通貨ペアは大きく4つに分けられる
FXで取引できる通貨ペアは、組み合わせる通貨によって、次のように分類されます。
| 分類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| メジャー通貨ペア | 米ドルと主要通貨の組み合わせ | USD/JPY、EUR/USD、GBP/USD |
| クロス円 | 米ドル以外の通貨と円の組み合わせ | EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY |
| クロス通貨(円以外) | 米ドルも円も含まない組み合わせ | EUR/GBP、EUR/AUD、GBP/AUD |
| エキゾチック通貨ペア | 新興国通貨を含む組み合わせ | USD/TRY、USD/ZAR、USD/MXN |
分類の呼び方は、FX会社や解説書によって少しずつ異なります。ここでは、一般的によく使われる区分で解説します。
メジャー通貨ペア
メジャー通貨ペアとは
メジャー通貨ペアとは、世界で最も多く取引されている、米ドルと主要通貨の組み合わせです。取引量が多いため、価格が安定して提示されやすく、スプレッド(売値と買値の差)も狭くなりやすいのが特徴です。
代表的なメジャー通貨ペア
| 通貨ペア | 通称 | 組み合わせ |
|---|---|---|
| USD/JPY | ドル円 | 米ドル/日本円 |
| EUR/USD | ユーロドル | ユーロ/米ドル |
| GBP/USD | ポンドドル | 英ポンド/米ドル |
| USD/CHF | ドルスイス | 米ドル/スイスフラン |
| AUD/USD | 豪ドル米ドル | 豪ドル/米ドル |
| USD/CAD | ドルカナダ | 米ドル/カナダドル |
| NZD/USD | NZドル米ドル | NZドル/米ドル |
メジャー通貨ペアの特徴
- 流動性が高い:売買する参加者が多く、注文が通りやすい
- スプレッドが狭い:取引コストを抑えやすい
- 情報が多い:ニュースや分析が豊富で、値動きの理由を追いやすい
- テクニカル分析が機能しやすい:参加者が多いぶん、多くの人が見ているラインや指標が意識されやすい
初心者は、まずメジャー通貨ペアから始めるのが基本です。
それぞれの特徴
USD/JPY(ドル円) 日本で最も人気のある通貨ペアです。日米の金利差や、米国の経済指標、日銀・FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に大きく反応します。
EUR/USD(ユーロドル) 世界で最も取引量が多い通貨ペアです。欧州の時間帯と米国の時間帯が重なる時間に、値動きが活発になります。
GBP/USD(ポンドドル) 値動きが比較的大きく、「ケーブル」とも呼ばれます。英国の経済指標や、英国の中央銀行(BOE)の政策の影響を受けます。
USD/CHF(ドルスイス) スイスフランは、世界情勢が不安定なときに買われやすい安全資産の通貨として知られています。
AUD/USD・NZD/USD・USD/CAD 資源国の通貨を含む通貨ペアです。原油や金属などの商品価格や、中国の景気動向に影響を受けやすい傾向があります。
クロス円
クロス円とは
クロス円とは、米ドル以外の通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアのことです。「米ドルを介さずに(クロスして)円と交換する」という意味でこう呼ばれます。
代表的なクロス円
| 通貨ペア | 通称 |
|---|---|
| EUR/JPY | ユーロ円 |
| GBP/JPY | ポンド円 |
| AUD/JPY | 豪ドル円 |
| NZD/JPY | NZドル円 |
| CAD/JPY | カナダドル円 |
| CHF/JPY | スイスフラン円 |
クロス円の特徴
- 損益が円で出るため、計算が分かりやすい
- 日本の個人投資家に人気があり、国内FX会社でも取り扱いが多い
- 値動きの大きさが通貨ペアによって異なる。たとえばGBP/JPYは値動きが大きく、「ポンド円は荒い」といわれることが多い
- リスクオン・リスクオフの影響を受けやすい。世界の株価が上がる局面(リスクオン)では円が売られて上がりやすく、世界情勢が不安定な局面(リスクオフ)では円が買われて下がりやすい傾向がある
