買いと売りの基本
FXでは、「買い」からも「売り」からも取引を始められます。
| 呼び方 | 別名 | 意味 | 利益になる値動き |
|---|---|---|---|
| 買い | ロング(Long) | 安いときに買って、高くなったら売る | レートが上がる |
| 売り | ショート(Short) | 高いときに売って、安くなったら買い戻す | レートが下がる |
買いから入ることを「買いポジションを持つ」「ロングする」、売りから入ることを「売りポジションを持つ」「ショートする」といいます。
買い(ロング)の仕組み
買いは、通貨ペアの基準通貨(左側の通貨)を買い、決済通貨(右側の通貨)を売る取引です。
「安く買って、高く売る」という、一般的な売買と同じ考え方です。
例:USD/JPYで買いから入る場合
- USD/JPYが150.00円のときに、1万通貨を買う
- USD/JPYが151.00円に上昇する
- 反対売買(売り)で決済する
- 買値:150.00円
- 売値:151.00円
- 差額:1.00円 × 1万通貨 = +10,000円の利益
逆に、USD/JPYが149.00円まで下がった時点で決済すると、−10,000円の損失になります。
※例では、スプレッド(売値と買値の差)は考慮していません。
売り(ショート)の仕組み
売りは、通貨ペアの基準通貨(左側の通貨)を売り、決済通貨(右側の通貨)を買う取引です。
先に高い価格で売り、値下がりしたところで買い戻すことで、その差額が利益になります。
例:USD/JPYで売りから入る場合
- USD/JPYが150.00円のときに、1万通貨を売る
- USD/JPYが149.00円に下落する
- 反対売買(買い)で決済する
- 売値:150.00円
- 買値(買い戻し):149.00円
- 差額:1.00円 × 1万通貨 = +10,000円の利益
逆に、USD/JPYが151.00円まで上がった時点で決済すると、−10,000円の損失になります。
「持っていない通貨を売る」ことへの疑問
「持っていない通貨をどうやって売るの?」と疑問に思う人もいます。
FXでは、通貨そのものを受け渡しするのではなく、売買の差額を決済する仕組みになっています。そのため、手元に通貨がなくても、売りから取引を始めることができます。
買いと売りの対応表
| 買い(ロング) | 売り(ショート) | |
|---|---|---|
| 取引のはじまり | 先に買う | 先に売る |
| 決済の方法 | 売って決済 | 買い戻して決済 |
| 利益が出る場面 | レートが上昇 | レートが下落 |
| 損失が出る場面 | レートが下落 | レートが上昇 |
| USD/JPYの場合 | ドル高・円安で利益 | ドル安・円高で利益 |
新規注文と決済注文(反対売買)
取引は、次の2つの注文で成り立っています。
- 新規注文:新しくポジションを持つ注文(買い・売りのどちらからも出せる)
- 決済注文:持っているポジションを閉じる注文(反対売買)
反対売買とは、持っているポジションと逆の売買をすることです。
- 買いポジションを決済する → 売り注文を出す
- 売りポジションを決済する → 買い注文を出す
決済してはじめて、損益が確定します。決済するまでの損益は「含み益」「含み損」と呼ばれ、まだ確定していない状態です。
買い注文と売り注文の価格の違い
FXの取引画面には、2つの価格が表示されています。
- Bid(ビッド):こちらが売るときの価格
- Ask(アスク):こちらが買うときの価格
通常、Ask(買値)のほうがBid(売値)よりわずかに高く設定されています。この差がスプレッドで、取引コストになります。
つまり、買った直後に売ると、スプレッドの分だけわずかに損失の状態からスタートします。詳しくは、スプレッドの記事で解説します。
買いと売りは「通貨の強弱」の予想
買い・売りの判断は、結局のところ「基準通貨が強くなるか、弱くなるか」の予想です。
- USD/JPYを買う → 「ドルが円に対して強くなる(円安・ドル高)」と予想
- USD/JPYを売る → 「ドルが円に対して弱くなる(円高・ドル安)」と予想
- EUR/USDを買う → 「ユーロが米ドルに対して強くなる」と予想
- EUR/USDを売る → 「ユーロが米ドルに対して弱くなる」と予想
「円高になりそう」と考えたときは、ドル円を売ることで利益を狙えます。「円安になりそう」と考えたときは、ドル円を買うことで利益を狙えます。
初心者が間違えやすいポイント
「円高=買い」と勘違いする
「円高」は円の価値が上がることなので、ドル円のレートは下がります。そのため、円高を予想するならドル円は売りです。
| 状況 | ドル円のレート | ドル円の取引 |
|---|---|---|
| 円高(ドル安) | 下がる | 売りで利益 |
| 円安(ドル高) | 上がる | 買いで利益 |
売りは「悪いこと」ではない
株式投資のイメージから、「売り=手放す、損をする」と思いがちです。FXの売りは、下落局面で利益を狙うための正当な取引方法です。
通貨ペアの左右を逆に覚える
買い・売りは、常に基準通貨(左側)を基準に考えます。ペアの右側の通貨を基準に考えてしまうと、利益が出る方向を逆に取り違えてしまいます。
買いと売りの両方を使えることのメリット
- 上昇相場でも、下落相場でもチャンスがある
- 相場が下がっているときに、下落に乗って利益を狙える
- 状況に応じて、買いと売りを使い分けることができる
ただし、予想が外れれば、買いでも売りでも損失が出ます。売りは、損失が理論上は無限に拡大しうる(上昇に上限がない)ため、損切りの設定が特に重要です。
まとめ
- 買い(ロング)は、安く買って高く売る取引。レートが上がると利益
- 売り(ショート)は、高く売って安く買い戻す取引。レートが下がると利益
- 買い・売りは、基準通貨(通貨ペアの左側)を基準に考える
- 取引は新規注文で始まり、反対売買(決済注文)で終わる。決済して損益が確定する
- ドル円では、円安=買い、円高=売りで利益を狙う
- 売りから入る取引は、下落局面でも利益のチャンスがある一方、損切りの設定が重要
本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引は自己責任でお願いします。
