FXの取引画面で必ず目にする4つの用語
FXの取引を始めると、ほぼ毎日目にする言葉があります。
- ポジション
- 建玉(たてぎょく)
- 含み損益
- 約定(やくじょう)
この4つは、取引の「いま、どういう状態か」を表す基本用語です。意味があいまいなまま取引すると、画面の数字を読み違える原因になります。ここで1つずつ整理しましょう。
ポジションとは
ポジションとは、買いまたは売りの取引をして、まだ決済していない状態のことです。
- 買いの取引をして、まだ決済していない → 買いポジション(ロングポジション)
- 売りの取引をして、まだ決済していない → 売りポジション(ショートポジション)
- 保有しているポジションがない → ノーポジション(ポジションなし)
「ポジションを持つ」「ポジションを保有する」は、取引を開始して、決済していない状態にすることを意味します。また、「ポジションを閉じる」「ポジションを決済する」は、取引を終わらせることです。
ポジションに関するよく使う表現
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| ポジションを持つ | 新規注文が約定し、決済していない状態にする |
| ポジションを閉じる(決済する) | 反対売買をして、取引を終える |
| ポジションを持ち越す | 日をまたいで保有し続ける |
| ポジションを傾ける | 買い・売りのどちらかに偏らせる |
| ノーポジ | ポジションを何も持っていない状態 |
建玉(たてぎょく)とは
建玉とは、決済されずに残っている個々の取引(ポジション)のことです。
ポジションとほぼ同じ意味で使われますが、使い分けると次のようになります。
- ポジション:「買い寄りか、売り寄りか」という、全体の状態や方向性を表す言葉
- 建玉:「いつ、いくらで、何通貨を取引したか」という、個別の取引1件ずつを指す言葉
建玉の例
| 建玉 | 通貨ペア | 売買 | 数量 | 約定価格 |
|---|---|---|---|---|
| ① | USD/JPY | 買い | 1万通貨 | 150.00円 |
| ② | USD/JPY | 買い | 1万通貨 | 150.50円 |
| ③ | EUR/USD | 売り | 1万通貨 | 1.1000 |
この場合、建玉は3つあります。USD/JPYの買いポジションは、合計2万通貨です。
建玉の一覧画面
取引ツールの「建玉一覧」「ポジション一覧」といった画面では、通常、次の情報を確認できます。
- 通貨ペア
- 売買の方向(買い・売り)
- 数量
- 約定価格(建値)
- 現在のレート
- 含み損益
また、同じ通貨ペアで複数の建玉を持っている場合は、平均取得単価(平均建値)が表示される場合もあります。
含み損益とは
含み損益とは、ポジションを保有している間に、現在のレートで決済した場合に発生する損益のことです。まだ決済していないので、損益は確定していません。
- 含み益:現時点で決済すれば、利益になる状態
- 含み損:現時点で決済すれば、損失になる状態
「評価損益」とも呼ばれます。
含み損益の計算例
USD/JPYを150.00円で1万通貨買った場合を考えます。
| 現在のレート | 含み損益 | 状態 |
|---|---|---|
| 151.00円 | +10,000円 | 含み益 |
| 150.00円 | 0円 | 損益なし |
| 149.00円 | −10,000円 | 含み損 |
売りポジションの場合は、方向が逆になります。USD/JPYを150.00円で1万通貨売った場合は、次のようになります。
| 現在のレート | 含み損益 | 状態 |
|---|---|---|
| 149.00円 | +10,000円 | 含み益 |
| 150.00円 | 0円 | 損益なし |
| 151.00円 | −10,000円 | 含み損 |
※ スプレッド(売値と買値の差)は考慮していません。実際の表示では、スプレッドの分だけ、含み損益は少し不利な数字になります。
含み損益はリアルタイムで変わる
含み損益は、レートが動くたびに変わります。取引中の画面では、数秒ごと、場合によっては1秒に何度も数字が変動します。
そのため、「含み益が出ているから大丈夫」「含み損は決済しなければ損失ではない」と考えてしまうのは危険です。含み損が大きくなると、ロスカット(強制決済)の対象になる場合があります。ロスカットについては、別の記事で解説します。
確定損益(実現損益)とは
確定損益とは、ポジションを決済して、確定した損益のことです。「実現損益」とも呼ばれます。
| 含み損益 | 確定損益 | |
|---|---|---|
| 状態 | ポジション保有中 | ポジション決済後 |
| 損益の確定 | まだ確定していない | 確定している |
| 金額の変動 | レートに合わせて変動する | 変動しない |
| 口座残高への反映 | 「評価損益」として反映 | 口座残高に反映 |
決済して初めて、損益が口座に反映されます。
約定(やくじょう)とは
約定とは、注文が成立し、取引が実行されることです。
FXでは、取引ツールで注文を出し、条件が満たされるとFX会社が注文を受け付けて約定します。約定すると、新規ならポジションが発生し、決済なら取引が終了して損益が確定します。
約定価格とは
約定した時点のレートを約定価格といいます。新規注文の約定価格は**建値(たてね)**とも呼ばれます。
約定の流れ
- 取引ツールで注文を出す(通貨ペア・買い/売り・数量など)
- FX会社が注文を受け付ける
- 注文条件を満たしたレートで約定する
- ポジション(建玉)が発生する
注文が約定しないケース
注文を出しても、必ず約定するとは限りません。次のような場合は、約定しなかったり、拒否されたりします。
- 指値注文・逆指値注文:指定したレートに届かなかった
- 相場が急変した:レートが大きく動き、注文を受け付けられなかった
- 証拠金が足りない:新規注文に必要な証拠金が不足していた
- メンテナンス時間・取引時間外だった
スリッページに注意
成行注文などで、注文を出したレートと、実際に約定したレートがずれることをスリッページといいます。相場が急変する経済指標の発表時などに起こりやすくなります。詳しくは、別の記事で解説します。
ポジションに関する用語のまとめ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ポジション | 決済していない取引の状態 |
| 建玉 | 決済していない個別の取引1件ずつ |
| 建値 | ポジションを持ったときの約定価格 |
| 平均取得単価 | 複数の建玉の平均建値 |
| 含み益・含み損 | 保有中の、未確定の損益 |
| 確定損益 | 決済により確定した損益 |
| 約定 | 注文が成立すること |
| 新規注文 | ポジションを新しく持つ注文 |
| 決済注文 | ポジションを閉じる注文 |
初心者が間違えやすいポイント
含み損を「まだ損していない」と考える
含み損は、決済していなくても、資金(有効証拠金)を減らしています。口座の評価は、含み損益を含めて計算されます。
約定価格と画面のレートが違う
注文時に見ていた画面のレートと、実際の約定価格は、わずかにずれることがあります。これは、レートが常に動いているためです。
「注文」と「ポジション」を混同する
注文は「これから取引したい」という意思表示で、ポジションは「約定して保有している」取引です。まだ約定していない注文は、ポジションではありません。
まとめ
- ポジションは、決済していない取引の状態。買いポジション・売りポジション・ノーポジの3つがある
- 建玉は、個別の取引1件ずつを指す。複数の建玉の平均値が平均取得単価
- 含み損益は保有中の未確定の損益で、レートによって常に変動する
- 確定損益は、決済によって確定した損益
- 約定は、注文が成立して取引が実行されること。約定価格が建値になる
- 含み損も資金を減らすため、決済していなくても損失として管理する意識が大切
本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引は自己責任でお願いします。
