CCIとは
CCI(Commodity Channel Index:商品チャネル指数)とは、「典型価格」が、その平均から、どれだけ離れているかを、ばらつきを基準にして示す、オシレーター系のテクニカル指標です。米国のドナルド・ランバート氏が、1980年に紹介したものと、されています。もともとは、商品先物の、周期的な動きを、とらえるために、考案されたものですが、現在は、FXや株式でも、使われています。一般的な期間は20で、「+100以上」「−100以下」を、目安にすることが、多いです。RSIやストキャスティクスと違い、数値に、上限・下限が、ありません。
| CCIの水準 | 一般的な見方(目安) |
|---|---|
| +100以上 | 平均より、大きく上(強い上昇、または、買われすぎ) |
| 0前後 | 平均に近い |
| −100以下 | 平均より、大きく下(強い下落、または、売られすぎ) |
「+100・−100」は、よく使われる目安ですが、固定の基準では、ありません(+200・−200を、使う人もいます)。

計算方法
典型価格(TP)= (高値 + 安値 + 終値)÷ 3
平均(SMA) = 直近N本の、典型価格の単純平均
平均偏差(MD) = 直近N本の、典型価格と平均の差(絶対値)の、平均
CCI = (今の典型価格 − 平均)÷(0.015 × 平均偏差)
「0.015」は、ランバート氏が、決めた定数で、CCIの値の、約70〜80%が、−100〜+100の間に収まるように、調整したものと、されています。
計算例1:5本で、CCIを計算する(N = 5)
計算を簡単にするため、N = 5で計算します。各足の、高値・安値・終値と、典型価格は、次のとおりです(例の数値です)。
| 足 | 高値 | 安値 | 終値 | 典型価格 |
|---|---|---|---|---|
| 1本目 | 150.40 | 150.00 | 150.20 | 150.2000 |
| 2本目 | 150.60 | 150.20 | 150.50 | 150.4333 |
| 3本目 | 150.70 | 150.30 | 150.40 | 150.4667 |
| 4本目 | 150.80 | 150.40 | 150.70 | 150.6333 |
| 5本目 | 151.00 | 150.60 | 150.90 | 150.8333 |
平均(SMA)= (150.2000 + 150.4333 + 150.4667 + 150.6333 + 150.8333)÷ 5 = 752.5667 ÷ 5 ≒ 150.5133
平均偏差(MD)
|150.2000 − 150.5133| = 0.3133
|150.4333 − 150.5133| = 0.0800
|150.4667 − 150.5133| = 0.0467
|150.6333 − 150.5133| = 0.1200
|150.8333 − 150.5133| = 0.3200
MD = (0.3133 + 0.0800 + 0.0467 + 0.1200 + 0.3200)÷ 5 = 0.88 ÷ 5 = 0.176
CCI = (150.8333 − 150.5133)÷(0.015 × 0.176)= 0.3200 ÷ 0.00264 ≒ 121.2
この例では、CCI = 約121です。5本目の典型価格が、平均より、0.32円(32pips)高く、これが、平均的なばらつき(0.176円)の、約1.8倍にあたるため、+100を、超えました。
計算例2:次の足で、CCIが変わる様子
6本目(高値150.95円、安値150.50円、終値150.55円)が、できたとします。典型価格は、(150.95 + 150.50 + 150.55)÷ 3 ≒ 150.6667円です。直近5本は、2〜6本目になります。
平均(SMA)= (150.4333 + 150.4667 + 150.6333 + 150.8333 + 150.6667)÷ 5 ≒ 150.6067
平均偏差(MD)
|150.4333 − 150.6067| = 0.1733
|150.4667 − 150.6067| = 0.1400
|150.6333 − 150.6067| = 0.0267
|150.8333 − 150.6067| = 0.2267
|150.6667 − 150.6067| = 0.0600
MD = 0.6267 ÷ 5 ≒ 0.1253
CCI = (150.6667 − 150.6067)÷(0.015 × 0.1253)= 0.0600 ÷ 0.00188 ≒ 31.9
