RCI(順位相関指数)とは?計算方法・見方・基本の使い方

目次

RCIとは

RCI(Rank Correlation Index:順位相関指数)とは、一定期間の「日付の順位」と「価格の順位」が、どれだけ一致しているかを、−100〜+100の数値で示す、オシレーター系のテクニカル指標です。統計学の「スピアマンの順位相関係数」を、相場に応用した指標で、日本で、広く使われています。価格が、時間とともに、上がり続ければ+100、下がり続ければ−100に、近づきます。一般的な期間は、9(短期)・26(中期)・52(長期)で、複数の期間を、重ねて表示することが、多いです。「+80以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎ」という目安が、よく使われます(固定の基準ではありません)。

RCIの水準一般的な見方(目安)
+80以上買われすぎ(価格が、時間とともに、上がり続けている)
0前後上げ下げが、入り混じっている
−80以下売られすぎ(価格が、時間とともに、下がり続けている)

RCIの特徴は、「価格の大きさ」ではなく、「価格の順位」だけを使うことです。値幅が、大きくても、小さくても、順位が同じなら、同じ値になります。

計算方法

RCI = (1 − 6 × Σd² ÷ (N × (N² − 1)))× 100

N  = 期間
d  = 「日付の順位」−「価格の順位」
Σd² = dを2乗して、合計したもの

日付の順位は、「新しい足ほど、小さい順位(最新が1位)」、価格の順位は、「高い終値ほど、小さい順位(最高値が1位)」で、つけます。

計算例1:5本で、RCIを計算する(N = 5)

計算を簡単にするため、N = 5で計算します。終値は、古い順に、次のとおりです(例の数値です)。

足終値日付の順位価格の順位dd²
1本目150.005500
2本目150.404311
3本目150.2034− 11
4本目150.602111
5本目150.5012− 11
Σd² = 0 + 1 + 1 + 1 + 1 = 4

RCI = (1 − 6 × 4 ÷ (5 × (25 − 1)))× 100
    = (1 − 24 ÷ 120)× 100
    = (1 − 0.2)× 100
    = 80

この例では、RCI = 80です。価格は、行ったり来たりしながらも、全体として、時間とともに上がっているため、高い値になりました。なお、価格が、毎回、前より高ければ、すべてのdが0になり、RCI = +100、毎回、前より安ければ、RCI = −100に、なります。

計算例2:次の足で、RCIが変わる様子

次の6本目の終値が、150.30円だった場合、直近5本は、2〜6本目になります。

足終値日付の順位価格の順位dd²
2本目150.405324
3本目150.2045− 11
4本目150.603124
5本目150.502200
6本目150.3014− 39
Σd² = 4 + 1 + 4 + 0 + 9 = 18

RCI = (1 − 6 × 18 ÷ 120)× 100 = (1 − 0.9)× 100 = 10

6本目の終値は、150.50円から、150.30円へ、20pips下がっただけですが、RCIは、80から10に、大きく下がりました。価格の順位が、入れ替わると、RCIは、大きく動くことが、分かります。RCIは、RSIのように、過去の平均の影響が、残らないため、期間の短いRCIは、特に、動きが大きいです。

RCIが示すこと

RCIが高い = 新しい足ほど、価格が高い(上昇が、続いている)
RCIが低い = 新しい足ほど、価格が低い(下落が、続いている)
RCIが0前後 = 時間と価格の順位に、関係が少ない(方向が、出ていない)

RCIは、「価格がどれだけ動いたか」ではなく、「上がり続けているか、下がり続けているか」の、一貫性を示します。そのため、小さな値動きでも、一方向に続けば、RCIは、+100や−100に、近づきます。

他の指標との違い

RCIRSIストキャスティクス
計算の元日付と価格の順位の相関上げ幅と下げ幅の平均の比高値・安値の範囲の中での、終値の位置
値幅の考慮なし(順位だけ)ありあり
値の範囲−100〜+1000〜1000〜100
使うデータ終値終値高値・安値・終値
示すもの上昇・下落の、一貫性勢いの偏りレンジの中での位置

RCIは、値幅を使わないため、1本だけ、極端に大きい動きがあっても、影響を受けにくいという、特徴が、あります。RSI、ストキャスティクスについては、別の記事で解説しています。

基本の使い方

1. 買われすぎ・売られすぎの、目安にする

+80以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎと、見る考え方です。ただし、「+80以上だから、下がる」とは、限りません。図のとおり、RCI(9)が+80以上に、張り付いたまま、上昇が続くことも、あります。

2. 短期のRCIが、−80・+80を戻ってきたところを、目安にする

短期のRCI(9)が、−80以下から、−80を上抜けたら、反発の目安、+80以上から、+80を下抜けたら、反落の目安、という使い方です。「入った瞬間」ではなく「戻ってきた」ことを確認することで、下げの途中で、逆張りするリスクを、減らせると、考えられます(必ず、そうなるわけでは、ありません)。

3. 短期・中期・長期を、組み合わせて見る

短期(9)が、−80以下から上向き、中期(26)も上向きに転じたなど、複数の期間が、同じ方向になったとき、方向の確からしさが、増すと、見る考え方です。図のとおり、RCI(26)は、ゆっくり動き、RCI(9)は、速く動きます。

計算例:RCI(9)が−80を上抜けたあとの買い

RCI(9)が、−80以下まで下がり、直近の安値が148.20円になったとします。直近高値は149.10円です。損切りは直近安値(148.20円)、利益確定は、直近高値(149.10円)とします(例の数値です)。RCI(9)が−80を上抜けた足の終値が148.55円、その後、RCI(9)が0を上抜けた足の終値が148.75円でした。