円ペアとの違いに注意
「円ペア」はドル円を含む円が絡む通貨ペア全体を指し、「クロス円」はそのうち米ドルを除いたものを指します。つまり、ドル円はクロス円には含まれません。
クロス通貨(円以外のクロス)
円も米ドルも含まない通貨ペアです。「クロス通貨」「クロスカレンシー」と呼ばれることもあります。
代表例
- EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)
- EUR/AUD(ユーロ/豪ドル)
- GBP/AUD(英ポンド/豪ドル)
- AUD/NZD(豪ドル/NZドル)
- EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)
特徴
- 2つの通貨がどちらも米ドル以外のため、米ドルの動きの影響が相殺されることがある
- 取扱いのあるFX会社が限られる
- 通貨ペアによってはスプレッドが広く、動きも読みにくい
- 損益が円以外の通貨で発生するため、円への換算を意識する必要がある
初心者には少し難しい分類です。メジャー通貨ペアやクロス円に慣れてから検討するのがおすすめです。
エキゾチック通貨ペア
エキゾチック通貨ペアとは
エキゾチック通貨ペアとは、新興国など、取引量の少ない通貨を含む通貨ペアです。
代表例
| 通貨ペア | 通貨 |
|---|---|
| USD/TRY | 米ドル/トルコリラ |
| TRY/JPY | トルコリラ/円 |
| USD/ZAR | 米ドル/南アフリカランド |
| ZAR/JPY | 南アフリカランド/円 |
| USD/MXN | 米ドル/メキシコペソ |
| MXN/JPY | メキシコペソ/円 |
エキゾチック通貨ペアの特徴
- スワップポイントが高い傾向:政策金利が高い国が多く、買いポジションを保有すると受け取れるスワップポイントが大きくなる場合がある
- スプレッドが広い:取引量が少ないため、取引コストが高くなりやすい
- 値動きが急になりやすい:政治や経済の不安定さが、急な変動につながることがある
- 流動性が低い:特に、取引量が減る時間帯は注文が通りにくいことがある
- 長期的に通貨価値が下がる傾向の通貨もある:高いスワップポイントを受け取っても、為替差損がそれを上回ることがある
注意点
スワップポイントの高さだけを見て選ぶと、為替の急な変動で大きな損失が出るリスクがあります。エキゾチック通貨ペアは、基本的に上級者向けと考えましょう。
通貨ペアの種類による比較
| メジャー | クロス円 | クロス通貨 | エキゾチック | |
|---|---|---|---|---|
| 取引量 | 多い | 比較的多い | ペアによる | 少ない |
| スプレッド | 狭い | 比較的狭い | ペアによる | 広い |
| 値動きの安定性 | 比較的安定 | ペアによる | ペアによる | 荒い傾向 |
| 情報の得やすさ | 多い | 多い | やや少ない | 少ない |
| 初心者向き | ◎ | ○ | △ | ×(上級者向け) |
通貨ペアの選び方
初心者は、次の順で選ぶと分かりやすくなります。
- まずはドル円:情報が多く、損益が円で出て、スプレッドも狭い
- 慣れたらユーロドルや、ユーロ円・ポンド円などのクロス円:値動きの違いを体験する
- 十分に経験を積んでから、クロス通貨やエキゾチックを検討する
通貨ペアが変わると、値動きの大きさ(ボラティリティ)や、動きやすい時間帯が変わることも覚えておきましょう。
まとめ
- 通貨ペアは、メジャー・クロス円・クロス通貨・エキゾチックに大きく分けられる
- メジャー通貨ペアは、米ドルと主要通貨の組み合わせで、取引量が多くスプレッドも狭い
- クロス円は、米ドル以外の通貨と円の組み合わせ。損益が円で出て、日本の個人投資家に人気がある
- クロス通貨は、円も米ドルも含まない組み合わせで、やや上級者向け
- エキゾチック通貨ペアは、スワップポイントが高い傾向がある一方、スプレッドが広く値動きも荒いため、初心者には向かない
- 初心者は、ドル円などのメジャー通貨ペアから始めるのが基本
本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引は自己責任でお願いします。