終値が、150.90円から150.55円へ、35pips下がったことで、CCIは、121.2から31.9に、下がりました。CCIは、「平均からの離れ具合」を、ばらつきで割るため、直近の動きが、小さければ、少しの動きでも、値が、大きく変わります。
CCIが示すこと
CCIが高い = 今の典型価格が、直近の平均より、ばらつきに比べて、大きく上にある
CCIが低い = 今の典型価格が、直近の平均より、ばらつきに比べて、大きく下にある
CCIは、「価格の高さ」ではなく、「平均からの離れ具合」を、示します。ばらつきで割るため、値動きが、小さい通貨ペアでも、大きい通貨ペアでも、同じ尺度で、見られます。
他の指標との違い
| CCI | RSI | 移動平均線乖離率 | |
|---|---|---|---|
| 計算の元 | 典型価格と平均の差を、ばらつきで割る | 上げ幅と下げ幅の平均の比 | 終値と移動平均線の距離 |
| 使うデータ | 高値・安値・終値 | 終値 | 終値 |
| 値の範囲 | 上限・下限なし | 0〜100 | 上限・下限なし |
| ばらつきの考慮 | あり(平均偏差で割る) | あり(上げ幅・下げ幅の比) | なし |
| 目安の水準 | ±100(目安) | 70・30 | 通貨ペアごとに、検証 |
CCIは、値に上限・下限がないため、±100を、大きく超えることが、あります。RSI、移動平均線乖離率については、別の記事で解説しています。
基本の使い方
CCIには、大きく分けて、「逆張り」と「順張り」の、2つの使い方が、あります。
1. 逆張り:±100からの戻りを、目安にする
CCIが、−100以下まで下がり、−100を上抜けたら、反発の目安、+100以上から、+100を下抜けたら、反落の目安、という使い方です。「入った瞬間」ではなく「戻ってきた」ことを確認することで、下げの途中で、逆張りするリスクを、減らせると、考えられます(必ず、そうなるわけでは、ありません)。
2. 順張り:+100の上抜けを、トレンドの開始の目安にする
CCIが、+100を上抜けたら、強い上昇の始まりと、見る考え方で、ランバート氏の、本来の使い方に、近いものです。+100を下回るまで、保有するという、考え方もあります。図のとおり、+100を上抜けたあとも、上昇が続くことが、あります。
3. ゼロラインを、方向の目安にする
CCIが、0より上なら、平均より上、0より下なら、平均より下と、見る考え方です。
「逆張り」と「順張り」は、同じ+100・−100を使っても、売買の向きが、反対です。どちらで使うかは、相場が、レンジか、トレンドかによって、変わります。
計算例:−100を上抜けたあとの買い(逆張り)
CCIが−100以下まで下がり、直近の安値が151.40円になったとします。直近高値は152.30円です。損切りは直近安値(151.40円)、利益確定は、直近高値(152.30円)とします(例の数値です)。CCIが−100を上抜けた足の終値が151.80円、その後、CCIが0を上抜けた足の終値が152.00円でした。
安値の近く(151.60円)に、指値で買う場合
エントリー 151.60円、損切り 151.40円、利確 152.30円
リスク = 151.60 − 151.40 = 0.20円(20pips)
リワード = 152.30 − 151.60 = 0.70円(70pips)
リスクリワード比 = 70 ÷ 20 = 3.5
CCIが−100を上抜けた足の終値(151.80円)で買う場合
エントリー 151.80円、損切り 151.40円、利確 152.30円
リスク = 151.80 − 151.40 = 0.40円(40pips)
リワード = 152.30 − 151.80 = 0.50円(50pips)
リスクリワード比 = 50 ÷ 40 = 1.25
CCIが0を上抜けた足の終値(152.00円)で買う場合
エントリー 152.00円、損切り 151.40円、利確 152.30円
リスク = 152.00 − 151.40 = 0.60円(60pips)
リワード = 152.30 − 152.00 = 0.30円(30pips)
リスクリワード比 = 30 ÷ 60 = 0.5
| エントリー | 価格 | リスク | リワード | リスクリワード比 |
|---|---|---|---|---|
| 指値(安値付近) | 151.60円 | 20pips | 70pips | 3.5 |
| −100の上抜け | 151.80円 | 40pips | 50pips | 1.25 |
