い(円売り)が入りやすい日がある(特に5・10日=ゴトー日)
- 日銀の金融政策決定会合の発表(昼ごろ)で、動くことがある
- アジア市場の株価の動きを受ける
③ ロンドン時間(日本時間 16:00ごろ〜)
欧州の参加者が参入し、取引量が一気に増える時間帯です。
- ユーロ・ポンド・スイスフランの通貨ペアが活発になる
- 東京時間のレンジを、上下に抜ける動き(ブレイクアウト)が出やすい
- 欧州の経済指標(ドイツ・ユーロ圏・英国の指標)が発表される
- 東京時間とは違う方向に、トレンドが出ることがある
- 取引参加者が増えるため、スプレッドは狭くなりやすい
④ ニューヨーク時間(日本時間 21:00〜22:00ごろ〜)
米国の参加者が参入し、世界で最も取引量が多い時間帯です。
- ドル絡みの通貨ペアが大きく動く
- 米国の経済指標(雇用統計・CPI・小売売上高など)が発表される
- FOMCや、FRB高官の発言が材料となる
- 米国株式市場の動きとも連動しやすい
- ロンドン時間と重なる時間帯は、取引が最も活発になる
⑤ ロンドン・ニューヨークの重なる時間
ロンドン市場とニューヨーク市場が両方開いている時間は、一日で最も取引量が多く、値動きが大きくなりやすい時間帯です。
| 夏時間 | 冬時間 | |
|---|---|---|
| 重なる時間(日本時間) | 21:00〜翌1:00ごろ | 22:00〜翌2:00ごろ |
- トレンドが出やすい
- 経済指標の発表も重なり、急変動が起こりやすい
- スプレッドが狭く、約定しやすい
- 一方、値動きが大きい分、リスクも高い
⑥ ニューヨーククローズ前後(日本時間 早朝)
ニューヨーク市場の終わり(日本時間 朝5〜7時ごろ)から、ウェリントン・シドニーの始まりまでの時間帯です。
- 取引参加者が急に減る
- スプレッドが広がりやすい
- スワップポイントの付与(ロールオーバー)の時間帯にあたる
- 約定が滑りやすい
時間帯別の値動きの特徴(まとめ)
| 時間帯(日本時間・夏時間の目安) | 主な参加者 | 値動き | スプレッド |
|---|---|---|---|
| 早朝(〜8:00ごろ) | オセアニア | 小さい(ただし窓開けや指標時は別) | 広がりやすい |
| 午前〜午後(9:00〜15:00ごろ) | 東京・アジア | 穏やか。レンジ気味 | 狭い |
| 夕方(16:00〜21:00ごろ) | 欧州(ロンドン) | 動き出す。ブレイクが出やすい | 狭い |
| 夜(21:00〜翌1:00ごろ) | 欧州+米国 | 最も活発。大きく動く | 狭い |
| 深夜〜早朝(1:00〜6:00ごろ) | 米国 | 徐々に落ち着く | 徐々に広がる |
通貨ペア別の動きやすい時間帯
通貨ペアによって、活発になる時間帯が異なります。
| 通貨ペア | 動きやすい時間帯 |
|---|---|
| ドル円 | 東京時間の仲値前後・ニューヨーク時間 |
| ユーロドル | ロンドン時間・ニューヨーク時間(特に重なる時間) |
| ポンド円・ポンドドル | ロンドン時間・ニューヨーク時間 |
| 豪ドル円・NZドル円 | 東京時間の早い時間・オセアニア時間 |
| ユーロ円 | ロンドン時間・ニューヨーク時間 |
主な経済指標の発表時間(日本時間の目安)
| 指標・イベント | 発表時間の目安 | 影響を受けやすい通貨 |
|---|---|---|
| 日銀の金融政策決定会合 | 昼〜午後(会合最終日) | 円 |
| 欧州の経済指標 | 16:00〜18:00ごろ | ユーロ・ポンド |
| 米国雇用統計(毎月第1金曜) | 21:30〜22:30ごろ※ | ドル |
| 米国CPI(消費者物価指数) | 21:30〜22:30ごろ※ | ドル |
| FOMC(結果・声明) | 翌3:00〜4:00ごろ※ | ドル |
※ 米国の指標は、夏時間は21:30、冬時間は22:30に発表されるものが多い。FOMCの声明は、夏時間は翌3:00、冬時間は翌4:00ごろ。発表時刻は、必ず経済指標カレンダーで確認すること。
曜日による傾向
月曜日
- 週明けは、窓開けが起こることがある
- 参加者が少なく、方向感が出にくいことがある
火曜日〜木曜日
- 取引が最も活発な曜日
- 経済指標の発表も多い
金曜日
- 週末を前に、ポジションを手仕舞う動きが出やすい
- 月初の金曜日は、米国雇用統計で大きく動くことがある
- 夜〜深夜は、週末のリスクを避けるために、取引量が減る
自分の生活リズムに合った時間帯を選ぶ
FXの取引時間は、生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
| ライフスタイル | 取引しやすい時間帯 |
|---|---|
| 会社員(日中は仕事) | 夜間(21:00〜24:00ごろ)の、ロンドン・NY時間 |
| 在宅・専業 | 好みの時間帯に集中できる |
| 早起き型 | 東京時間の序盤 |
夜間の取引は、値動きが大きく、チャンスも多い反面、睡眠不足や判断ミスのリスクもあります。自分が集中して取引できる時間帯に絞るのが基本です。
時間帯を意識した取引のポイント
- 東京時間はレンジ、ロンドン時間からブレイクという流れを意識する
- ロンドン・NYが重なる時間は、動きが大きい分、損切り幅・数量を調整する
- 重要な経済指標の前後は、スプレッドが広がり、スリッページも起こりやすいため、新規注文を控える
- 早朝(NYクローズ前後)は、スプレッドが広がりやすいため、取引を避けるのが無難
- 夏時間・冬時間の切り替えで、時間帯がずれることを忘れない
初心者が間違えやすいポイント
「24時間取引できる」=「いつ取引してもよい」と考える
時間帯によって、値動きもスプレッドも、リスクも大きく変わります。
夏時間・冬時間を忘れる
経済指標の発表時間や、ロンドン・NY市場の開始時間は、夏時間・冬時間で1時間ずれます。
どの通貨ペアでも、同じ時間帯が動きやすいと考える
通貨ペアごとに、動きやすい時間帯が異なります。
指標発表の時間を知らずに、ポジションを持つ
経済指標の発表で、突然のスプレッド拡大や急変動に巻き込まれることがあります。
まとめ
- 為替市場は、ウェリントン・シドニー → 東京 → ロンドン → ニューヨークの順に回る24時間市場
- 東京時間は、値動きが穏やかで、レンジになりやすい
- ロンドン時間から、取引量が増え、ブレイクアウトが出やすい
- ロンドンとニューヨークが重なる時間は、最も取引が活発で、値動きも大きい
- 日本時間の早朝(NYクローズ前後)は、スプレッドが広がりやすい
- 欧米の夏時間・冬時間で、時間帯が1時間ずれる
- 時間帯・通貨ペア・自分の生活リズムを考慮して、取引する時間を決める
本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引は自己責任でお願いします。
