FXのチャートとは
チャートとは、為替レートの値動きを、時間の流れに沿ってグラフにしたものです。過去から現在までの値動きが一目で分かるため、売買のタイミングを考える材料(テクニカル分析)の土台になります。
FXのチャートには、表示方法の違いで、主に次の3種類があります。
| チャートの種類 | 表すもの | 特徴 |
|---|---|---|
| ラインチャート | 終値を線でつないだもの | 流れが分かりやすい。情報は少ない |
| バーチャート | 四本値を、縦線と左右の短い線で表したもの | 情報量が多い。欧米で伝統的に使われる |
| ローソク足チャート | 四本値を、実体とヒゲで表したもの | 情報量が多く、視覚的に分かりやすい。最も普及している |
3つとも、元になるレートのデータは同じです。どのように見せるかが違うだけです。

四本値とは(ここだけ押さえる)
バーチャートとローソク足は、1つの期間(例:1時間、1日)の値動きを、次の4つの価格(四本値)で表します。
| 四本値 | 意味 |
|---|---|
| 始値(はじめね) | その期間の最初のレート |
| 高値(たかね) | その期間の最も高いレート |
| 安値(やすね) | その期間の最も低いレート |
| 終値(おわりね) | その期間の最後のレート |
四本値の詳しい内容は、別の記事で解説します。ここでは「1本の足に、4つの価格が詰まっている」と理解しておけば十分です。
ラインチャートとは
ラインチャートとは、各期間の終値を、順番に線でつないだチャートです。
特徴
- 全体の流れ(上昇・下降)が、直感的に分かる
- 画面がすっきりして、ノイズが少ない
- 始値・高値・安値の情報は、表示されない
メリット
- 大きな方向感をつかみやすい
- 長期間のチャートを、俯瞰して見るのに向いている
- 複数の通貨ペアを重ねて、動きを比べるのにも使いやすい
デメリット
- 期間中の値幅(高値・安値)が分からない
- 売買の細かいタイミングを探すには、情報が足りない
バーチャートとは
バーチャート(OHLCバーともいう)は、1期間の四本値を、1本のバーで表したチャートです。
見方

バーチャートの1本は、次のように読みます。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| 縦線の上端 | 高値 |
| 縦線の下端 | 安値 |
| 左に出た短い線 | 始値 |
| 右に出た短い線 | 終値 |
左の線より右の線が上にあれば、始値より終値が高かった(上昇した)ことが分かります。
メリット
- 四本値をすべて表示できる
- ローソク足に比べて、1本あたりの見た目がすっきりしている
- 欧米では、伝統的に使われてきた
デメリット
- 上昇したのか、下落したのかが、ひと目では分かりにくい(左右の短い線を見比べる必要がある)
- 日本では、あまり使われない
ローソク足チャートとは
ローソク足とは、1期間の四本値を、「実体」と「ヒゲ」で表した足です。日本で生まれた表し方で、現在では世界中のFX・株式で、最も標準的なチャートになっています。
見方
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| 実体(四角い部分) | 始値と終値の間 |
| ヒゲ(細い線) | 高値・安値の範囲(実体からはみ出た部分) |
| 上ヒゲの先 | 高値 |
| 下ヒゲの先 | 安値 |
実体の色で、その期間に上昇したか、下落したかが分かります。
- 陽線:始値より終値が高い(上昇した)
- 陰線:始値より終値が低い(下落した)
陽線・陰線の詳しい内容や、実体とヒゲの読み方は、それぞれ別の記事で解説します。
色の違いに注意
陽線・陰線の色は、ツールや国によって異なります。
| 陽線 | 陰線 | |
|---|---|---|
| 日本の慣習(この記事の図) | 赤 | 青 |
| MT4・MT5の初期設定 | 青(または白) | 赤 |
| 欧米で多い表示 | 緑 | 赤 |
使っているツールで、どちらの色が陽線かを、最初に確認しましょう。色は、多くのツールで自由に変更できます。
メリット
- 始値・高値・安値・終値の4つを、ひと目で把握できる
- 上昇・下落が、色と形で直感的に分かる
- ローソク足の形の組み合わせから、相場の勢いや転換を読む手法(酒田五法など)が発達している
- 多くのトレーダーが同じチャートを見ているため、情報の共有がしやすい
デメリット
- 情報量が多く、慣れるまでは見方に時間がかかる
- 足の数が多いと、画面がごちゃごちゃして見えることがある
3つのチャートの比較
| ラインチャート | バーチャート | ローソク足 | |
|---|---|---|---|
| 表示する価格 | 終値のみ | 四本値 | 四本値 |
| 上昇・下落の分かりやすさ | ◎(流れ) | △ | ◎(色と形) |
| 情報量 | 少ない | 多い | 多い |
| 値幅(高値・安値) | 分からない | 分かる | 分かる |
| 主な用途 | 大きな流れの確認 | 四本値の確認 | 日常の分析全般 |
| 日本での普及度 | 中 | 低い | 非常に高い |
どのチャートを使えばよいか
結論から言うと、ローソク足チャートが基本です。
- ローソク足:普段の分析は、これを使う。本シリーズの解説も、ローソク足を前提に進める
- ラインチャート:長期の流れを確認したいときや、複数の通貨ペアを比べるときに補助的に使う
- バーチャート:好みで使う。ローソク足で情報量に問題はなく、無理に使う必要はない
チャートの種類を切り替える方法(MT4・MT5)
MT4・MT5では、ツールバーのボタンから、次の3つを切り替えられます。
| ボタン | チャートの種類 |
|---|---|
| バーチャート | バーチャート |
| ローソク足 | ローソク足チャート |
| ライン | ラインチャート |
また、チャート上で右クリックし、「プロパティ」→「色の設定」を開くと、陽線・陰線の色を変更できます。操作の表記は、ツールやバージョンによって異なる場合があります。
他にも、チャートの種類がある
ここまでの3つのほかに、値動きの見せ方を変えたチャートもあります。
- 平均足:ローソク足を平均化し、トレンドを見やすくしたもの
- カギ足・練行足・新値足・ポイント&フィギュア:時間の流れではなく、値動きの大きさに注目したもの
これらは、それぞれ別の記事で詳しく解説します。
初心者が間違えやすいポイント
陽線・陰線の色を、固定して覚えてしまう
ツールによって、色が逆のことがあります。色ではなく、始値と終値の位置関係で判断する習慣をつけましょう。
ラインチャートだけで、売買を判断する
ラインチャートは終値しか表示しないため、期間中の急な上下動が見えません。売買のタイミングを探すときは、四本値が分かるチャートを使いましょう。
難しく考えすぎて、ローソク足を避ける
ローソク足は、**「実体の上下=始値と終値、ヒゲの先=高値と安値」**だけ分かれば読めます。複雑に見えても、仕組みはシンプルです。
チャートの種類ごとに、結論が変わると思う
3つとも、元のデータは同じです。見せ方が違うだけなので、値動きそのものが変わるわけではありません。
まとめ
- FXのチャートには、ラインチャート・バーチャート・ローソク足チャートがある
- ラインチャートは終値をつないだ線。流れは見やすいが、情報は少ない
- バーチャートは、四本値を縦線と左右の短い線で表す
- ローソク足は、四本値を実体とヒゲで表す。最も普及しており、基本となるチャート
- 陽線・陰線の色は、ツールによって異なるため、最初に確認する
- 普段はローソク足を使い、ラインチャートは大きな流れの確認用に補助として使うとよい
本記事は情報提供を目的としたもので、特定のチャートやツールの利用を勧めるものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