| 0の上抜け | 152.00円 | 60pips | 30pips | 0.5 |
確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。0の上抜けを待つと、リスクリワード比は、1を下回るため、この場合は、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。指値は、151.60円まで下がらずに、反発すると、エントリーできません。また、安値を割り込むと、損切りになります。
注意点
1. 強いトレンドでは、±100を超えた状態が続く
強い上昇トレンドでは、CCIが、+100以上の状態が、続くことが、あります。「+100以上=売り」と考えると、トレンドに、逆らい続けることに、なります。図の左側が、その例です。
たとえば、+100以上での逆張りの売りが、損失35pipsで、4回続くと、合計−140pipsの損失です。その後の1回の利益が、180pipsなら、合計は+40pips、100pipsなら、合計は−40pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。
2. 上限・下限がなく、値が、大きく振れる
CCIは、±200や±300に、なることも、あります。「+100を超えたから、天井」と、決めつけないようにしましょう。
3. 値動きが、小さい場面では、値が、大きく変わる
計算例のように、ばらつき(平均偏差)が小さいと、わずかな値動きでも、CCIが、大きく動きます。値動きが、小さい場面では、CCIが、±100を、頻繁に行き来し、ダマシが増えます。
4. 期間で、見え方が変わる
期間を短くすると、CCIは、大きく、速く動き、長くすると、穏やかになります。他人のチャートと、そのまま比べないようにしましょう。
5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意
急変動で、CCIが、一気に±200以上になり、そのまま、戻らないことが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。
6. 足が確定するまで、分からない
進行中の足は、CCIが−100を上抜けたように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。
初心者が間違えやすいポイント
+100以上になったら、すぐ売る
+100以上は、「平均より、大きく上」という目安で、「売りのサイン」では、ありません。トレンドが強いと、そのまま上がり続けます。
−100以下になったら、すぐ買う
同じく、−100以下は、「買いのサイン」では、ありません。下げの途中で、買うと、損失が広がります。
逆張りと順張りを、混同する
「+100の上抜けで買う(順張り)」と「+100の下抜けで売る(逆張り)」は、まったく逆です。自分が、どちらの使い方をしているのかを、先に決めておくことが、大切です。
RSIと、同じ感覚で、±100を70・30と考える
CCIには、上限・下限がなく、水準の意味が、RSIとは違います。同じ「買われすぎ」でも、扱いが、異なります。
検証せずに、使う
「CCI−100で買えば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。
まとめ
- CCIは、典型価格が、平均からどれだけ離れているかを、ばらつき(平均偏差)を基準にして示す、オシレーター系の指標。ランバート氏が考案した。一般的な期間は20。±100が、よく使われる目安
- CCI = (典型価格 − 平均)÷(0.015 × 平均偏差)。典型価格 = (高値 + 安値 + 終値)÷ 3
- 例(N = 5)では、平均0.5133・平均偏差0.176で、CCI = 約121。次の足で、35pips下がると、CCI = 約31.9
- 使い方は、逆張り(±100からの戻り)と、順張り(+100の上抜け)の2つ。ただし、強いトレンドでは、+100以上・−100以下が続く
- −100を上抜けた足では、指値(3.5)、−100の上抜け(1.25)、0の上抜け(0.5)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
- 上限・下限がない。値動きが小さいと、値が大きく変わる
- 単独では判断できない。必ず機能するわけではない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。