安値の近く(148.35円)に、指値で買う場合

エントリー 148.35円、損切り 148.20円、利確 149.10円
リスク   = 148.35 − 148.20 = 0.15円(15pips)
リワード = 149.10 − 148.35 = 0.75円(75pips)
リスクリワード比 = 75 ÷ 15 = 5.0

RCI(9)が−80を上抜けた足の終値(148.55円)で買う場合

エントリー 148.55円、損切り 148.20円、利確 149.10円
リスク   = 148.55 − 148.20 = 0.35円(35pips)
リワード = 149.10 − 148.55 = 0.55円(55pips)
リスクリワード比 = 55 ÷ 35 ≒ 1.6

RCI(9)が0を上抜けた足の終値(148.75円)で買う場合

エントリー 148.75円、損切り 148.20円、利確 149.10円
リスク   = 148.75 − 148.20 = 0.55円(55pips)
リワード = 149.10 − 148.75 = 0.35円(35pips)
リスクリワード比 = 35 ÷ 55 ≒ 0.6
エントリー価格リスクリワードリスクリワード比
指値(安値付近)148.35円15pips75pips5.0
−80の上抜け148.55円35pips55pips1.6
0の上抜け148.75円55pips35pips0.6

確認を重ねるほど、ダマシは減りやすくなりますが、エントリーが遅れ、リスクリワード比は、下がります(スプレッドや約定のずれは、考慮していません)。0の上抜けを待つと、リスクリワード比は、1を下回るため、この場合は、目標を広げるか、見送る判断も、必要です。指値は、148.35円まで下がらずに、反発すると、エントリーできません。また、安値を割り込むと、損切りになります。

注意点

1. 強いトレンドでは、+80以上・−80以下が続く

強い上昇トレンドでは、RCIが、+80以上に張り付いた状態が、続くことが、あります。「+80以上=売り」と考えると、トレンドに、逆らい続けることに、なります。図の、RCI(9)の高い部分が、その例です。

たとえば、+80以上での逆張りの売りが、損失40pipsで、3回続くと、合計−120pipsの損失です。その後の1回の利益が、160pipsなら、合計は+40pips、100pipsなら、合計は−20pipsです。この数字は、あくまで例ですが、損失を、利益で取り返せるかは、状況によって変わります。環境認識については、別の記事で解説しています。

2. 値幅の大きさは、分からない

RCIは、順位だけを使うため、「小さな上昇が続いた場合」も、「大きな上昇が続いた場合」も、同じ+100になります。値幅の大きさは、別に確認しましょう。

3. 期間が短いほど、大きく動く

RCI(9)は、速く、大きく動き、+80や−80に、頻繁に届きます。一方、RCI(26)、RCI(52)は、ゆっくり動き、+80や−80に、届きにくいです。図でも、RCI(26)は、±80に届いていません。期間によって、「届く頻度」が違うため、同じ「±80」でも、意味が違います。

4. 順位の入れ替わりで、値が大きく動く

計算例のように、価格が、少し動いただけでも、順位が入れ替わり、RCIが、大きく変わることが、あります。特に、値動きが小さく、順位が、入れ替わりやすい場面では、RCIが、大きく上下します。

5. 指標発表や要人発言の直後は、特に注意

急変動のあと、RCIが、一気に±100付近になり、そのまま張り付くことが、あります。その後の動きも大きくなるため、注意が必要です。

6. 足が確定するまで、分からない

進行中の足は、RCIが−80を上抜けたように見えても、確定までに戻ることがあります。確定後に判断しましょう。

初心者が間違えやすいポイント

+80以上になったら、すぐ売る

+80以上は、「上がり続けている」目安で、「売りのサイン」では、ありません。トレンドが強いと、そのまま上がり続けます。

−80以下になったら、すぐ買う

同じく、−80以下は、「下がり続けている」目安で、「買いのサイン」では、ありません。下げの途中で、買うと、損失が広がります。

RCIの値で、値動きの大きさを判断する

RCI = 100は、「上昇が一貫している」という意味で、「大きく上がった」という意味では、ありません。

期間の違うRCIを、同じ感覚で見る

RCI(9)の+80と、RCI(26)の+80では、意味が違います。期間ごとの、動きの違いを、確認しましょう。

検証せずに、使う

「RCIが−80を上抜けたら買えば勝てる」と聞いても、実際の確率は、通貨ペア・時間足・期間の組み合わせで変わります。自分で、確認しましょう。

まとめ

  • RCIは、一定期間の「日付の順位」と「価格の順位」の一致度を、−100〜+100で示す、オシレーター系の指標。統計学の順位相関係数を、応用したもの。一般的な期間は、9・26・52
  • RCI = (1 − 6 × Σd² ÷ (N × (N² − 1)))× 100。d = 日付の順位 − 価格の順位
  • 例(N = 5)では、Σd² = 4で、RCI = 80。次の足で、20pips下がると、Σd² = 18で、RCI = 10。順位が入れ替わると、大きく動く
  • +80以上は買われすぎ、−80以下は売られすぎ、という目安がよく使われる。ただし、強いトレンドでは、+80以上・−80以下が続く
  • RCI(9)が−80を上抜けた足では、指値(5.0)、−80の上抜け(1.6)、0の上抜け(0.6)の順に、リスクリワード比が下がる。指値は、エントリーできないこともある
  • 値幅は、考慮しない。期間が短いほど、大きく動く
  • 単独では判断できない。必ず機能するわけではない

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の売買を勧めるものではありません。テクニカル指標の解釈は目安であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資の勧誘や利益を保証するものでもありません。取引は自己責任でお願いします。

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